令和5年6月議会 会派代表質問(質問原稿及び答弁要旨)

目次

2023年6月22日(木)
会派「立憲民主・千葉民主の会」代表質問
(質問原稿及び答弁要旨)

なお、質疑要旨は正式な議事録ではありません。

1 知事の政治姿勢/カーボンニュートラルについて

今年3月、千葉県は「カーボンニュートラル推進方針」を策定し、2050年カーボンニュートラルに向けた県の目指す姿、本県の様々な特色・ポテンシャルを活用した方向性を示しました。官民連携体制で再生可能エネルギーの主力電源化にむけての導入促進、京葉臨海コンビナート、成田空港・千葉港等における脱炭素化の促進、農林水産県としての強みを生かした先駆的取組などを進めていくとしています。

そこでまず重要なのは県自らの取組であり、県有施設における省エネルギー化、再生可能エネルギーの徹底推進・主力電力化の推進です。そこで、お伺いします。

(1)県有施設への太陽光発電の導入やZEB化についての取組状況と今後の予定はどうか。

次に、市町村との連携推進についてです。県の推進方針では、先進的・優良な市町村の取組を県全域に横展開し、全国に波及させると示しています。その一つとして挙げられているのが、国が主導する脱炭素先行地域の取組です。2030年度までに地域内の電力消費に伴うCO2排出実質ゼロを官民連携で実現するための先進事例に対し、上限50億円を複数年度にわたって交付する事業です。「実行の脱炭素ドミノ」の起点として位置づけられ、2025年度までに全国100か所を目標に選定するとしています。

昨年6月議会の代表質問でもこの交付金事業に県として積極的に取り組み、市町村をサポートしていくよう求めたところです。昨年行われた第2回の選定では、千葉市の計画提案が県内で初めて選ばれました。幕張メッセを中心とするグリーン・マイスエリア、千葉市動物公園のグリーン・Zooエリア、グリーン・レジリエント・コミュニティという3エリアで脱炭素化を行うものであり、TNクロス株式会社との共同実施で進められています。

これまで3回実施された脱炭素先行地域の選定では、32道府県83市町村の計62の提案が選定され、第4回の募集は今年8月頃の予定です。回数を重ねることに審査のハードルが上がり、民間事業者等との共同提案が必須化した第3回には、全国各地から応募がありました。農林水産業や観光・温泉地など、地域の主要産業や特徴的な資源の脱炭素化を図りつつ、その価値をさらに高めようとする先進性・モデル性に優れた取組みが評価されています。そこで、お伺いします。

(2)環境省の「脱炭素先行地域づくり」事業の採択を含め、県は市町村の取組をさらに支援すべきと考えるがどうか。

次に、ESG債の発行についてです。持続可能な社会の実現のために重視される3つの観点(環境・社会・ガバナンス)、ESGの取組を推進するための債券が注目されています。総務省でもESG債の1つとしては今年度から自治体が環境分野に使途を限定した地方債を「グリーンボンド」として共同発行することとしました。

総務省によれば、千葉県の令和5年度における全国型市場公募債地方債発行計画額は2610億円であり、個別の起債である「千葉県債」だけではなく、新たな共同債「グリーンボンド」への参加も予定されているとのことです。そこで、お伺いします。

(3)カーボンニュートラルを進めるため、本県でもESG債の発行に取り組むべきと思うがどうか。

2 知事の政治姿勢/子どもの権利擁護について

子どもの権利条約が日本で批准されてから29年経ちますが、今もなお貧困や虐待などを背景に、子どもたちの尊厳がないがしろにされている出来事や命が奪われる事例も後を絶ちません。子どもの権利は普遍的な人権の一環として位置づけられ、保護の対象にとどまらず、意思を尊重されるべき権利の主体と定められていますが、日本では子どもの権利条約に関する認知度も低く諸外国に後れを取っています。これまで子どもの権利を保障する法的な施策体系がなかったこともあり、一部の先進自治体では独自に子どもの権利を守るための条例制定やオンブズパーソンといった権利擁護機関の設置をしています。

今年4月1日こども基本法の施行により、ようやく日本では子どもが権利の主体として位置づけられ、その権利は養育、教育、保健、医療、福祉等すべての分野で包括的に保障されることになりました。また、昨年6月成立した改正児童福祉法を受け、都道府県等において子どもの権利擁護の環境整備を行うことが位置付けられました。具体的には、来年4月から一時保護の決定時等に子どもの意見聴取等の措置を講ずることや、子どもの意見表明等支援事業の制度化に向けた体制整備に努めることとされました。そこで、2点お伺いします。

(1)子どもの権利にかかわる条例や子どもの権利擁護機関設置にかかわる県の考え方と方向性はどうか。

(2)児童福祉法改正による「子どもの意見表明等を支援するための聴取等の仕組みづくり」に向けて、県はどのように取り組んでいくのか。

次に、子どもの権利擁護を行う最前線である児童相談所一時保護所についてです。一時保護所で働く児童指導員をはじめとする専門職の採用・確保、処遇・環境改善については、会派としても県当局と危機感を共有し、議論を重ねてきました。しかしながら、長年にわたり、これらの諸課題への対応を先送りにしてきた結果が今日の窮状を招いたものであり、問題解決は容易ではありません。今回は保護された子どもたちが生活する一時保護所の環境整備について、取り上げます。

