ご当地電力ってなに?

12月16日(日)

脱原発世界会議2のシンポジウム「自然エネルギーと分散型社会への
道筋はこれだ」に参加。
ドイツから来られたグリンピースのトーマス・ブリュアーさん、
国際持続可能性分析戦略研究所のウヴェ・フリーシェさんはじめ、
国内からも山形や美浜原発からの報告があり、とても充実した内容だった。

なかでも興味深かったのは、小田原市長加藤憲一さんのお話。
福島原発事故が小田原に与えた影響は大きく、足柄茶から放射性物質が
検出されたり、かまぼこなどの売り上げが大きく減少するなどの被害が
あったとのこと。
もともと資源豊かで小水力発電もしていた地域であり、クリーンエネル
ギーの可能性を探ろうと、行政戦略アドバイザーをお願いしている
飯田哲也さん(環境エネルギー政策研究所)からアドバイスを受け、
「小田原電力」の設立に向けて取り組むことになったそうだ。

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プレゼンに熱が入る48歳の若き首長

今年7月に小田原市と民間企業で「再生可能エネルギー事業化検討協議会」
を立ち上げ、地元のかまぼこ会社の社長が会長を務める。
公共施設の屋根がしソーラなどの太陽光発電を皮切りに、小水力発電や
バイオマスなど「創エネ」とともに、「省エネ」も進めていくとのこと。
今月20日にも記者会見を行い、太陽光発電事業会社を設立には20社が出資
する予定で市民ファンドも呼びかけるそうだ。
二宮尊徳の出身地にちなみ、「報徳エネルギー」と命名するとか。
立ち上げ当初の配当は、かまぼこや干物といった現物支給もありと
ユニークな試みをお聞きした。
ぜひ今度、現地を訪れてみたい。

パネリストの報告の後は、質疑応答を含むディスカッションがテンポ良く
進められ、あっという間の2時間が経過。
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脱原発に向けてエネルギーの分散化、地域自立、地産地消とはいうが、
実際に進めている地域はまだまだ少ない。
このシンポジウムでは、まずは地域で人と人が話し合う場をつくり、
ネットワークをつくっていくことが初めの一歩であるということが
分かった。
先進事例を学び、自分がどのような役割を担い、具体的に何ができるのか、
情報共有しながら、これからじっくりと考えてみたい。