子どもの貧困率15.7%の国

3月30日(土)

この日の朝刊で、前日29日にあしなが育英会の奨学生たちが「子どもの
貧困対策法」の成立を求め、国会デモが行われたと報じられていた。

昨年7月厚労省の発表によると、日本の子どもの貧困率は15.7%で
1985年以降、最悪になったとのこと。
「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワークによると、
これは6~7人に1人、全国ではおよそ323万人の子どもたちが
貧困な暮らしをしていることになるそうだ。
特にひとり親家庭の貧困率が50.8%にもなっている。

世界を見渡すと、愕然とするデータが…。
ユニセフの直近の調査では、日本の子どもの貧困率は14.9%で
先進35カ国のなかで27番目のワースト9位とのこと。
また、各国の子育て政策や福祉を比較したところ、日本は子どものための
施策に対する公的支出が対国内総生産(GDP)比1.3%で、
35カ国中で下から7番目に低かったという。

折しも30日(土)に麹町の弘済会館で開かれたシンポジウム
「生活保護基準引き下げは、すべての子どもの命と育ちと学びに
どう影響するの?」に参加。

子どもの貧困シンポジウム

今年8月から始まる生活保護基準引き下げでますます子どもの貧困が
広がり、深刻な事態になることが分かった。
引き下げにより、住民税や介護保険料ほか30もの他制度に波及するが、
就学援助や保育料をはじめ子どもに関する制度は10もある。

特に就学援助(経済的に困難な家庭の小中学生対象に学用品、給食費等を
支給する)が受けられる対象が減らされてしまう可能性が高い。
全国では157万人の対象者がいるが、対象者の収入(あるいは所得)は
自治体ごとに異なり、ほとんどが生活保護基準の1.0~1.3倍と
なっている。

私も県内の実態を把握するため、昨年11月に就学援助制度にかかわる
県内54市町村のデータを資料請求したが、その後、立て続けに開かれた
議会で忙しく、入手した分厚い資料の山は机の脇に積んだままだった。

ようやく先月末から、その資料を基に市民ネットの「子どもの貧困を
なくすプロジェクト」メンバーで調査しているところ。
同じ就学援助制度と言えども、各自治体の内容はまちまちで、そもそも
事務手続きを明文化した要綱が存在していないところや対象者をせばめ
たり上限を設定している消極姿勢のところもあれば、反対に少しでも
保護者の経済的負担を減らすために支援項目を広げるなど積極的な
自治体もあり、取り組み姿勢に違いが見られた。

詳細は、今月19日(金)の学習会で報告する予定なので、
ぜひご参加ください。
就学援助の全国調査を行った山野良一さん(千葉明徳短大)を講師に
お迎えし、「児童虐待と貧困」のテーマで語っていただきます。

4月19日(金)午後3時~(市民ネットワーク千葉県4階会議室)
資料代は500円です。

千葉中央駅から県庁に向かう道端で大好きなスミレを発見!
スミレ
都会で可憐に咲く野の花に励まされた気がします