先月11日、中央児童相談所・天台一時保護所を会派で訪れました。ここは未就学児と高校生女子が入所していますが、2年前の視察時に改善の必要性を指摘した所がほぼそのまま、改善されていない実情を目にし、愕然としました。具体的には、浴室の配管がむき出しで火傷の危険があること、幼児用のトイレがなく衛生面でも問題があること、エアコンからの水漏れへの対応が行われていないこと等々。築50年の建物は老朽化が激しく、安全面、衛生面からも早急な改善が必要な箇所ばかりです。一昨年の9月には会派として6児相すべての現地調査を行い、「児童相談所の改善等に係る緊急要望」を知事に提出して対応を求めてきたところですが、果たしてどの程度の改善がなされたのかが気がかりです。そこで、お伺いします。

(3)中央児童相談所一時保護所をはじめとする既存施設の環境改善にどのように取り組んでいるのか。

3 職員の採用確保について

次に県職員の確保についてお伺いします。

この問題に関しては、会派として遅くとも平成23年12月議会より繰り返し、本会議、常任委員会等で質問をさせていただいているところです。

技術職、資格免許職等を中心に当時から、受験倍率の著しい低下、採用予定数を採用できない状況が現在まで継続しており、各任命権者、各部局、そして人事委員会等が連携し、競争試験・採用選考の見直し、職員の処遇改善や勤務環境の改善等の実効的な対策を講じるよう要望しています。

一般行政以外の職種は、もはや待ちの姿勢では必要な職員数が確保できない状況が現実となりつつあります。

複雑、高度化する行政課題に対応し、質の高い行政サービスを提供し続けるためには、高い素養を有した多様な人材を確保することが不可欠であり、そのための職員採用は十分に機能するものである必要があります。

そうした中、人事委員会は、地方自治の本旨の実現に資するため、地方公務員法に基づき設置された、任命権者から独立した専門的な人事行政機関であり、その専門性を発揮して、有為な人材の確保を各任命権者、各部局の先頭にたって推進していくことが求められていると考えます。

いやしくも、定型化された競争試験、採用選考を行い、必要な職員数を確保できない場合は、各任命権者で臨時的任用職員等を採用すればいいといった姿勢では、人事の専門機関として期待されている役割を果たしているとは言えないと考えます。

既にご案内のとおりですが、令和4年度の競争試験において、上級試験14職種中9職種、中級試験1職種中1職種、初級試験5職種中3職種で欠員を生じ、資格免許職5職種中4職種で欠員が生じています。そこでお伺いします。

(1)人事委員会として現状の競争試験の結果、特に合格者数が採用予定数に満たない状況、合格発表後に多数の辞退者が発生し採用予定数を大幅に下回る採用者数しか確保できていない状況が近年継続していることについてどう考えるのか。また、今後、どのように実効的な改善策を講じるのか。

また、特に、令和4年度の競争試験では、心理職51人の採用予定数に対し25人の欠員、児童指導員73人の採用予定数に対し54人の欠員、3回実施された児童福祉司の採用選考では、単純合計で採用予定数55人に対し45人の欠員となっています。同様に保育士、保健師、獣医師も採用予定数を確保できず欠員を生じています。 そこでお伺いします。

(2)大幅な欠員が生じている児童相談所関係、保健所関係等の専門職の職員確保について、今後どのように対応するのか。

4 独自の自然・文化を生かした魅力ある千葉の創造について

次に、「独自の自然・文化を生かした魅力ある千葉の創造について」です。

今回は、千葉の魅力や特徴を生かした移住・定住の促進と文化芸術の振興に焦点を当てて質問いたします。

まず、移住・定住の促進についてですが、

厚生労働省が今年6月に発表した人口動態統計によると、昨年、日本人の人口の自然減は79万人を超え、過去最大の減少幅となりました。また、総務省が発表した人口推計によると、東京都を除き、本県も含めたすべての道府県で人口が減少しています。日本全体の人口減少は当面避けられない傾向ですが、移住の取組を限られたパイの奪い合いにせず、良い意味での地域間競争をすることで、誰もが住みやすく子どもを産み育てやすい環境をつくり、人口減少に歯止めをかける必要があると思います。

本県においては、特に県の南部や東部で、農林水産業や医療・介護などの分野での担い手不足が深刻な課題となっており、また、様々なインフラの維持管理や各種公的サービスなど自治体の機能を維持することも難しくなる懸念があります。

一方、東葛や葛南地区などの都市部では、人口の社会増が自然減を上回っており、これまで移住施策に取り組んでいる市は多くないと聞いておりますが、このまま何も手を打たなければ、10年、20年先には、人口減少や他都市への人口流出などにより地域の活力を失う可能性があると思います。

本県の地域社会や経済の活力を維持するために、南房総や九十九里の豊かな自然、都市部の古い歴史と新しい施設が融合した文化などの魅力を積極的にPRし、千葉県全域に人を呼び込むことが必要ではないでしょうか。

