平成30年6月議会 一般質問

市民ネット・社民・無所属会派 入江 晶子

2018年6月26日(火) 11:00〜12:00

質問原稿

1. 水問題

(1)地下水の継続利用について

佐倉市の水道水に占める地下水の割合は現在65%、残りは利根川の表流水を印旛広域水道から受水しています。安全で美味しい地下水は私たち市民の命や生活を支える基盤であり、市民の共有財産です。佐倉市は32本の深井戸を丁寧にメンテナンスしながら使い続けてきました。かつては100%地下水でしたが、地盤沈下を理由に昭和49年7月から県環境保全条例で汲み上げが規制され、現在は24本の井戸が暫定的に汲み上げを許可されています。この暫定井戸は、八ッ場ダムや霞ケ浦導水の完成に伴い廃止されることになっています。これまで佐倉市議会では千葉県に対して暫定井戸の継続利用や県環境保全条例の見直しを求める意見書を5度にわたって提出、また昨年2月には印旛9市町の首長が合同で森田知事に対し、同様の要請を行っています。27年1月からは佐倉市、印旛広域事務組合、千葉県との間で八ッ場ダム完成の場合の暫定井戸の扱いについて協議が進められています。

暫定井戸が廃止されると表流水の割合が増え、水道料金の値上がりに直結します。佐倉市議会では二十数年前からこの問題をめぐる議論が行われてきました。直近の6月佐倉市議会では八ッ場ダム、霞ケ浦導水事業が稼働した場合、地下水の割合はそれぞれ54%から22%まで減らされるとの答弁がありました。同時にダムからの受水が増えると配水池など施設を拡充しなければならず、水道料金の値上げを余儀なくされます。佐倉市では30~35%の値上げになるのではないかと試算しているようです。まさに市民生活を直撃する深刻な問題です。

千葉県では地盤沈下を理由に地下水の採取規制が四十数年来行われ、県内では観測井戸によるモニタリングが続けられています。地盤沈下は全域的にほぼ沈静化していますが、一部で緩やかな沈下傾向、佐倉市内では毎年2センチ以内の沈下が見られるものの、市によれば「この10年間で東日本大震災の時を除けば、市内全域で目立った被害は1件もない」とのことです。確かに地下水採取も要因の一つですが、その他に地殻変動などの要因もあります。北総地域の過去のデータから水道水源井戸による地下水採取が地盤沈下を進行させている大きな要因であるという客観的なデータが明確に示されない以上、地元としては暫定井戸の廃止は納得できません。これまで県議会で北総地域における地盤沈下と地下水採取の因果関係について詳細なモニタリングを行うよう求めてきました。それを行わないのであれば、暫定井戸を慎重に地下水汲み上げを継続すべきだと思います。何よりも地下水は公共水として位置づけられており、水道水源として優先的に使われなければなりません。そこで、2点お伺いします。

  • 八ッ場ダムや霞ケ浦導水事業の完成に伴う暫定井戸の取扱いについて、佐倉市はじめ関係団体とどのように協議を進めているのか。
  • 地下水採取規制のあり方を含めて、環境保全条例の見直しを検討すべきだがどうか。

(2)水政策の転換について

議長のお許しを得て資料を配布させていただきましたので、ご覧ください。右のグラフは、千葉県全体の水需要予測と実績になります。直近の実績は一日当たり195万㎥まで減少し、県の予測値である238万から43万㎥の乖離があります。左上のグラフでは県全体の保有水源がすでに275万㎥あるが水余り状態、そのため使われていない水、未利用水利権が毎秒1.559㎥、一日当たり約13万5千㎥あること、にもかかわらず新たな水源開発で毎秒3.749㎥、一日当たり約32万4千㎥の水をさらに得ようとしています。人口減少や節水機器の普及で水余りは明らかです。しかし、依然として新規水源開発が進められています。霞ケ浦導水事業の当初の完成予定は今から25年前の1993年、八ッ場ダムは2000年に完成予定でしたが、5度の計画変更により事業費は2100億円から5320億円に膨らみ、いまだに完成していません。2004年9月10日、必要性を失った八ッ場ダム事業への負担金支出の違法性を訴え、6都県の住民約5000人が一斉に関係都県に住民監査請求を行い、千葉県では1337名が参加。県から「棄却・却下」され、その後住民訴訟に発展、12年にわたる法廷闘争が続けられてきました。私も裁判の原告事務局として最高裁判決まで関わってきましたが、行政の「裁量権」という厚い壁を崩すことはできませんでした。しかし、県の限られた財源、県民の血税の使い方の優先順位に照らして、どこまでも無限大に行政の裁量を認めることが果たして正しいのか?今でも全く納得していません。地方自治法2条14項「最小の経費で最大の効果をあげる」経済性の観点がないがしろにされれば、将来世代への借金は膨らみ、この先の社会資本の維持管理の財源すら生み出せません。そこで3点質問します。

