県立病院を視察(その2)

1月26日(木)
救急医療センターを後にし、ファミレスで昼食を7分で切り上げ、
何とか1時半に中央区のがんセンターに到着。
お忙しいところ、中川原センター長、木村副センター長、松本事務局長が対応
してくださいました。
当センターは、昭和47年に、国立がんセンター、名古屋のセンターに次ぐ
全国3番目のセンターとして開設。
ベッド数も、200床から316床、現在の341床に増やしてきました。
外来通院での化学療法は、年1万6千件で県内最多、全国5位以内。
緩和ケア25床を除く300床はほぼ満杯。外来から手術まで1か月は
かかり、ハード面でのキャパは越えており、1週間遅くても2週間以内に
手術を受けたいとの希望には応えられないとのことでした。
国のがん対策基本法改定にあたって、在宅、小児、がん検診等に当事者の
声が反映され、今後たくさんの仕事が入ってくることになるが、たくさんの
課題があるとのこと。

左が中川原センター長、そのお隣が木村副センター長

がんセンター

特に高齢化に伴い、独居の看護をどのように支えていくのか、病院に来る患者を
診ることだけではなく、退院後のサポート体制を整えていくことが、
県立センターの使命だと中川原センター長は語ってくださいました。
言葉一つひとつに重みを感じました。

緩和医療センターも全国に先駆けてつくり、地域と連携し、患者さんやご家族を
支えるボランティアさんも100人近く登録しているとのこと。

院内にある「にとな文庫」
がんや緩和ケアについての情報収集を常駐の司書さんがお手伝いしています。
にとな文庫

比較的新しい緩和ケア病棟は明るく静かでした
緩和ケア病棟

その一方、外来の病棟は、大きな部屋に十数個のベットが並べられ、
雑魚寝状態で点滴を受ける患者さんであふれ、人が通るのもやっと…。
狭いうえにカーテンで取りあえず間仕切りをつくってはいるが、隣の声も
つつぬけという、プライバシーなど全くない環境に驚きを隠せず、
こんな環境を放置しておいてよいのかと憤懣やるせない気持ちでした。
耐震面でも建て替えを急ぐべきであり、財政難を理由に先延ばしに
すべきではありません!!

最新の医療機器に対応できる環境が必要
医療機器

せまいスペースで治療薬を調合するスタッフ
薬の調合

最後は、千葉リハビリテーションセンター。
吉永センター長がお忙しいところ、パワーポイントで説明してくださいました。
このセンターは県から指定管理者の指定を受け、千葉県身体障害者福祉
事業団が5年間の契約で管理運営しています。
病院機能に加え、愛育園(肢体不自由児施設)、陽育園(重症心身障害児
施設)、更生園(障害者支援施設)等の施設が一緒になり、県内にある同じ
ような施設に助言や支援を行う中核的役割も担っています。

すぐ隣にある袖ヶ浦特別支援学校の小中高等部に70人ほどの子どもたち
が渡り廊下を通って通学しています。
昭和56年に開設して30年経過し、重度化していること、少子化に拘わらず
子どもの障がい割合が増加しているとのことです。

リハビリの部屋の様子
県リハセン

ここでも「施設から地域へ」の流れで就労支援にも力を入れているとのこと
ですが、現実はまだまだ厳しい状況です。

医療、福祉、介護における公的な役割はこれからもますます重要です。
今回、4か所の医療現場を訪れ、勉強させていただきました。
自治体病院の使命を果たすため、医療の最前線で奮闘しておられるドクター
看護士をはじめたくさんの医療スタッフの姿を間近に拝見し、多くを学びました。
県民の命と健康を守ることこそ、県政の最優先課題と再確認した視察でした。
関係者の皆様、大変お世話になりました。