こうした中、本県では、令和4年度から、移住に係る相談体制を強化するため、ちば移住支援センターを開設して移住の促進に努めているとのことです。

そこでお伺いします。

ちば移住支援センターにおける、本県への移住相談の状況はどうか。また、相談者の声を踏まえて、どのように取り組んでいくのか。

次に、文化芸術の振興についてですが、

新型コロナウイルス感染症の5類移行等により、制限されていた文化芸術活動が再開されつつあります。

しかし、文化芸術を継承・発展していくためには、後継者問題や人材の確保、団体の連携強化が課題となっています。

地域においても、地域の伝統文化の継承支援に取り組んでいることと思いますが、県としても支援を行うべきと思います。

そこでお伺いします。

千葉の文化芸術を継承発展していくため、地域の伝統文化を絶やさず、後世に残していくことが求められると思うが、県としてどう取り組んでいくのか。

5 地域防災力の強化について

今月3日、台風2号の接近に伴う暴風、大雨により県内の多くの市町村で、警戒レベル4の避難指示が発せられました。また先月26日にも千葉県東方沖を震源とする、最大震度5弱の地震が発生するなど、最近は地震も頻発しています。

県が毎年行う県民意識調査においても、「災害に強い千葉県づくり」が常に県民要望の第1位であり、今年は「関東大震災から100年」であることからも、県民の防災への関心は非常に高まっています。

我が会派では毎年、県への「予算・制度要求」を知事に手交し、その中で県内市町村の個別避難計画の策定に、県がより積極的に支援するよう要望してきました。しかし、県内54市町村のうち、避難行動要支援者名簿に基づく個別避難計画を策定したのは28市町村(令和4年6月国公表)といった状況です。

特に、高齢者、障がい者等の個別避難計画については、作成の努力義務を負う市町村に対し、早急な計画の整備が求められています。東日本大震災における死者数のうち、60代以上の割合が全体の約65%、障がい者の死者・行方不明者の割合は健常者の約2倍だったこと、また、平成30年7月豪雨、令和元年台風19号でも同様に、死者数の約7割近くが高齢者でした。そこで、お伺いします。

(1)避難行動要支援者名簿に基づく個別避難計画について、県内全市町村において早急に作成を進めるべきと思うがどうか。

高齢者、障がい者の個別避難計画の作成にあたっては、防災と福祉の連携は欠かせません。兵庫県では、防災と福祉の連携をさらに強化するために、平成30年度から福祉専門職が平常時の介護保険、障害福祉サービス等利用計画等を作成する際に、自主防災組織や自治会等とともに、避難のための個別支援計画(災害時のケアプラン)を作成するという「防災と福祉の連携モデル事業」を実施しています。また、福祉専門職が個別支援計画を作成するにあたっては、防災力向上研修も実施しています。さらに同県では、福祉専門職が自主防災組織等と連携して計画を作成、更新した際には、福祉事業所に対して報酬

7,000円が県市町から出されています。そこで、お伺いします。

(2)福祉専門職の参画を得た個別避難計画の作成の推進に向け、どのように取り組んでいくのか。

6 がん対策について

今年3月、国の第4期がん対策推進基本計画が閣議決定されたことを受け、本県においても、来年3月に向けて第4期千葉県がん対策推進計画の策定作業が進められているところです。

これまでわが会派としてもがん対策の推進に力を入れてきたところであり、昨年9月議会の代表質問では長引くコロナ禍におけるがん検診受診率の低下の実態を明らかにし、受診率向上に向けて市町村との連携促進、協会けんぽと市町村特定健診の同時受診、働く世代のがん患者に対する就労・経済面での相談支援の充実、若年がん患者への在宅療養支援などについて取り上げました。

今年度から若年がん患者在宅療養支援事業が創設され、市町村との連携で始める準備が進められており、協会けんぽと特定健診の同時実施についても動き始めていると聞いております。また、県ががん検診受診率全体を底上げするためには、市町村の実施するがん検診のみならず職域におけるがん検診実施状況の把握が必要とのことから、県内の健康保険組合や事業所のうち3000件を対象とした初の実態調査を行うとのご答弁がありました。そこでお伺いします。

(1)昨年度実施した職域におけるがん検診実施状況調査の結果はどうか。また、今後の取組にどのようにつなげていくのか。

県内16あるがん診療連携拠点病院等の相談支援センターに寄せられる相談件数は年間2万2千件に及び、相談内容も治療にかかわることから仕事や就労、経済的な問題と多岐にわたり、相談支援体制のさらなる強化と専門性の向上が必要と感じています。そこで、お伺いします。

(2)県はがん患者や家族を支える相談支援の充実に向けて、どのように取り組んでいくのか。

7 県立病院について

県立6病院においても、3年半におよぶコロナ感染症と向き合い、県内の医療提供体制の確保に大いに貢献してきました。コロナ患者の受入れ、一部病棟の縮小、がんセンター仁戸名臨時医療施設の運営と各病院からの看護師派遣、宿泊療養施設やクラスター感染発生施設等への医療従事者の派遣、地域住民等へのワクチン接種等々、通常医療と並行しての対応に追われてきた現場の皆様のご尽力に改めて深く感謝を申しあげます。

今年5月8日からのコロナ5類移行に伴い、知事部局がコロナ対策本部を解散、総括し、「振返り」の記録が示されました。病院局としてもこの間の取組の振返り、成果・検証を行い、次なる新興感染症への備えや来年度から始まる第8期千葉県保健医療計画の策定に反映していくことが必要と考えます。そこで、お伺いします。