  • 県の「長期水需給調査結果」における水需要の予測と実績の乖離について、どのように捉えているのか。また、調査期間における実績のピークは平成17年度であるが、今後これを超える需要量が発生すると考えているのか。
  • 八ッ場ダム事業、霞ケ浦導水事業、思川開発事業の新規水源開発による県内利水者の総負担見込み額はどうか。また、これらのダム等に係る維持管理費の見込みはどうか。
  • 未利用水の活用、水利権の転用や返上、地下水の保全や利用を推進するなど、持続可能な水政策への転換を図る必要があると考えるがどうか。

2. 石炭火力発電所と粉じん問題

(1)石炭火力発電計画

2015年国連で採択された「パリ協定」に基づき、世界各国では地球温暖化による深刻な悪影響を避けるため、CO2削減に大きく舵を切っています。一方、日本ではCO2を大量に排出する石炭火力発電所を新たに35基も建設する計画が進められています。これらすべてが稼働すると2030年度の石炭火力発電所からのCO2排出量限度を6800万トン程度超過、千葉県内で計画がある3基が稼働すれば1800万トンの排出量といわれています。千葉市中央区に計画されている出力107万キロワットの仮称蘇我火力発電所が稼働すると、170万世帯1年分のCO2が排出される計算になります。資料右下のグラフから高効率の石炭火力であっても、LNGの2倍であることが見て取れると思います。この他に有害物質である水銀、硫黄酸化物や窒素酸化物、PM2.5等が大気中に拡散します。

仮称蘇我火力発電所は、中国電力とJFEスチールが共同出資して設立した千葉パワーによる石炭火力発電所です。現在、環境アセスの第二段階で今年1月事業者より環境影響評価方法書が出され、この間、県の環境影響評価委員会が5回開催されました。今月15日の委員会では千葉県知事が経済産業大臣に提出する知事意見の答申案をめぐって熱心な議論が交わされ、私も傍聴しました。この答申を受け、7月2日までに知事意見を提出することになっています。そこで、お伺いします。

  • (仮称)蘇我火力発電所の環境影響評価方法書に関して、市民や関係市、県環境影響評価委員会からどのような意見が出されているか、またそれらを経済産業大臣への知事意見にどのように反映していくのか。

近年、大気汚染物質の長距離移動・酸性降下物としての蓄積による影響、温室効果ガス排出による気候変化など地球規模の環境影響が、環境影響評価において対象とされる累積的影響の一つとして国際的に認識されるようになっています。

国内でも、平成27年下北風力発電事業に係る環境影響評価準備書に対する青森県知事および環境大臣意見の中で、「既設または新たな風力発電事業計画との累積的・複合的な環境影響が懸念される。他事業者と情報を共有し、累積的・複合的な環境影響の調査、予測及び評価を行い、重大な影響が認められる場合には、事業計画の見直しを検討すること」と示されています。そこで、お伺いします。

