誰のため、何のための裁判所?

3月29日(金)

八ッ場ダム住民訴訟の控訴審初判決が東京高裁で言い渡された。
9年前、関係1都5県の有志らと各地裁に一斉に提訴し、
この間、報酬一切ナシ手弁当で引き受けてくださっている弁護団と
月例会などで意見交換を重ね、ともに闘ってきた。

原審での不当判決を受け、一番初めに控訴した東京裁判。
今回の結果も、予想どおり「不当判決」…。
想定内ではあったものの、司法の存在意義のなさ、
原告が示した科学的な根拠、膨大な時間と労力を費やして提出してきた
資料を一顧だにせず、行政の裁量をそのまま認めている司法の尊大さに
心底腹が立った。

当日は午後1時30分の開廷後、大竹裁判長は判決の主文だけを読み上げ、
「続きは長くなるから、後から読んでください」と言い放ち、
その場を立ち去ったという。
住民らの訴えに真に耳を傾ける姿勢はみじんもなく、
国民軽視といわざるをえない。

私たち千葉組は裁判所の外で判決の結果を待ち受けていたが、
閉廷直後に走り出てきた島弁護士の張り出しを確認し、
しばし言葉を失った。

島弁護士
厳しい表情の島弁護士

裁判終了後、弁護士会館で開かれた報告集会
村越共同代表

千葉の会共同代表の村越さんが今後とも闘う意思を表明し、
ともにがんばろうとエールを送る。
午後3時からは記者会見が開かれたが、私は一足早く退席し、
参議院議員会館で開かれたシンポジウム「安倍政権の基本政策を問う」
に参加。

ここでも気がめいるテーマで討論が行われていた。
「いまの社会経済状況は太平洋戦争に突入していった時代と酷似している。
命か金かの瀬戸際だ」という発言が頭から離れないまま
足取り重く帰路についた。