(1)県立病院におけるコロナ感染症対応の振返りはどうか。また、今後の新興感染症への備えと役割認識はどうか。

次に、県立病院における医師確保策についてです。かねてから私は県立病院群研修医制度による医師確保・定着について、その推移や動向を注視してきました。この間、臨床研修医やレジデントと呼ばれる専攻医を増やすためのプログラムの見直し、君津中央病院や国際医療福祉大学など新たな医療機関との連携も進められています。しかし、残念ながら、臨床研修医からレジデント医への移行、さらにはレジデント医から常勤医師への定着については、極めて低い割合が続いています。

県立病院は慢性的な医師不足の状態ですが、来年度からの時間外労働規制、2024年医師の働き方改革への対応でさらに厳しくなります。また、中長期的な県立病院の機能維持に向けても、若手医師の確保・定着は喫緊の課題です。そこで、お伺いします。

(2)県立病院の医師確保と定着における現状と課題は何か。また、どのような方策を講じていくのか。

次は、県立こども病院についてです。先月15日、会派で子ども病院を視察しました。同病院は、昭和63年の開院以来、「新生児・先天奇形」「先天性心疾患」や「形成外科疾患」の多くの患者を受け入れ、年間約2千件の手術をこなし、山武長生夷隅医療圏の二次救急の補完に加えて市原市・千葉市もカバーする他、医療的ケア児の在宅支援や児童虐待防止医療ネットワークの拠点病院として、また小児災害対策もリードしています。

こうした大きな役割を求められながらも、現場では常勤医の不足、産科医師の不在、集中治療医師の不足といった深刻な課題を抱えています。同時に、築34年が経過し、老朽化に伴う雨漏りや水漏れ、空調やトイレの排水等の故障、ICUなど狭隘化した施設環境を直に見るにつけ、せめてハード面での環境整備については、早急に改善していかなければという思いで病院を後にしました。そこで、お伺いします。

(3)子ども病院の老朽化・狭隘化等への対応をどのように進めていくのか。

8 介護事業所におけるハラスメント対策について

令和3年にUAゼンセン日本介護クラフトユニオンが、全国の介護事業所の組合員を対象にアンケート調査を実施しました。それによれば、働く上での不安から離職を考えたことがある人の理由の第1位は「上司や利用者・家族のハラスメント」93.2%、でした。また、平成30年に行った「ご利用者・ご家族からのハラスメントに関するアンケート」調査によれば、職場で何らかのハラスメントを受けたと回答した人は全体の7割を超えています。

そして今、介護人材の確保は困難を極めています。そのことからも、離職に直結しやすいハラスメント対策は、早急に対策を講じなければなりません。

埼玉県では昨年、「在宅医療・介護の現場における暴力・ハラスメント対策の実態に関するアンケート」を実施しています。そこで、お伺いします。

(1)県内の介護事業所におけるハラスメントに係る実態を調査すべきと思うがどうか。

また、国は令和3年度より、介護現場においてハラスメント対策の実施を義務化し、介護事業所におけるハラスメント対策に係るマニュアル作成、研修の実施、相談対応等、必要な体制の整備を求めています。そこで、お伺いします。

(2)県内の介護事業所のハラスメント対策の実施状況はどうか。

千葉市では、ハラスメントの事例や、利用者・家族へのお願い、介護事業者が取り組むべき対策等を示したリーフレットを、介護事業者・家族・利用者に配布し、ハラスメント防止の啓発をしています。そこで、お伺いします。

(3)介護サービス利用者・家族へのハラスメントに係る啓発の必要性について、どのように考えているのか。

埼玉県は「介護職員ハラスメント対策推進事業」を立ち上げ、介護職員の安全を確保するため、介護報酬の対象外である複数人での訪問に係る経費や、ハラスメント専用相談窓口を設置しています。さらに、昨年度は通話録音装置等の導入経費も補助の対象となっていました。そこで、お伺いします。

(4)本県でも通話録音装置の導入や、介護職員のための相談窓口の設置を求めるがどうか。

9 金属スクラップヤード条例について

令和3年度末、千葉県が把握しているヤードは全部で332箇所、金属のみは83箇所で、千葉県にはかなりの数の事業所があります。金属スクラップヤードなどは未だに増加傾向にあり、これから新規で立ち上げる事業者を的確に把握し、管理できる体制の整備が喫緊の課題です。

県は、金属スクラップヤードなどを規制する条例の制定に向けて、ヤード等の実態調査、全市町村のヒアリングを行い、有識者会議での議論を経て、条例の骨子案が示されました。今年3月にはパブリックコメントも実施され、条例策定に向けての取組が進められているものと認識しています。

千葉市や袖ヶ浦市では、すでに処分や罰則規定も盛り込まれたいわゆる金属スクラップヤードなどを規制する条例が制定されており、本県においても処分や罰則は必要と考えます。そこで、お伺いします。

(1)条例骨子案では命令などの処分や罰則を設けるとしているが、これらについての考え方はどうか。

先に述べたとおり、千葉市では令和3年11月から「千葉市再生資源物の屋外保管に関する条例」いわゆる金属スクラップヤードなどを規制する条例及び施行規則が施行され、各事業所への検査、指導が行われていると伺っています。今年3月千葉市は条例制定後初の改善命令を事業者へ出し、整備されていない事業所への指導が着実に行われていると感じます。

