袖ヶ浦福祉センター現地調査

1月30日(木)

健康福祉常任委員会の現地調査のため、昼過ぎに議会棟をバスで出発。

袖ヶ浦センター
暴行事件のあった養育園の外観

現地到着後、4グループに分かれ、更生園桧寮・さつき寮、養育園1寮・
2寮を回り、説明を聞いた。
どの施設も利用者は日中活動で外に出ており、空部屋やお風呂場・食堂等
の生活スペースを見学した。

一昨年、こちらの施設を訪れた時は強度行動障がい者の施設内を見ること
ができなかったが、今回は暴行・虐待事件のあった養育園第2寮の現場を
訪れ、あまりにも生活臭のない無味乾燥ともいうべき雰囲気に驚いた。

同じく一昨年、会派で訪れた北海道「はるにれの里」では、
強度行動障がい者がそれぞれお気に入りの空間でリラックスしていて
見学者をも気にせず、マイペースで活動していた姿が忘れられない。

話しは戻るが、この第2寮には10~26歳までの13人が入所し、
最重度が7名、重度が4名、中度が2名とのこと。
夜間の職員体制をお聞きしたところ、夜勤1名と宿直1名で
対応しているとのこと。
入所者の中には睡眠障害のある方もいるため、夜中も
見回りなど緊張の連続だと思う。
保護者の同意を得て、部屋に施錠をするケースもあるそうだが、
家族は子どもがどのような支援を受けて生活しているのか、
どこまで分かっているのだろうか?

また、指定管理者である県福祉事業団でも10年ぐらい前から
「施設から地域へ」という改革を進めることにはなっていたものの
実際、地域移行できたのは、2名のみとのこと。

重い障害を持っているから、なかなか地域移行できないと思いがちだが、
はるにれの里のように親・家族、地域に積極的に情報公開し、
スクラムを組んで地域でごく自然に生活できている先進事例もある。
現場を見て、あまりにもこの施設に集中してしまっている感が否めない。

また、再発防止に向けて人権擁護が大切、そのためには研修を徹底すると
いうのは正論だが、入所者を守るシステムがなぜきちんと動かなかったのか、
その根本原因を事業団幹部が総括しなければ、形ばかりの反省で終わって
しまうだろう。

施設見学後、各委員から指定管理者制度の問題点、行革による職員・給与
削減、組織内の閉鎖性、支援員の研修実態などの質疑応答があったが、
1時間程度の時間設定ということもあり、話し合いを深めることは
できなかった。

会議の冒頭、近藤理事長からあいさつ
福祉事業団幹部
画面左が武田前養育園施設長、その隣が田村常務理事、
理事長右隣は和田更生園施設長

夕方4時過ぎ、雨脚が強まる中、沈んだ気持ちでセンターを後にする。

明日には、第2回の第三者委員会が開催する予定となっている。
外郭団体への県職OBの天下り問題はじめ、事業団と県との関係性、
施設の今後のあり方について等々、議論すべき課題は山積している。
しっかりと膿を出し切り、より良い方向性を探っていきたいものだ。