6月議会閉会

7月5日(日)

一昨日、議会が閉会しました。
最終日には、私たちの会派は必ず登壇して討論を行います。
10分間という時間制限があるので、すべての議案を取りあげることは
物理的に不可能ですが、その時々の優先度を考え、なぜ賛成なのか
反対なのか、議員として県民への説明責任を果たすことは絶対に必要
なことと考えています。
ところが、毎回最終日に必ず登壇するのは、私たちの会派と共産党だけ。

今回、私は、議案に対する討論(東葛高校に県立中学を併設する議案、
安保法案の廃案を求める請願、鋸南開発の不許可処分を求める請願の3本)
山本さんが議員提出の発議案について討論しました。
最後は時間が足りなくなったため、飛ばし読みとなってしまいましたが
原稿を貼り付けます。

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市民ネット・社民・無所属の入江あき子です。会派を代表し、
議案第13号、請願第1号、第2号、第4号、第6号、第9号、第11号に対し、
委員長報告に反対の立場から討論します。

初めに、議案第13号千葉県県立中学校設置条例の一部を改正する
条例の制定についてです。平成20年度に開校した千葉中学校に続き、
来年4月、県立東葛飾高等学校に併設型中高一貫教育校を設置する
ための条例改正です。

中高一貫教育制度は平成11年4月より選択的導入が可能になり、
国や埼玉、佐賀県等でもすでに詳細な検証が行われています。
それらを見ると、「特色ある教育」による個性や創造性の伸長といった
成果があげられる一方、受験競争の低年齢化、遠距離通学や
地元公立中学校への影響、高校進学時の内進生と外進生との
学力格差等々、難しい課題が同様に示されています。

千葉中学校においては、受験倍率が初年度の27倍から低下傾向にあるが
依然として十数倍となっていること、私立学校とのダブル受験で合格者80名中
例年4割~5割が辞退していること、海外研修のための多額の費用負担が
あること等々、公立にもかかわらず実際は経済的に恵まれた家庭、
限られた子どもにしか門戸は開かれていません。
また、千葉高、東葛高とも県内有数の進学校であり、早い時期から
エリート意識が根付くことも懸念されます。

今、子どもの貧困が深刻化しています。
相対的貧困率が15%を超え、実に6人に1人が貧困状態。
この現実を直視すれば、公教育が取り組むべき喫緊の課題は
教育格差の是正です。
すべての子どもたちの教育の機会平等、格差のない教育環境の整備こそ
求められています。

ところが、東葛中学校を新設するために施設整備費だけで8億6千万円を
超える予算を投じる一方、わずか数百万円の東葛定時制高校の給食は廃止。
余りにも不公平、差別的と言わざるをえません。
限られた教育予算をどのように振り向けていくか、その優先順位が問題であり
本議案には賛成できません。

次に、請願第1号、第2号、第4号、第6号、第9号についてです。
いずれも今国会に提出されている安全保障関連法案に反対し、
廃案を求める請願であり、一括して討論します。
会期大幅延長により、今まさに審議されているところですが、
直近のいずれの世論調査でも、安保法案に反対、安保法案は違憲とする
国民が過半数を超え、圧倒的民意となっています。
新たな国際平和支援法案と既存10法を一括法とした平和安全法制整備
法案は、昨年7月1日の集団的自衛権行使容認の閣議決定を法的に担保する
ものです。

しかしながら、この閣議決定以前、集団的自衛権行使について歴代政府は
「いわゆる限定的な集団的自衛権行使も含め、憲法9条の解釈変更によって
可能とする余地すらなく、憲法9条の条文そのものを変える、つまり憲法改正
以外に手段がない」とする憲法解釈を一貫して行ってきました。
憲法9条の下では個別的自衛権しか行使できず、あらゆる集団的自衛権の
行使は法律の論理として認められていません。

ところが、安倍内閣は「昭和47年政府見解」を恣意的に読み替え、
そこに限定的な集団的自衛権行使が含まれていたとして解釈改憲の根拠に
してしまいました。
一内閣の閣議決定で憲法の平和主義を切り捨て、立憲主義をないがしろ
にする、まさに国民を顧みない暴挙といわざるを得ません。