その一方、市条例制定に伴い、千葉市での新規事業所の立ち上げが困難になった

事業者の市外流出なども懸念され、条例が制定されていない近隣市での事業所

の立ち上げも推測されます。

今回の千葉市と近隣市のケースと同様に、千葉県の条例制定に伴い、他県への

影響もあると考えられることから、他県との連携も図りつつ条例の制定へと進めていく必要があると考えます。そこで、お伺いします。

(2)現在の金属スクラップヤードなどへの指導や他都県市との連携をどのように行い、条例施行後はどのように行っていくのか。

10 物流の2024年問題対策について

いわゆる「働き方改革」の一環として、令和元年度から段階的に施行されている時間外労働の上限規制については、これまで猶予されてきたトラックなどの自動車運転業務、建設業、医師の三職種についても、2024年4月から適用されることとなります。

この新たな規制によって、いわゆる「物流の2024年問題」と言われている、ドライバー不足により物流が停滞する事態が生じると予想されています。通販や宅配便で利用している、荷物の即日・翌日配達など、私たちが当たり前と考えているサービスは、現在の水準を維持することが難しくなることが想定されるのです。

ところで我が国の国内貨物輸送において、自動車によるものはトンベースで9割以上を占め、県内の貨物自動車輸送量は令和3年度には1億9,089万トン、令和4年3月31日現在の県内の貨物自動車運送事業者数は2,506社と、まさに物流の要として非常に重要な役割を担っています。

さて、この「物流の2024年問題」の根底には物流業界におけるトラックドライバー(以下「ドライバー」と言います。)の過酷な労働環境があります。

現在は自動車運転業務についての時間外労働の規制は無く、業務の特性を踏まえて国が定めた拘束時間や休息期間等の基準において、年間の拘束時間が3516時間以内とされています。この年間3516時間と言う数値は、単純計算すれば365日間休み無しで1日9時間37分間拘束されることとなります。

令和4年における県内の運輸交通貨物業の労働災害は、1,265人と、5年前の約1.28倍と増えており、また、業種別の死亡者数は、建設業に次いで多い4人となっています。

厚生労働省の調査では、ドライバーの労働時間は全産業平均の約20%増し、脳や心臓などに起因する過労で労災が認定された件数は「道路貨物運送業」が30%超を占めるなど、統計が労働環境の過酷さを裏付けています。

このような労働環境を改善しなければ、エッセンシャルワーカーであるドライバーのなり手がいなくなり、物流の維持が困難となってしまうことが想定されているのです。

日本の物流は、運送効率の低下と労働環境の悪化につながる多くの諸課題があり、国土交通省等では有識者や関係団体、関係省庁で構成される検討会を作り、議論を重ねており、先日の報道では荷主企業や物流業者に対する規制の強化が検討されていると聞いています。なにより物流に携わる人たちを社会の担い手として尊重し、持続可能な物流システムを官民挙げて構築する、そのために政治がリーダーシップを発揮すべき、まさに待ったなしの段階に来ています。そこで2点、お伺いします。

(1)トラックドライバーに対しては2024年4月以降、あらたな労働時間規制がはじまるが、この規制による影響をどう予測しているか。

(2)国は荷主に対する荷待ち時間削減の義務付けなど、新たな施策の案を公表しているが、物流業や荷主企業に対して県としての支援策はどう考えているのか。

11 農業の振興について

農林業センサスによれば、全国的に、基幹的農業従事者数が減り続け、それに占める65歳以上構成比が7割弱となっています。農業を持続可能な産業にしていくためにも、新規の農業従事者を増やし、本県農業をさらにいっそう魅力あるものにしていくことが必要です。本県の温暖な気候や、立地的優位性を広く理解いただいて、よし!千葉で農業を営みたい!と実際に行動に起こしていただける就農希望者に対し、国・県が有する切れ目ない独立就農支援制度へ 県、市町村、農業振興団体が力を合わせて取り組み、地域が求める農業者を養成していくことで、数字がついてくるのではないかと思います。

また、多様な担い手の確保についてですが、現在、農業従事者の4割を占める女性農業者の活躍推進と新規参入により、これまでの家業としての農業を規模拡大すなわち、事業化へと転換させる大きな鍵になるものと考えます。

日本政策金融公庫によれば、女性の農業経営の関与が収益性の向上につながるという調査結果もあります。男女問わず関与するひとりひとりが、経営感覚を持って技術・スキルに磨きをかけながら、農業に参画していくことが、さらなる地域の活性化につながり、千葉の農業の稼ぎ出す力の創出、さらには産地の振興へと結びつくものと考えます。そこで、以下2点お伺いします。

(1)本県農業を魅力あるものにしていくことで新規就農者を増やし、定着させる必要があると思うが、県として、どのように取り組んでいくのか。

(2)農業における女性の活躍を推進するため、県はどのように取り組んでいるのか。

12 道路問題について

東京湾アクアライン通行料金の時間帯別料金制について、質問します。

アクアラインの通行料金の普通車800円化が実現して、早や13年10か月となります。

アクアラインの通行料金引き下げは、アクアラインと一体となって、首都圏の広域的な幹線道路ネットワークを形成する 湾岸道路、京葉道路や圏央道、館山道などの整備が進むとともに、湾岸地域の慢性的な交通混雑の解消に寄与しています。

