(社)菜の花会 しもふさ学園へ
5月8日(木)
JR成田線にある滑河駅を会派メンバーで下車。
のどかな山道を10分ほど車で走り、午前10時前社会福祉法人菜の花会
・しもふさ学園に到着。
新緑が美しい森の中に数棟の施設が点在している。
総施設長の小林勉さん、副施設長の藤崎進さん、発達障害者支援センター
長の与那嶺泰雄さんが出迎えてくださった。
今回の視察の目的は、県が委託した強度行動障害者のケアホームのモデル
事業がどのように行われているか、また、今年度新たに予算付けされた
行動障害者研修事業がどのように展開されるのか、実際確認したいという
ことだった。
早速、モデル事業が行われているケアハウス「愛娘(まなむすめ)」に
案内していただく。
ユニークなネーミングの由来は、近くの畑で植えられているサツマイモの
品種である「愛娘」からとのこと。
施設の外観
外構工事はこれからだが、すでに入居しているとのこと。
現在、このホームには3人の女性が生活している。
強度行動障害を含む、重い自閉症のある方々だ。
利用者さんのお部屋を見せていただいた。
素敵なカーテンとソファーにはクマさんがいっぱい!
何とも可愛らしいお部屋。
別の部屋も「くまもん」のグッズが置いてあるなど、それぞれ利用者さん
の個性があふれていた。
家の中も天窓から光が注ぎ、明るい。
歩き進むと、庭ならぬ池を発見!
画面中央小林さんの足元の下に鯉が泳いでいるのが見える。
中庭にある池が家の中からも見えるとは、何とも楽しい。
赤い鯉が見えるでしょうか?
このケアハウスには、全職員正職員をを配置。
利用者それぞれの障害特性や個性を大切にしているとのこと。
どんな人が暮らすのかを考えて部屋の配置も考え、
「かっこいい暮らし」「普通の暮らし」をめざしているそうだ。
こちらは、男性の入所者が9名生活されている。
それぞれが生活のいろいろな場面でこだわりがあり、トイレはなんと
6箇所もあるとか。
こちらは、食堂
ひとりで食べるためのスペースも完備
行動障害のある方は環境変化に敏感で時にはパニックになるが、少人数
あるいはひとり暮らしであれば、落ち着いて生活できるそうだ。
紹介された中里ホーム世話人の女性
なんとカンボジアの人とのこと。
外国人の採用についても、意欲的。
見学を終え、パワーポイントを使って菜の花会の成り立ちや理念・方針、
今回の両事業についてご説明いただく。
26年前に開所したしもふさ学園は、科学的な視点で自閉症の特性の理解
と支援を基本に利用者一人ひとりに応じた統一的な支援を実践している。
とにかく小林総施設長をはじめ、職員の皆さんがとても熱心で当法人の
のビジョンに裏打ちされた自信が伝わってきた。
人の尊厳や人権を守るという福祉の最大の使命を達成するためには、
何といっても理念が大切だ。
県の袖ヶ浦福祉施設では、その一番大事な理念が形だけのものとなり、
現場での支援は理念なき対処になっていたのではないだろうか?
今回の袖ヶ浦施設での事件について、小林さんは鋭く分析された。
「理念のあるリーダーがいなかった」「時代の変化について行けず、
事業団の名前に溺れた」「障害者施策をリードするどころか、
底抜けになっていた」等々。
では、これからどうするか?
菜の花会をはじめとする民間施設の方々の意見を真摯に受け止め、
知恵もお借りして県はしっかりと考えていかなければならない。
今日の視察には、県の担当職員2名も一緒に参加した。
また、今後の研修にも県職員が参加する意向だそうだ。
私も今後の課題を含めて今日ご教示いただいたことをさらに深め、
これからの議会活動にしっかりと生かしていきたい。
小林先生、職員の皆さん、お忙しいなか、本当にありがとうございました。