総理大臣&国交大臣への抗議声明

12月26日(月)

民主党政権が八ッ場ダム本体工事「継続」を決定し、来年度予算に
本体工事関連費18億円が24日の閣議決定で盛り込まれた。
民主党政権の迷走の果ての結果に愕然としながらも、これから始まる新たな
闘いを前に下記の抗議声明を総理大臣と国交大臣あてに本日、提出。
県庁記者クラブにも投げ入れをした。
年明け早々には、大規模な抗議集会も予定している。
「有害無益」なダムはいらない!
これからもご一緒にがんばりましょう!

********************************
八ッ場ダム本体工事「継続」決定への抗議声明

12月24日、2012年度政府予算案が閣議決定され、八ッ場ダムの本体工事を
行うための関連費18億円が盛り込まれました。
このことは民主党が2009年の衆議院選挙において掲げた公約
「コンクリートから人へ」「八ッ場ダム中止」をないがしろにするものであり、
断じて認めることはできません。
「ダムに頼らない治水」への政策転換に期待し、民主党政権を誕生させた
国民の信頼を著しく損なったと重く受け止めるべきです。

 2009年政権交代後、前原元国交大臣ダム中止宣言を受け、
「予断なき検証」の名のもとにダムの検証作業が行われました。
しかし、その内実はダムを推進してきた国交省の河川官僚が自分たちに
都合の良い有識者ばかりを集め、「ダムありき」のシナリオに沿って名ばかりの
検証を行ったに過ぎません。
これに対し、127人の科学者らが「科学的客観的な検証がなされていない」と
抗議声明を出しています。
また、地元群馬県選出の衆議院議員6人は八ッ場ダム中止の明確な
意思表明をし、民主党国交部門会議からも国交省の検証結果に異論を唱える
意見書も提出されていました。
この間、民主党内での議論が尽くされないばかりか、前田国交大臣は
あろうことか12月23日午後の政府・民主三役会議で正式決定する前日
の22日にダム建設再開を表明し、急きょ現地入りしたことは党内から
「クーデター」との声があがるほどの暴挙といっても過言ではありません。
 
私たち市民ネットワークは、20年前から八ッ場ダムの不要性を訴え、
さまざまな分野の専門家の協力を得てダム中止に向けての活動を
進めてきました。
本事業は無駄な公共事業であるばかりか災害を誘発する危険性の高いダム
であることも司法の場で明らかにしてきました。
有害無益なダム計画は中止し、私たち流域住民にとって現実的かつ最も有利な
利水・治水策を示すべきです。同時に60年もの間、ダム計画で苦しめられてき
た現地の生活再建支援法案も「政治主導」で早急に実現するべきです。
この度の政府による決定は、ダム利権につながる政官学業の結束を強く国民に
印象づけました。
私たちはいかなる決定がなされようとも、ダムの完全中止をめざし、
本事業の不要性、不当性を広く世論に訴え、活動を続けていく所存です。

以上