長くて濃い一日

10月6日(土)

午前中は来月発行予定のネット通信の企画会議があり、紙面内容を
どうするか、集まったメンバーでわいわいがやがや紙面内容の話し合い。

午後は千葉の教育会館に移動し、生活クラブ千葉グループの
「地域づくりフォーラム2012」に参加した。
基調講演は湯浅誠さん
湯浅誠さん

「誰もが排除されることなく安心して暮らせる社会をつくる」という
テーマで90分のお話だった。

今でこそ「ワーキングプア」という言葉を知らない人はほとんどいないが、
2004年にこの言葉が誕生した当時は「貧困」という言葉を使うことを
政府もマスコミも良しとせず、抵抗があったとのこと。

いろいろなデータを使ってこの十数年間の社会の流れを解説し、
「自己責任論」が巷にあふれ、生きづらい世の中になっているかを
語ってくれた。
印象的だったのは、自己責任論の分析。
自己責任を語る人は、その状態を認めたくない、つまり「否認」という
心理状態にあるとのこと。
また、自己責任論は2つのものを切り落としているということで
1つ目は、自分の問題ではない、他人の問題としてしまうこと。
2つ目は、一度は他人の問題と突き放してしまっても、後ろめたさを
感じるのでそれ以上は考えないと自分の中の声を切り捨てている状態
だという。

例えば、ホームレスに対する自己責任論をぶつける場合、
①ちゃんと努力して働かなかったのは、その人の問題。自分には関係ない。
②何か気持ちはざわざわするけど、自分ではどうすることもできない。
だからホームレスを「仙人みたいな人」と切り離し、それ以上考えない。
要するに自己防衛的反応ということだそうだ。

家族や友人、雇用保険などの傘の中にいて護られているうちは
自己責任論を言っていられるが、ひとたび傘の外に放り出された時に
ようやくその辛さが実感できると湯浅さんはご自分に引き寄せて
話してくださった。

講演後には、生活クラブ版地域福祉活動計画やユニバーサル就労などの
活動報告とパネルディスカッションと続いた。
生活クラブ
マイクを握っているのは、コーディネーターの池田徹共同代表

18時から御茶ノ水の明大で開かれる沖縄の集会に間に合うよう、
一足お先に会場を後にした。

少々遅れて会場に到着すると、東大の高橋哲也さんが沖縄の歴史的背景を
語っていた。
休憩後、いよいよ12月に封切される沖縄の長編ドキュメンタリー映画
「ラブ沖縄@辺野古@高江」の試写が始まった。
そこには米軍の新基地建設に抵抗する沖縄の人々の強い思い、
日々の暮らし、次世代へのまなざしが映し出されていた。
スクリーンから沖縄の叫びが切々と伝わってきた。
19時から約2時間、息つく間もなかったくらいだ。
沖縄の現地はオスプレイ配備、高江のヘリパッド建設と激震が走っている。

私たちも沖縄の今を他人事として目をそらすのではなく、
現状を知り、過去を学ぶことから始めたい。