普通車800円の値下げについては、平成26年度からは高速道路会社と毎年協議をし、更新する形で値下げをしていましたが、31年度からは3年ごとになりました。直近の更新については、昨年2月18日、熊谷知事が斉藤国土交通省大臣を訪問したことにより、800円化の継続が達成されました。

平成21年の値下げ以降、交通量は毎年増加し、一日あたり、平成10年度は1万台程度だったのが、昨年度には、5万1800台まで増加、地域の沿線都市間の連絡強化がはかられ、房総は、経済の低迷、人口減少の中でも、全国から選ばれる地域になりつつあります。

一方、通行台数の増加で渋滞が多く発生していることから、今月13日国土交通省が、アクアライン通行料金の変動料金制(ロードプライシング)を検討しているとの報道があり、昨日、県は7月22日から土日祝日の上り線一部時間帯において料金変動制を試行導入すると発表しました。現在の渋滞の発生状況を考えれば、やむを得ないとも考えます。そこで、お伺いします。

東京湾アクアラインにおける通行料金については、普通車800円を基準とした料金制を維持するべきと思うがどうか、お聞かせください。

13 印旛沼流域の治水対策について

出水時期を迎え、令和元年房総半島台風・豪雨災害が思い起こされます。その後、全国各地でも毎年のように局地的豪雨が相次ぎ、激甚化する水害リスクの軽減に向けて、国を挙げて流域治水への転換が進められているところです。流域治水とは、河川改修や下水道の整備等を中心とする従来の治水対策に限界が生じる中、地域特性に応じて様々なハード・ソフト両面での対策で流域全体の水害を軽減する取組です。

県内では印旛沼流域をはじめとする11水系において、国や自治体等の関係者からなる流域治水協議会が設置され、流域全体で実施する治水対策を示した流域治水プロジェクトが策定されています。

この流域治水の取組について、私は平成25年9月議会で取り上げてから継続してその推進を求めてきました。昨年6月議会ではその手法の一つである「田んぼダム」についても質問したところですが、今回は地元の印旛沼流域に絞り、以下2点について、お伺いいたします。

(1)印旛沼、鹿島川、高崎川の整備状況はどうか。

(2)印旛沼の予備排水の運用状況はどうか。またその効果をどのように考えているのか。

14 県立学校におけるICT教育について

新型コロナが5類に移行し、コロナ禍においての学校教育や授業について振り返ることも大切だと考えます。

たとえば、一斉休校では、学校に登校できない中で、教育機会をいかに保障していくかのかが、問われました。この問いは、不登校児童生徒や障がいのある児童生徒への対応にも通じる課題でもあります。

このコロナ禍において、ICT教育、特にオンライン授業が注目されましたが、今後の学校教育を考える上で、今、当時の対応を振り返ることも必要と考えます。そこで、お伺いします。

(1)コロナ禍におけるオンライン授業について、どのように取り組んできたのか。

次に、ICT教育の充実について、おたずねします。

特に県立高校では今年度の新入生に対し、自己負担によるタブレット購入を要請する件については、これまでも会派で取り上げてきたところですが、新年度がスタートし、生徒や保護者、学校現場の教員から、金銭的負担が重すぎる、機種が限定されている等々、たくさんの声が寄せられました。

ICT機器やシステムの導入には高額な費用がかかるため、予算の確保や維持管理が課題です。特に、児童生徒のICT機器の所有状況にばらつきが出てしまうことは、教育の格差が生じる懸念があります。

また、タブレットがあっても、それを活用できる体制が必要です。教員のICTスキルの向上や支援員の確保、トラブルへの対応策、予算の確保や維持管理の見直しなどの課題は、先行する小中学校においても指摘されています。そこで、お伺いします。

(2)ICTを活用した教育に係る課題について、どのように認識しているのか。また、ICT教育の充実に向けて、どのように取り組んでいくのか。

15 教職員の未配置について

教員不足の問題については、これまでも会派として継続的に取り組み、課題解決に向けての提言も行ってきました。しかし、教員不足は厳しさを増す一方であり、千葉県の小・中・義務教育学校では、本年の5月1日時点で167名の教員が未配置でした。

学校現場では病休や育休・産休をとっている教員の代役などの非正規教員が見つからず、学校では教頭が代わりに授業をしたり、少人数学級をあきらめたりしており、教育の質にも影響がでかねません。正規教員が足りず、教職員は過重な負担を担っている現状です。

千葉県では、教員採用試験で受験者数を増やす工夫が見られますが、採用試験合格者の辞退も多くなっています。千葉県で働く教職員の魅力の発信がさらに必要と考えます。また、志願者を増やすとともに、現職でやめていく人を防ぐため、教職員の働き方改革は待ったなしで進めていかなければなりません。また、教員の給与や住宅手当、長期研修といった待遇の改善も必要と考えます。そこで、2点お伺いします。

(1)教員の未配置解消のため、教員の魅力の発信と働き方改革を進めるべきと思うがどうか。

(2)教員の待遇改善が必要であると考えるがどうか。

2回目・再質問及び要望

1 カーボンニュートラル【再質問】

国の「地域脱炭素化ロードマップ」では、公共施設への太陽光発電の導入について、PPA等を活用しながら積極的に導入し、2040年までに設置可能なすべての施設に設置するとされています。PPAとは民間事業者が国庫補助を活用して太陽光発電設備を設置し、自治体は電気料金のみを負担していくというしくみです。そこで、お伺いします。

