種子法廃止のゆくえ—明治大学のシンポジウムに参加

明治大学シンポジウム「種子法廃止のたねのゆくえ」

お茶の水の明治大学で開かれたシンポジウム「種子法廃止のたねのゆくえ」に参加してきました。

冒頭では主催者が行った47都道府県の法廃止後の措置についてのアンケート調査結果が発表され、全国の状況が分かりました。

メインスピーカーは、京都大学大学院教授で国際農業分析がご専門の久野秀二さん。
農業の競争力強化、成長産業化の掛け声のもとアベノミクス農政が新自由主義を加速化。
グローバル市場競争に参画できる一部の農業経営者を重点的に支援する一方、大多数の農家・農村地域を切り捨てる政策だと断じました。
点を育てるために面をないがしろにするものだが、面がなければ点は育たないとのこと。
水田農業の果たしてきた多面的価値、環境保全、生物多様性、地域の文化継承などをどのように見ているのでしょうか?

兵庫県からは農政環境部農産園芸課の寺尾勇人さんが参加され、県条例の制定経緯を語ってくださいました。
ご自身は4月から担当になったそうですが、前任者は今年1月末に知事から条例制定を指示され、3月議会に提案するために歯を食い縛ってがんばった結果、なんと奥歯が抜けてしまったとのこと。
衝撃のエピソードでした・・

新潟からはかつては農業改良普及員、現在も現役の農家でもある堀井修さんが現場の実情や前知事の下での県条例制定のリアルかつざっくばらんのお話がありました。

種子は遺伝資源の本体であり、地域で作り続けながら保管管理していくことが必要。
食料主権と言われれるが、すべての人が安全かつ十分な食料を得る権利があり、それを保障するのが国の義務というのが国連人権理事会の示す種子への権利で示されているそうです。

3時間の予定は超えましたが、もっとお話しを聞きたかった!とても有意義なシンポジウムでした。

明治大学シンポジウム「種子法廃止のたねのゆくえ」

明治大学シンポジウム「種子法廃止のたねのゆくえ」