鋸南町における汚染土壌処理業許可申請は不許可に
今日の夕方、鋸南町にある採石場跡地における汚染土壌埋立処理業の許可申請が不許可となったというニュースが飛び込みました。
鋸南開発が出した土壌汚染対策法第22条に基づく汚染土壌処理業許可申請に対し、県は厳正な審査を行ってきたが、許可基準がクリアできず、今日付けで不許可としたとのこと。
この事業については、5年ほど前から地元鋸南町の住民の方々と連携し、不許可とするよう県に訴えてきました。
現地には何度も足を運び、県議会本会議や環境生活常任委員会でも県当局の姿勢を質してきました。
勝因は、粘り強く対峙してきた諦めない住民パワーだと思います。
町長を先頭に地域が一丸となり、民事及び行政裁判での闘いを続けてこられました。
本当に良かったと思います。
問題点をお伝えするため、2015年7月15日議会最終日本会議で行った私の討論を以下、掲載します。
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最後に、請願第11号鋸南町における鋸南開発株式会社の汚染土壌処理業の許可申請に対して不許可処分を求める請願についてです。
鋸南町の採石場で許可違反の深掘りをし、大穴をあけてしまった鋸南開発株式会社。
その穴を埋め戻すために必要量48万㎥を含む147万㎥、東京ドーム1.2杯分もの汚染土で埋め立てる、汚染土壌処理業を行おうとしています。
本来、採石法では汚染土による埋め戻しはできないとするのが法の趣旨であり事業者もこれまで「有害なものは入れない」と誓約していました。
ところが採石法を所管する商工労働部は汚染土による埋め戻しを「軽微な変更」で良しと判断。
一方、汚染土壌対策法を所管する環境生活部は、地元との環境保全協定が未締結、汚染土壌の実態が不明、何よりも有害物質による川や海、地下水への汚染を防ぐための担保がまったくない等々、多くの問題があるにもかかわらず、昨年1月17日事前協議を終了させてしまいました。
鋸南町をあげて大反対していますが、県は地元の訴えに耳を貸そうとはしていません。
いったい何のための誰のための事前協議、行政指導なのでしょうか。
その後、事業者は汚染土壌処理施設の建設を終え、今年5月22日、県に業の許可申請を提出。
現在、水質保全課において審査が行われているところです。業者にとっては、処理に困った汚染土での埋立が許可されれば、またとないビジネスチャンスとなります。
採石法、土壌汚染対策法、森林法もかかわる本事業は法の隙間をかいくぐり、縦割り行政を味方につけての巧妙な計画と言わざるをえません。千葉県の環境行政の根本が問われています。
鋸南開発を皮切りに町が汚染土壌のゴミ捨て場になれば、漁業や農業、観光もダメになってしまう、まさか放射能による汚染土壌がくるのではと地元では危機感を募らせています。
先月24日の鋸南町議会最終日では、千葉県に鋸南開発への不許可を求める意見書が圧倒的賛成多数で採択されました。多くの町民も、この間署名や要請、県庁前での抗議活動に参加し、粘り強く反対の声を大きくあげてこられました。
鋸南町の民意を真摯に受け止めてください。
6月県議会開会前、鋸南町民から議員各位に届いた書簡にはこう書かれてあります。
「鋸南町を守ってください。四季折々の美しい花々は里山を彩り、きらめく里海からは世界遺産の富士山を眺望。温かい里愛で支え合い、観光客を温かく受け入れる。そんな町づくりを進めている鋸南町。
都会の人たちのオアシスです。ふる里です。
千葉県のポテンシャルとして大きな役割を果たしています。
鋸南町を最終処分場の町にはさせたくありません。
どうか県議会議員の皆様、絶大なるお力添えをお願いいたします。」
以上、本請願へのご賛同を心からお願いし、討論を終わります。
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画像は、2015年7月23日千葉中央公園からスタートした抗議デモ