(再質問)県内市町村におけるPPAモデルの導入状況はどうか。

先日、千葉市役所を訪ね、第2回で選定された脱炭素先行地域の事業について、お話を伺ってきました。この事業計画は、市の民間提案総合窓口「コネクテッドセンターちば」に寄せられた事業提案をベースに進めたものであり、このモデルを市内で展開していくために、官民連携のコンソーシアムも設立されています。脱炭素を社会全体で前進させるためには、民間との連携が大きなエンジンになることは間違いありません。そこで、お伺いします。

(再質問)脱炭素に向けた民間事業者との連携状況はどうか。

2 子どもの権利擁護について【要望・再質問】

子どもの権利条例を制定している自治体は、昨年10月時点で全国1788自治体のうち62、わずか4%という状況です。今年3月、千葉市は公募を含めた20名の委員による「こども基本条例検討委員会」を立ち上げ、令和6年度中の条例制定を目指しています。ぜひ千葉県としても条例制定も視野に前向きに取り組んでいいただくよう要望いたします。

一時保護所の環境改善について、再質問いたします。

県は令和2年度に一時保護所の定員を115人から171人と56人増やしましたが、それ以降も定員超過の状態が続いていると聞いています。そこで、お伺いします。

(再質問)児童相談所の一時保護所について直近の平均入所率と最も高い児相の直近の入所率はどうか。また、一人当たりの平均保護日数と最長保護日数はどうか。

3 職員確保の件です。【要望】

人事委員会のご答弁では、新たに希望者が知りたい内容を職員から直接聞くことができる仕組を速やかに整備すること、受検しやすい試験方式への見直しに取り組むとの大変前向きな答弁でした。是非、人事委員会においては任命権者と連携し、スピード感を持って取り組むこと、その結果、必要な人員を確保すること、受験倍率の向上を図ることを強く要望します。

4 移住について【要望】

移住に関する相談は増加傾向とのことで、また、新たに情報発信のためのポータルサイトも設置予定とのことで、大変、期待しております。

一方で、冒頭でも述べたとおり、移住に関する取組については、先行している県の南部・東部だけではなく他の地域でも、今後は県と市が連携して、積極的に取り組んでほしいと思います。

千葉県誕生150周年にあたり、これから県内各地で行われる様々な記念事業を契機に、千葉県の魅力発信を積極的に行い、全県を挙げて、さらなる移住の促進に努めていただきたいと思います。

5 地域防災力強化について【要望】

県は、避難行動要支援者名簿に基づく個別避難計画の策定が遅れている26市町村に対して、遅れの理由を聞き取り、それぞれに応じた支援をするよう要望致します。

また高齢者、障がい者の個別避難計画の策定にあたっては、福祉専門職等と連携することによって、避難経路に段差や勾配があるか等、より要支援者の個性に応じた計画策定ができること、あるいは、福祉専門職等が加わることによって、計画策定に係る人材不足の解消や進捗が見込まれます。そのようなことから、防災と福祉の連携についての協議を要望致します。

6 がん対策について【要望】

国の第4期がん対策推進基本計画において、がん検診受診率の目標が50%から60%に引き上げられました。国の法制度化は進める必要がありますが、県民の約65%が職域の健康保険に加入していることからも、県としてもより一層県内企業等と連携した取組を進めていただくよう要望いたします。

また、がん患者や家族を支える相談支援ですが、さまざまなニーズに応えられる専門職の配置や多職種連携による体制強化について、県が後押しするよう求めます。

7 県立病院について【要望 再質問】

県立病院については、平成26年度以降、赤字が続き、令和2年度には、運転資金不足への充当として37億円の借入も行うなど、厳しい状況です。改革プランでは令和11年度単年度収支黒字化が至上命題となっているため、各病院においては、コロナ感染症という不可抗力に対峙しつつも、生産性向上に向けた努力が進められていると承知しています。特に、佐原病院や循環器病センターでは医師不足が顕著で経営赤字が続いていますが、地域の中核病院として多くのコロナ患者を受け入れてきました。県立病院が果たしている公的役割について、改めて病院局として県民の方々から理解を得る取組を積極的に進めていただくよう要望いたします。

また、県立病院における若手医師の確保は、将来的な病院の維持存続に向けての最重要課題です。早急に他の公立病院おける研修医制度も研究し、あり方検討を進めていただきたいと思います。 

次に、再質問です。そもそも病院局には知事部局のような施設の長寿命化計画もなく、今後の施設整備にかかわる計画がありません。同じく循環器病センターについても老朽化・狭隘化の問題を抱えています。そこで、お伺いします。

(再質問)中長期的な施設整備が必要と思うがどうか。

8 介護現場におけるハラスメント対策についての要望です。

令和7年度本県で必要とされる介護職員数に対し、確保できる職員の見込み割合は74.1%で、約2万8千人の職員不足が見込まれています。まさに、介護人材の確保は、喫緊の課題となっています。

