議会質問ほか

平成29年6月 議会最終日 議案討論

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入江あき子

会派を代表し、議案第1号、議案第11号、議案第20号、請願第49号に対し、委員長報告に反対の立場から討論します。
知事選挙後の肉付け予算となる6月補正予算は、総額964億3300万円。「くらし満足度日本一」の実現にむけた事業を計上したとしていますが、その中身は相変わらずコンクリート重視で、北千葉道路など高規格道路ネットワーク事業をはじめ、県土整備部に306億円と3割以上を占めています。
一方、県民要望の高い医療・福祉にかかわる健康福祉部の補正予算は16億円。わずか1.6%と期待外れであり、県民福祉の向上は遠い道のりです。しかも、財源の3割が借金である県債278億円で賄われます。県債残高は3兆1千億円と増加の一途をたどり、将来世代のさらなる負担となります。
以下、具体的に反対の理由を申し述べます。



初めに、議案第1号一般会計補正予算についてです。

○保育士保育士処遇改善事業5億5千万円については、民間保育所の保育士の給与を一人当たり2万円アップするとしていますが、市町村は1/2、政令市に1/4の負担を求め、県は上限1万円を出すというものです。県が新たに処遇改善に取り組む姿勢は評価できますが、市町村に負担を求めることで自治体間の格差がさらに広がることは問題です。現在、県内では11市のみ独自の処遇改善事業を実施していますが、財政状況が厳しく行えない自治体も多くあることから、県はすべての市町村における処遇改善、底上げを行う制度にすべきです。
また、2万円アップの根拠を求めたところ、千葉の保育士の平均給与月額22万2900円については、女性の全職種の平均給与24万5200円と比較して約2万円低い。保育士の96%が女性であることから、2万円アップとのことですが、男性の全職種の平均給与と比較すると約10万円も差があります。働き方改革を旗印に掲げる行政が男女差別を固定化する認識は、時代に逆行するものであり、問題です。


○家庭教育支援チーム設置推進事業300万円については、千葉県の教育振興基本計画の施策「親の学びと家庭教育への支援」に位置付けられ、家庭教育を本格的に進めるものです。従来の子育て支援とは異なり、親の学び、親学において規範意識や公共の精神を重んじる価値観が強調され、さまざまな価値観を持つプライベートな空間である家庭に入り込むのは問題です。来年度から小・中学校で教科化される道徳教育と軌を一にする家庭教育が、個人の尊厳や内心の自由に踏み込む危険性をはらんでおり、賛成できません。


○移動交番者配備事業7663万6千円は、移動交番車5台の追加配備に伴う車両購入費や専従警察官10人に要する人件費が主な内容です。今後、移動交番車を拡充する方針が示されていますが、県民要望が高いのは空き交番の解消、不足している常設交番への人員配置です。新設交番の設置要望は、県内62ヵ所もあり、常設交番の拡充に予算を振り向けるべきです。



議案第11号は、特別支援学校の児童生徒に係る就学奨励費の支給事務について番号利用法(マイナンバー)を使って県独自に新たに特定個人情報を利用することができるよう条例改正するものです。 マイナンバーの独自利用により、就学奨励費の法定6項目以外を申請する約5千人の保護者の所得情報を情報提供ネットワークシステムと連携し、収集できるようになります。
県は、保護者の課税証明書等の添付書類が省略可能となり、利便性の向上につながるとしています。しかし、マイナンバー利用については、情報提供ネットワークシステムや収集したデータ管理において、情報漏洩や安全性の問題がクリアされておらず、個人情報がどこでどのように利用されているか、理解することは困難です。
自己情報コントロール権、プライバシー権の侵害につながるものであり、反対します。



議案第20号は、新型インフルエンザ対策のための抗インフルエンザウイルス薬を購入するための財産の取得です。
新型インフルエンザ等対策特別措置法では、国民の45%に相当する抗インフルエンザ薬を備蓄することとし、28年1月国から示された備蓄方針では、千葉県の備蓄目標量は113万2千人分。これに基づき、本議案ではタミフルドライシロップ13万1400人分を2億5203万円5712円で中外製薬株式会社から随意契約により購入するものです。本県では、24年度からタミフル、リレンザ、イナビル、ラピアクタを購入・備蓄し、この5年間で32億円を投入。使用実績については、東日本大震災時に260人分を配布しただけです。他に流用することはできず、4年から10年程度の有効期限が切れると、産廃扱いで処分しています。国は新型インフルエンザ対策、パンデミックへの対応として、抗インフルエンザウイルス薬の購入を法定受託事務として定めています。しかし、常任委員会の質疑では、これらのウイルス薬のC型インフルエンザウイルス感染への効果はなし、あくまでも不安解消のため、国が決めたこととの答弁でした。国策だからと無批判に従い、多額の費用をかけて備蓄を続けることは、費用対効果の点でも問題です。何よりも県民・国民にとって緊急性の高い税金の使い方なのか、千葉県として国に積極的に意見すべきと考え、本議案に反対します。



請願第49号夜間定時制高校の給食継続を求める請願については、昨年9月議会から継続審査となっていますが、ぜひとも今議会での採択をお願いするものです。
27年度から東葛飾高校、千葉工業高校の2校で突然夜間給食が廃止され、現在は事実上5校で廃止されています。この間、教育庁内の検討チームで夜間給食の在り方が検証され、給食に変わる夕食の提供や経済的に厳しい生徒への補助事業も始まりました。しかし、これまで給食が果たしてきた食育やコミュニケーションの場としての役割、経済的に厳しい生徒への対応といった課題解決の道筋は見えていません。
夜間給食は定時制高校の教育の要であり、生徒の身体と心の栄養源となってきました。定時制教育が始まった60数年前と社会状況は変化しましたが、さまざまな事情、生きづらさを抱えながら定時制で学んでいる生徒たちの存在が今も同じようにあります。中学時代に不登校で学びなおしている生徒、対人関係が苦手な生徒、アルバイトで家計を支えている生徒等々、7月5日の文教常任委員会では東金高校を視察し、現場の抱える課題を改めて認識することができました。
一方、給食を継続している残り12校の現場では喫食率を上げるための努力が行われています。しかし、月々5〜6千円の給食費をまとめて納めることができず、給食を食べたくても食べられない生徒の現実があります。また、県教委が行ったアンケート調査でも、一日1食、2食しか食事をとれない経済状況の生徒も少なからずいることが明らかになっています。栄養バランスがとれた給食、湯気の立つ温かい食事を囲み、生徒や先生の間で自然と会話が生まれる、夜間給食の意義と役割は昔も今も変わっていません。
全国に目を向けると、41の都道府県では夜間定時制給食に関する法律に基づき、夜間給食をしっかりと実施しています。廃止しているのは、わずか6県に過ぎません。夜間給食のあり方検証を行うのであれば、「試行的廃止」を止め、給食を継続しながら課題解決の道を探るべきです。


最後に、議員各位に本請願へのご賛同を心からお願いし、討論を終わります。


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