  • 千葉県には多くの火力発電所が稼働しているが、新たな石炭火力発電所稼働に伴う大気や海洋等への累積的影響をどのように考えているのか。

(2)粉じん問題

資料2枚目をご覧ください。写真は、千葉ポートタワーから石炭火力発電所建設予定地を臨んだ工場周辺の様子です。風の強い日はこのように空が真っ黒になるほど臨海部の工場から粉じんが飛んできており、蘇我地区の住民から多くの苦情が出ています。大気中の粒子状物質のうち重力または雨によって沈降するばいじん、粉じん等の物質を総称して「降下ばいじん」というそうですが、千葉県では昭和35年度から調査を行っており、右下のグラフになりますが、昭和50年代にかけて濃度が低下し、その後は横ばい、1平方キロメートルあたり毎月4t前後です。3枚目右上のグラフは、臨海部における状況です。今年2月は、寒川で1㎢あたり毎月22t、蘇我で21tですが、この地域は千葉市臨海部の工場に近い地域です。県平均と比べ、とりわけ高いことがわかります。降下ばいじんには規制はなく、千葉市で設定された「環境目標値」は、1㎢あたり最大 月20t、年間平均でも毎月10tとなっています。昭和50年代以降は、1㎢あたり毎月4t前後と減少しているにもかかわらず、その値は見直されることなく環境目標値が実態に適合していません。

蘇我火力発電所の住民説明会では、「今でも粉じん問題が深刻なのに、さらに空気を汚すのか」との意見が多く出ています。昨年11月市民団体が臨海部の住民を対象に粉じん問題についてアンケートを行っており、その結果が中ごろのグラフになります。82%が「大気環境が気になる」、75%が「黒い粒子が気になる」と回答。洗濯物が干せない、子どもがぜんそくで心配だなど、苦しんでいる声も寄せられています。一方、千葉県の降下ばいじん調査結果を見ると、木更津、君津、富津の地点でも同様に高い値が測定されており、この問題が決して千葉市だけではないことではないことが分かります。そこで、2点お伺いします。

  • 県は粉じん被害の原因究明に向けて、今後どのように取り組んでいくのか。
  • 市民の命や健康を守ることを第一に考え、環境目標値の設定や事業者への具体的な指導を行う必要があると考えるがどうか。

3. 再生土埋立問題について

佐倉市の南部、神門地先で問題となっている再生土埋立事業についてです。

昨年の9月議会では第3期埋立事業隣接地の土壌汚染や悪臭の原因究明に向けて、埋立事業場を含めた周辺土壌や水質のボーリング調査を早急に行うよう求めました。その後、9月5日に県と佐倉市で第3期埋立事業地の土壌を採取し、土質分析を行ったところ、鉛とフッ素の基準値を超える産廃が埋め立てられていることが判明。しかし、県は事業者に全量撤去を求めず、事業者は今年1月から3月にかけて、事業地内を10メートルメッシュ、1メートルごとの深さでボーリング調査し、約600地点の土壌検査を行いました。そこで、2点お伺いします。

  • 神門地区再生土埋立事業における事業者による土壌分析の測定結果はどうだったのか。
  • 事業者から基準値を超える産業廃棄物を撤去する計画書が提出されたと聞いているが、どのような内容か。また、県はどのような指導を行っているのか。

再生土の埋め立てについては法規制がないため、千葉県では一昨年9月に行政指針を定め、土壌や地下水の汚染、崩落防止の安全基準を定め、対応してきました。しかし、県の指導に従わない業者による問題が発生、市町から規制強化を求める要望もあり、現在県は条例化を進めています。そこで、お伺いします。

  • 県は再生土の適正な埋立てを確保するための条例骨子案を示しているが、市町村からの意見をどのように反映しているのか。また、条例の実効性はどうか。

4. 国際医療福祉大学付属病院が地域医療に与える影響について

昨年4月、国際医療福祉大学医学部が成田に新設されました。国家戦略特区による医学部新設に対し、日本医師会、日本医学会、そして千葉県医師会、地元の印旛市郡医師会も地域医療への悪影響など様々な問題点を指摘し、一貫して反対してきました。しかし、安倍政権のトップダウンで決定。平成27年7月31日に内閣府、文科省、厚労省の三省による決定方針では「一般の臨床医を養成する既存の医学部とは次元の異なる国際的な医療人材の育成を目的とした際立った特徴を有する医学部とすること」と定めています。しかし、成田市と大学が共同で提出した「国際医療学園都市構想」では医学部の入学定員140名のうち120名は地域医療の担い手として教育すると記載。これは明らかに特区の方針に反していると医師会側は猛反発。明らかなダブルスタンダードにより、地域医療は振り回されています。

