選択的夫婦別姓制度の導入を求める意見書(案)

令和4年3月に内閣府が公表した「家族の法制に関する世論調査」 によれば、「選択的夫婦別姓制度を導入した方がよい 」と回答した国民は28.9%で、「現在の制度である夫婦同姓制度を維持した方がよい 」と回答した国民の27.0%を上回っている。

特に、18〜29歳における選択的夫婦別姓制度の賛成・容認の割合は83.6%、30〜39歳における、その割合は86.4%である。

政府答弁によると、法律で夫婦同姓を義務付けている国は日本だけであるにもかかわらず、1996年に法制審議会が選択的夫婦別氏制度の導入を含む民法改正を答申してから26年、いまだ法改正の見通しは立っていない。

最高裁判所は平成27年12月の判決に続き令和3年6月の決定で、夫婦同姓規定を合憲とする一方で、「夫婦の氏についてどのような制度を採るのが立法政策として相当かという問題と、夫婦同氏制を定める現行法の規定が憲法24条に違反して無効であるか否かという憲法適合性の審査の問題とは、次元を異にするものである」とも指摘し、「制度の在り方は、平成27年大法廷判決の指摘するとおり、国会で論ぜられ、判断されるべき事柄にほかならないというべきである」とした。最高裁が二度にわたり、国会での議論を求めていることを重く受け止めなければならない。

家族の多様化が進む中、旧姓を通称使用する人や事実婚を選択するカップルも少なくない。改姓によってこれまで築き上げたキャリアに分断が生じる例や結婚を諦めるなど、不利益を被る人が一定数いることも事実である。選択的夫婦別姓については、最高裁判決の趣旨を踏まえ、適切な法的選択肢を用意することは、国会及び政府の責務である。

よって、本議会は、国会及び政府に対し、選択的夫婦別姓制度を導入する民法の改正を求める。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和4年12月6日

千葉県議会議長

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣  あて
内閣官房長官
法務大臣