傷ついた心をどう回復するか?

11月30日(土)

今月は児童虐待防止月間であり、また今週は犯罪被害者週間でもあった。
26日(火)には、千葉市民会館で開かれた犯罪被害者週間「千葉県民の
つどい」が開かれ、JR福知山線事故被害者の山下亮輔さんの講演を
お聞きした。
犯罪被害者講演会1

大学1年生で事故に遇われた後、想像を絶する苦難を克服して現在は
尼崎市役所の職員として福祉の現場で働いている。
講演後に披露した自作の曲には素直な想いがあふれていた。

第2部は、パネルディスカッション「あなたが公共交通機関における事件
・事故に巻き込まれたら」。
犯罪被害者2

パネリストは、山下さんに加え、被害者支援センターすてっぷぐんま犯罪
被害相談員の勝山裕子さん、国土交通省関東運輸局交通環境部消費者行政・
情報課長の池田敏之さん、そしてわが千葉県環境生活部生活・交通安全課長
の吉野毅さん。
誰もが被害者になりうることを前提に救済をはじめとする制度や支援の
窓口を充実させる必要性を実感。

そして、今日は千葉市文化センターで開かれたフォーラム「地域で守る
子どものこころ~知った私から始める児童虐待防止のアクション」に
参加した。
児童虐待フォーラム1

パネルディスカッションのコーディネーターは、生活クラブ風の村が
今秋オープンした児童養護施設「はぐくみの杜君津」の施設長である
高橋克己さん。

児童虐待フォーラム2

パネリストには小山子ども家庭支援センターの柴田所長、東上総児童
相談所の児玉さん、誕生学アドバイザーの渡辺さんや子育て真っ最中の
お母さんと多彩な顔ぶれ。

まずは、高橋さんの和ませるトークと絶妙な進行でスタート。
パネリストの皆さんが初めにそれぞれご自分の育児体験談を語ることで
参加者との距離がぐっと近くなり、会場が一体的な雰囲気に包まれる。

虐待による死亡件数は、心中も含めると年間90から100件にも及ぶ。
相談窓口も増えているのに、なぜ減らないのか?
私たちにできることは「知ること」であり、「考えること」であるとの
問題提起から始まった。

・虐待としつけの違いとは?
・子どもの目線と子どもの人権
・家庭の崩壊、地域の孤立化にどう向き合えばいいのか?
・苦しい、助けてと言ったときが、助かるとき
・家庭や地域に虐待を防ぐ安全弁をどのようにつくるのか?
・愛着など子どもが育つ原理を学ぶ機会が必要
・社会的隣んち、社会的実家、社会的おせっかいが求められているのでは?

などなど、さまざまなキーワードが出され、実りある話し合いが進められた。

「児童虐待はいけない」と他人事で断罪するのではなく、虐待が起きない
ようにするためにどうすればいいのか、それぞれの地域で何ができるのか
考え、行動していくしかない。
社会で子どもを育てるという視点がますます求められている。