一方、千葉県は一昨年1月29日、大学側から財政支援の要請を受け、28年度からの3年間で35億円を上限とする補助金を大学に出すことを決めました。大学と医学部の開設等に関する協定書を締結し、地域医療への貢献を求めています。その後、関係者との協議が5回に渡り、非公開で進められています。そこで、お聞きします。

  • 大学への補助金の執行状況はどうか。また、地域医療への貢献はどのように担保されているのか。

2年後の平成32年4月には同大学附属病院が成田市にオープンする予定です。昨年9月26日、県は大学に特例病床として642病床の開設許可を出しました。しかし、そもそもこの病院が開設される印旛保健医療圏は病床が多すぎる過剰地域となっているため、本来であれば新たな病床は認められません。しかし、国との協議のなかで医学生の実習施設、医師を育てる医育機関として特例的に認められたのです。同じ医療圏には成田日赤、日医北総、東邦大佐倉病院と急性期病院が林立しています。ここに国際医療福祉大学成田病院の642床が加われば、2025年時点の高度急性期病床の必要病床数594に対し、高度医療は1千床以上もオーバーしてしまいます。過剰な医療提供体制による患者の奪い合い、病院経営の悪化、ひいては市民の医療アクセスの後退など、医師会が反対理由として指摘してきたことが現実のものとなりかねません。

何よりもこの病院がどのような医療機能を持つ病院なのかもはっきりと見えていません。これまで県は国際医療福祉大学成田病院について、高度な医療機能を提供する場合には二次保健医療圏を超えた幅広い地域をカバーする拠点病院として位置づけることも含めて検討していきたいとの見解も示し、県立病院改革プランの中でも佐原病院との関係でその点に触れています。昨年7月、印旛保健所で開かれた地域医療構想調整会議において大学側から病院開設の概要説明がありましたが、その後の動きは見えていません。そこで、お伺いします。

  • 国際医療福祉大学成田病院の地域医療における役割や他の医療機関との連携は具体的にどのようになっているのか。

5. 種子法廃止に影響と対応について

今年4月1日、政府は戦後の食を支えてきた主要農作物種子法、いわゆる種子法を廃止。これまで国や自治体は法に基づき稲・麦・大豆の種子を安定供給するとともに、品種改良の研究・開発を実施、地域の特性に合った優良な種子を奨励品種に指定し、普及を図ってきました。しかし、法的根拠が失われることの波紋が広がり、国は現場での混乱を避けるため、都道府県の種子事業を継続するための交付税を当面の間は出すとしています。しかし、今年1月の国からの通知では、種子法廃止と同時にセットされた農業競争力強化支援法に基づき公的種子の開発や栽培技術等の知見を民間事業者へ提供することを促しています。聞くところによると、公共品種のコシヒカリ等の種もみは1キロ当たり500円と安く提供されているのに対し、民間品種の「みつひかり」や「とねのめぐみ」は公共品種の4~10倍の価格で販売されているとのこと。また、民間参入が進めばこれまで地域特性に応じて作られてきた300品種ともいわれる多様な品種が消失し、やがては世界のバイオメジャー、多国籍企業が日本の種子市場を独占・支配するとの警鐘も鳴らされています。

先月末、千葉県の稲の種子生産現場の現状を学ぶため、農林総合研究センター成東生育地を訪ねました。ここでは県産米の9割を超える種子の原種、そのもととなる原原種が栽培され、純粋な優良種子の維持や綿密な生産管理が行われています。千葉県の稲の原原種には「ふさおとめ」「ふさこがね」をはじめ11品種があり、奨励品種として県内に普及していますが、実際に農家に種子を配布するための原種の生産はコシヒカリが中心とのこと。この原種が千葉米改良協会を通じて県内5カ所のJA種子場の種子生産者に配布され、定期的な圃場審査や種もみの厳しい品質検査を経て農家に配布されます。私たちが当たり前のように美味しい米を口にすることができるのもこうした地道な取り組みがあってこそと分かりました。