また介護人材の確保と同時に、現場の離職率も下げなければなりません。しかしながら、本県の令和2年度の介護職員の離職率は19.9%でした。これは、県内の他の産業の平均離職率16.8%よりも高い率です。

介護職員の処遇改善、また離職を防ぐという観点からも、ハラスメント対策に力を注いでいただきますよう要望いたします。

9 スクラップヤード条例について【要望】

現在、検討されている条例案については、許可制を前提に悪質な事業者に対する許可取消や罰則を科し、実効性を確保する方向性が確認できました。都道府県レベルでは初めての条例になりますが、市町村や近隣の自治体とも連携を図り、現場における体制強化に取り組むよう要望いたします。

10「物流の2024年問題について」【再質問】

国が定める新たな労働規制により、トラックドライバーの労働環境は改善されますが、一方では時間外労働時間の減少により、ドライバーの収入も減ることが想定されています。現時点においてもドライバーの収入は全産業平均の5〜10%低いという統計もあり、今後、収入が減ることにより、離職してしまうドライバーが増加し、更に輸送能力が低下する悪循環となる可能性があります。そこでお伺いします。

トラックドライバーの収入向上のためには、物流業の生産性向上が不可欠となるが、県として具体的な経営支援策などを考えているのか。

11 農業の振興について【要望】

本県農業の魅力向上に努め、新規就農者の一層の増加と定着を図っていくと答弁いただきました。

新規就農者に、本県農業の魅力をしっかり発信し、確保定着をお願いします。

丁寧な伴走支援で地域の活性化の核となる農業者が誕生していくことを期待しています。

女性活躍について要望します。具体的には、家族経営協定策定に際しての普及指導員など第三者の立ち合い支援、女性農業者が農地を所有しやすいような環境整備、さらには、農作業時における更衣室やトイレの設置、農機のレンタルや操作方法のトレーニングといった身体への負担軽減策等々、を進め、多様な担い手確保の実現を図っていただくよう要望いたします。

12 印旛沼流域の治水対策【要望】 

印旛沼流域の治水対策については、沼や河川からの越流や内水氾濫が生じないようあらゆる方策を着実に進めていただくよう要望いたします。

13 東京湾アクアラインについて【要望】

東京湾アクアラインについては、県が提出した令和6年度国の施策に対する重点提案・要望の中で、渋滞緩和の観点からの6車線化などを、中長期的な視点から検討するよう求めています。しかし、すぐに実現することは難しいことから、現時点では時間帯別の料金制を試すしか方法はないのでしょうが、今、行われているアクアラインの引き下げは、これから繋がる圏央道の活用、千葉県の発展にはどうしても必要と考えます。是非、導入にあたっては普通車800円を基準とした料金形態を維持すること、また全体の通行料金の引き上げにならないように更なる努力をお願い致します。

14 教育について【要望】

ICT教育については、生徒の負担軽減を図り、教育の格差が生じないよう進めていただきたいと思います。

教員の採用試験ですが、特に小学校の志願倍率については、5年前の3.0から直近の令和6年で1.9まで大幅に下がっています。この現状について、危機感を持って受け止め、根本的な具体策を講じなければなりません。教職員の働き方改革を進め、働く環境や待遇改善を着実に進め、選ばれる千葉県の教育現場につなげていただくよう強く要望いたします。

15 カーボンニュートラルについて

市町村におけるPPA導入状況についてご答弁いただきましたが、脱炭素の取組もようやく始まったばかりです。ぜひ県が市町村をけん引し、県全体での脱炭素化を進めていただきたいと思います。その際、民間との連携や相談支援にもさらに力を入れていただくようお願いいたします。

16 児童相談所一時保護所について

一時保護所の入所状況は依然として厳しいことが分かりました。昨年度実施された第三者評価の結果報告でも、定員超過、長期入所の慢性化、子どものプライバシー保護のための環境整備等々の課題が指摘されています。

子どもたちの生活環境を整備することは、人権問題でもあり、劣悪な環境のまま放置することはあってはなりません。県は補修・改修に伴う必要な予算は確保しているということです。なぜ改善が遅れているのか、どこで目詰まりを起こしているのかを明らかにし、実務に当たる職員間の連携をしっかり行い、早急に改善するよう強く要望します。

17 県立病院について

子ども病院については、適宜修繕等を行っているとのことですが、すでに限界に達しており、建替えが必要だと思います。医療ニーズや採算性について十分に精査するとのことですが、将来的に病院機能を維持し、また医療従事者の将来的な確保を図るためにも、計画的な施設整備の方向性について議論する段階にきています。知事部局とともに、循環器病センターと併せて今後の地域医療における役割分担、病床機能のあり方をしっかりと議論し、その位置づけを

見極めるなかで、施設整備を計画的に行う必要があります。その際、財政負担を試算し、次期改革プランの俎上に載せていくべきと考えます。

患者のみならず、医療従事者からも選ばれるためには、ソフト・ハード両面での環境整備が必要です。県立6病院の機能が維持・発展できるよう不断の努力を重ねていただくようお願いいたします。

18 運輸業の2024年問題対策について

私たちの生活に欠かせない、地域経済を支える社会インフラである物流業界の働き方改革についてです。労働行政の中心は国ということではなく、県として何ができるのか、まずは物流業界の実態把握に努め、取り組んでいただくことを改めて要望いたします。

答弁要旨