7月30・31日市民と議員の条例づくり交流会in京都

7月最後の週末、毎年参加している議会改革シンポジウムに参加した。
今年は京都での開催だったが、出発前に急きょ入れたヒアリング等で慌ただしく、行きの新幹線の中でようやく一息つけた。

27・28日に行った県教委と市教委のヒアリング(放射能汚染のチェック体制の現状、学校給食の安全確保に向けた具体的な提案など)については、大野ひろみさんが詳しくブログ(大野ひろみのクラクラさくら)で報告しているので、ご覧いただきたい。

話を元に戻すが、一日目の会場である京都産業大学は叡山電鉄の一乗寺が 最寄駅でとても行きにくかったが、緑深い山に囲まれた郊外の巨大なキャンパス。 市民ネットの同僚議員らと開会直前、ぎりぎりたどり着いた。

2日目の会場は龍谷大学。
自治体議会改革フォーラム代表の広瀬克哉法政大学教授がこの4年間の議会改革を総括し、三重県議会の三谷哲央議員と京丹後市議会の大同衛議員がコメントされた。
広瀬先生には佐倉市議会の議会改革がスタートしたばかりの時にレクチャーを お願いし、ご足労いただいた。
「おかげさまで議会基本条例ができました」とご報告したかったが、お忙しそうなので話しかけることはできなかった。

三谷議員は首長と議会の二元代表制という地方自治の民主主義のあり方を深く理解し、議長選にあたって議会改革のマニフェストを示し、議長任期中にさまざまな先進的取り組みを実行してきた議会改革のトップランナーである。
3、4年前に当シンポジウムでお話を聞いたときは、保守派の中にもこんな革新的な人がいるのかと驚いたことを思い出す。
三重県議会では付属機関(第三者機関)設置を議会基本条例に盛り込むかどうかで時の総務省から注意を受けながらもしっかりと条例に明記し、 実動させてきた。
久しぶりにはつらつとしたお顔を拝見し、嬉しかった。

シンポジウム
パネリストの皆さん、左から広瀬さん、三谷さん、大同さん

昨年12月に制定した佐倉市議会の議会基本条例策定過程でもこの付属機関設置をめぐって議論し、条例に位置付けることができた。 議員定数や報酬などについて、自分たち議員のお手盛りではなく第三者機関に改選後、諮問すべきではないかと話し合ってきた。
佐倉での条例制定にあたっては、約2年間もの間、議会改革特別委員会でカンカンガクガク議論を重ねてきた。私もメンバーの一人だったが、この議会改革シンポジウムで先進事例を学び、他議会の議員と知り合い情報交換を行うことでいろいろな提案を実現することが できた。
京丹後市にも昨年秋に特別委員会のメンバーとともに訪れ、大同議長から総合計画の議決案件化についての具体的な手法をお聞きした。 その先進事例に倣って、12月議会では市側が出した総合計画案に対し、 議会としての修正案を出し、賛成多数で通すことができた。
佐倉市議会の議会改革の具体的な成果ともいえる取り組みが実現した。

また、第一分科会「市民の議会をどうつくる?」の取りまとめ役は、所沢市議桑畠健也議員。
帰りの新幹線の都合でご挨拶はできなかったが、彼にも大変お世話になった。 3年前のシンポジウムでお会いし、所沢市議会の取り組みをぜひ佐倉でお話いただきたいとお願いしたところ、快く引き受けてくださった。
その後、佐倉の特別委員会で提案がとおり、市議会のバスで所沢市議会にお邪魔した。特別委員会のメンバーだけではなく、全議員に呼びかけての視察が実現できた。議会改革の肝は、議員の意識改革がすべてと言っても過言ではない。とにかく意識や情報の共有化が大切。
部外者と感じる議員をなくすための努力(作戦?)も必要で、当事者意識をいかに持つかが議会改革を進めるカギだと思う。
一緒に参加した他市の議員に桑畠さんに話をしてもらうといいよと伝え、早速打診したところ、すぐ快諾してくださったとのこと。
これでまた一つ議会改革が進むことは間違いない。

議会改革を進めるうえでこのシンポジウムでさまざまな情報や人脈を得てきたなあと感慨に浸りつつも、改選後の佐倉市議会はだいじょうぶかとふと不安がよぎった。 議会基本条例を生かし、市民のための議会にするためには、これからが本番だ。 自分がその場にいられないのはちょっと淋しくもあるが、そんなことをいってもいられない。
議会改革なんてそっちのけの千葉県議会こそ何とかせねば…である。
でも、「多数決こそ民主主義」をはばからない最大会派の面々の意識改革は難しい。県議会にもおおぜいの傍聴者(誰々議員の支持者ではなく)が押しかけるぐらい でなければ、何とも変わらないだろう。
三重県議会の爪の垢でも煎じて飲みなさいと県民から声をあげていただきたいところだ。