千葉県では種子法廃止に伴い今年4月1日に「千葉県主要農作物種子対策要綱」を施行し、従来どおりの種子事業を継続するとしています。一方、新潟、兵庫、埼玉県では独自に条例を定め、自らの公共種子を守り、安価な種子を安定的に提供する姿勢を明らかにしています。そこで、2点お伺いします。

  • 種子法廃止により、県がこれまで行ってきた種子事業はどのように変わるのか。
  • 主要農作物の品種開発にかかわる現状と課題はなにか。

6. 県立定時制高校について

今年4月から定時制高校全17校すべてで夜間給食が廃止されてしまいました。27年度から千葉工業高校、東葛高校の2校で試行的に廃止され、翌年度には5校に拡大、昨年度まで教育庁内で給食のあり方検討が進められてきました。その過程で浮かび上がった3つの課題、①発達段階に応じた食育の推進、②コミュニケーションの場の確保、③経済的に厳しい生徒への支援、これらへの解決策が示されないままでの全校廃止でした。一昨年の9月議会には「夜間給食を継続してほしい」という生徒・学校現場からの切実な声が請願として届けられ、文教常任委員会では定時制夜間給食の現場を視察調査するなど、真摯な議論が重ねられてきました。請願が5度も継続審査となってきたことがその表れです。ところが、県教委は議会の姿勢を重く受け止めることなく、昨年11月次年度から給食の全校廃止に踏み切るとの最終報告を決定。検討の過程で明らかになった定時制高校で学ぶ生徒の実態を直視することなく、初めから廃止ありきだったと言わざるをえません。

夜間給食は生徒の健康や学びを支える定時制教育の要として大きな役割を果たしてきました。国の法律にも位置付けられ、現在、全国で廃止しているのは、千葉県も含めてわずか7県です。先月、お話を伺った埼玉県では23校すべての定時制高校において自校式で給食が調理され、温かい食事が提供されているとのことでした。喫食率は6割程度だが、給食実施は当たり前で廃止はまったく考えていないそうです。一方、千葉県では給食の喫食率の低さを廃止理由にあげ、あり方検討の最終報告書では年間平均で49%という数字をもって「生徒のニーズがない」と強引に結論づけました。ところが、文科省の学校給食実施調査によれば、千葉県の夜間定時制12校の喫食率は、28年度は77.1%、昨年度は65.9%。いずれも全国平均を大きく上回っています。

また、今年1月22日県教委は定時制高校に「各学校の実態に応じて給食に変わる夕食を提供する」と通知、学校現場では新年度までの短期間に給食に変わる夕食を準備すべく業者の確保や校内体制、生徒・保護者への説明周知等々に奔走せざるをえませんでした。その結果、何とか夕食実施の形を整えられた学校もある一方、適当な業者が見つからず、結果として生徒の喫食率が大きく落ち込んだ学校もあります。具体的には、試行的廃止だった東葛、松戸南、木更津東、そして新たに市川工業、銚子商業、館山総合です。特に今年から廃止された3校では、昨年度の給食の喫食率がそれぞれ7割(70%、75%、76・9%)を超えていました。しかし、今年4月の夕食の利用率は、8%~26%に留まっています。資料3枚目の写真は市川工業定時制の食堂の風景、ビフォーアフターです。また、経済的に厳しい生徒への支援として昨年度始まった夕食費補助事業、一食当たり200円を対象生徒に補助するものですが、昨年度の利用はわずか7%に留まっています。この数字を見れば、いかに使いづらい制度であるかが分かります。そこで、3点質問します。

  • 夜間定時制高校給食の全校廃止に伴い、給食に変わる夕食の申込者数が大きく落ち込んだ学校があるが、この原因はどこにあると考え、今後どのように対応していくのか。
  • 各学校における夕食費補助の活用状況をどのように分析し、今後どのように対応していくのか。
  • 生徒の食や貧困の実態を放置するのではなく、夕食費補助の対象拡充等の見直しや給食の復活を含め、県が責任をもって早急に検討すべきだがどうか。

配布資料