滋賀から国を動かす 流域治水

12月6日(日)

今日はかねてから楽しみにしていたシンポジウムに参加するため
御茶ノ水にある明治大学グローバルフロントへ。

「温暖化時代の治水政策~国と地方の取り組みから」というテーマで
嘉田由紀子前滋賀県知事や国交省水管理・国土保全局の河川計画
調整室長の朝堀泰明さんが基調講演を行いました。

嘉田元知事

滋賀県流域治水条例は、どのような洪水にあっても人命が失われることと
生活再建が困難となる被害を避けることをめざした画期的な条例。
水害リスクを示す「地先の安全度マップ」の公表をめぐって
県内市町たちの厳しい抵抗に直面するなど条例制定までには8年の
歳月を費やしています。

一昨年前に滋賀県庁に出向き、担当職員さんからすでにその経緯や
ご苦労についてヒアリングしましたが、今回は嘉田さんから流域治水
への確固たる思いとしなやかな手法を直にお聞きすることができました。
盛りだくさんの内容をコンパクトにまとめられ、さすが!

シンポジウム2

一方、国は今年の夏に「水災害分野における気候変動適応策のあり方
について」という答申をまとめたばかり。
朝堀さんは、温暖化時代に災害リスク情報と危機感を社会全体が共有する
治水政策へと向かい始めている国の動きを報告。
いわく「滋賀県条例を追いかけている」とのこと。
地方から国を変える嘉田さんのパワーに脱帽です!

その後のシンポジウムでは、あの高橋裕東大名誉教授やいつもお世話に
なっている新潟大の大熊孝さんや拓殖大の関良基さんなど豪華パネリスト
が続々登場。

シンポジウム
マイクを手に取っているのが、大御所・高橋裕さん

午後1時半から5時まで、とても充実したシンポジウムでした。
消化しきれないところは、改めて資料を読み込まなければ…。

9月の関東・東北豪雨を受け、命や財産を守る真の治水対策を
今後どのように進めていくのか。
限りある資源、財政、人材で有効な手立てを縦割り行政を排し、
また官民の垣根を超えて、考えていかなくてはなりません。
今後とも流域治水について、さまざまな方々からご教示いただき
調査研究を深めていきたいと思います。