日本が直接的武力攻撃を受けていなくても、自衛隊の地理的制約を撤廃し
他国の軍隊を支援する、まさに戦争をする国に急旋回しようとしています。
このように強引な政府の進め方に対し、230名を超える憲法学者や
日弁連からも批判の声が高まっています。
安倍政権はこれら国民の声に真摯に耳を傾けるべきです。
戦後70年、戦争放棄、戦力不保持、交戦権否認を世界に宣言し、
戦争に参加してこなかった平和憲法こそ世界に誇る日本の宝です。
「国民の生命、自由及び幸福追求の権利」を守る拠り所です。
安保法案の廃案を求める請願はいずれも採択すべきです。

最後に、請願第11号鋸南町における鋸南開発株式会社の汚染土壌処理業
の許可申請に対して不許可処分を求める請願についてです。
鋸南町の採石場で許可違反の深掘りをし、大穴をあけてしまった
鋸南開発株式会社。
その穴を埋め戻すために必要量48万㎥を含む147万㎥、東京ドーム
1.2杯分もの汚染土で埋め立てる、汚染土壌処理業を行おうとしています。

本来、採石法では汚染土による埋め戻しはできないとするのが法の趣旨であり
事業者もこれまで「有害なものは入れない」と誓約していました。
ところが採石法を所管する商工労働部は汚染土による埋め戻しを
「軽微な変更」で良しと判断。
一方、汚染土壌対策法を所管する環境生活部は、地元との環境保全協定が
未締結、汚染土壌の実態が不明、何よりも有害物質による川や海、
地下水への汚染を防ぐための担保がまったくない等々、多くの問題がある
にもかかわらず、昨年1月17日事前協議を終了させてしまいました。
鋸南町をあげて大反対していますが、県は地元の訴えに耳を貸そうとは
していません。
いったい何のための誰のための事前協議、行政指導なのでしょうか。

その後、事業者は汚染土壌処理施設の建設を終え、今年5月22日、
県に業の許可申請を提出。
現在、水質保全課において審査が行われているところです。
業者にとっては、処理に困った汚染土での埋立が許可されれば、
またとないビジネスチャンスとなります。
採石法、土壌汚染対策法、森林法もかかわる本事業は法の隙間をかいくぐり、
縦割り行政を味方につけての巧妙な計画と言わざるをえません。
千葉県の環境行政の根本が問われています。

鋸南開発を皮切りに町が汚染土壌のゴミ捨て場になれば、漁業や農業、
観光もダメになってしまう、まさか放射能による汚染土壌がくるのではと
地元では危機感を募らせています。
先月24日の鋸南町議会最終日では、千葉県に鋸南開発への不許可を
求める意見書が圧倒的賛成多数で採択されました。
多くの町民も、この間署名や要請、県庁前での抗議活動に参加し、
粘り強く反対の声を大きくあげてこられました。
鋸南町の民意を真摯に受け止めてください。

6月県議会開会前、鋸南町民から議員各位に届いた書簡には
こう書かれてあります。
「鋸南町を守ってください。四季折々の美しい花々は里山を彩り、
きらめく里海からは世界遺産の富士山を眺望。温かい里愛で支え合い、
観光客を温かく受け入れる。そんな町づくりを進めている鋸南町。
都会の人たちのオアシスです。ふる里です。
千葉県のポテンシャルとして大きな役割を果たしています。
鋸南町を最終処分場の町にはさせたくありません。
どうか県議会議員の皆様、絶大なるお力添えをお願いいたします。」

以上、本請願へのご賛同を心からお願いし、討論を終わります。
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長文、お読みいただき、ありがとうございました。

昨日は、「県議選お疲れさま会」
祝勝会1

先日の臨時総会で退任した川嶋事務局長の慰労と宮田新代表の激励も
かねての会合になりました。
手づくりのおいしいご馳走がたくさん並び、楽しい夕べを満喫!

祝勝会2

各地域からたくさんご参加いただき、改めて議席を与えていただいた重み
を感じ、しっかり責任を果たしていかなくてはと気持ちを新たにしました。

祝勝会3

楽観視できない社会情勢ではありますが、決してあきらめず・へこたれず
時には楽しみながら、ご一緒に活動していきたいと思います。
まだまだ未熟者ゆえ、今後ともご教示ください。