令和6年9月定例県議会 健康福祉常任委員会 審議状況 病院局/健康福祉部(入江質疑箇所)

令和6年10月3日(木)

なお、質疑要旨は正式な議事録ではありません。

病院局

諸般の報告・その他

令和5年度病院事業決算について

(1)収益確保について

質問

令和5年度病院事業決算見込みについて伺いたい。

まず収益の確保について、全体の患者数について、前年度との比較では、新入院患者は増加、新外来患者数は減少とのことだが、主な原因分析について伺いたい。

併せて、医業収支への影響についても伺いたい。

(入江委員)

回答

新入院患者については、全体で1,082人増加している。令和5年度では新型コロナが5類に移行したことを受けて、病床等の医療資源を通常の診療に振り向けることができるようになった。また、地域の医療機関への訪問等により集患対策に努めた結果と認識している。特に、増加が大きいがんセンターにおいては686人増加となっているが、これは昨年度に404床に増床したことと、併せて積極的な集患対策と患者の受け入れを行ったことによるものと認識している。

新外来患者については、全体で509人の減少となっている。要因の一つとして考えられるのは、令和4年度中はコロナが流行していたため、地域の医療機関を受診できず、外来で県立病院を受診する患者がいたが、令和5年度は5類移行に伴って地域の診療所でも対応できるようになった等が考えられる。要因についてはこれだけでは言い尽くせない部分もある。また、新外来患者については令和2年度以降増加傾向にあったものが5年度に減に転じている。その要因については引き続き精査していきたい。

医業収支への影響だが、医業収支そのものについては前年度と比べて20億円ほど改善している。

本業の収益である医業収益が、入院患者の増加等に伴って前年度と比べて22億円の増となっている。

医業費用については、令和5年度の定年延長の影響により退職給付費の支給が低い水準で抑えられたことや、経費の節減等に取り組んだこと等から、医業費用が2億円程度の伸びに留まったことが、医業収支の好転をもたらしたと理解している。

(新村副参事兼財務室長)

質問

各病院で収益確保に向けて取り組んでいると認識しているが、令和5年度中の具体的な状況と成果について、主なものを伺いたい

(入江委員)

回答

総合救急などの救急系の病院については、可能な限り患者の受け入れに努めた。がんセンターのような紹介系の病院については、地域の医療機関に患者の紹介依頼を行うなど、積極的に集患対策を行っている。

また、原価計算システムを活用して、採算の取れる領域を見える化し、それを入院日数の検討に活用するなど、経営改善に役立てている。

こども病院では診療報酬の新たな加算を取得するなど、様々な角度から収益化を進めている。

(新村副参事兼財務室長)

意見

アフターコロナということも含めてきめ細かな診療報酬の加算の取得、集患の積極的な取り組み等で、医業収益が上がっていることについては、努力に敬意を表したい。

(入江委員)

(2)レジデント医について

質問

2点目であるが、レジデント医について、令和5年度のレジデント医は、前年度の35人から27人と8人減少しているが、過去3年間のレジデント医数はどのように推移しているのか。

(入江委員)

回答

私どものレジデント医のプログラムで、3月31日時点でどこの病院にいるか事業報告書で報告している。3月31日付け過去3年で県立病院に在籍していた者が令和3年度は33名、令和4年度は35名、令和5年度は27名である。また、我々のプログラムでは、県立病院以外に研修先として勤めている者があり、その者を含めると令和3年度は37名、令和4年度は43名、令和5年度は40名である。

(山本経営管理課長)

質問

ちょっと減少傾向にみえるが、とりわけ循環器病センターにおけるレジデント医は、年々少なくなっていると承知している。具体的に示せるか。

(入江委員)

回答

循環器病センターのレジデント医数の推移は、発表している平成20年度は6人、ピーク時の平成26,27年度は8名いたところである。平成29年度から3名、令和になって2名、1名となっており、今現在では0人となっているところである。

(山本経営管理課長)

質問

激減している印象だが、後期のサブスペシャルティのプログラムは二つあるが、応募状況が少なくなっているのは、脳外のドクターが東千葉メディカルに7人、9人と一斉に移動した時期があったが、連動しているのか。

(入江委員)

回答

循環器病センターでは、平成29年度から脳外の先生が順次東千葉メディカルに異動されたが、病院にも確認したが、あくまで循環器のプログラムであり、直接の因果関係はない。

(山本経営管理課長)

質問

わかりました。そうだとしても循環器病センターの医師、とりわけ若い医師を確保していかねばならない。将来、病院の機能を維持するためにも喫緊の課題であると認識している。病院局としてはこの点についてどのように対応していくのか。

(入江委員)

回答

委員ご指摘のとおり、レジデント医は病院運営にとって重要な者であると認識している。近年レジデント医が減っていることは大変重要な問題だと考えている。これまでも若手医師の確保のために研修医のプログラムをホームページ上に掲載している。令和6年4月からホームページをかなり大がかりに見直して見やすくした。そのほかにも、広告媒体を使ったり、あるいは他の大学、病院のプログラムの連携先の受入れとしてレジデント医をいれるなど工夫しているところであるが、今一度我々のプログラムについて、レジデント医が興味を引くようなカリキュラム、募集になっているか、レジデント医とか病院と話をしながら、よりよく改善できるよう見直しを考えていきたい。

(山本経営管理課長)

要望

前向きな答弁ありがとうございました。若手医師の確保については、常任委員会でもたびたび発言させていただいている。基幹病院としてのプログラムとして継続するのがいいのか、それとも連携病院としてレジデント医を呼び込むのがいいのか、様々な研究、周囲の研修プログラムをみながら改善に向けて取り組んでいただきたい。これはのんびりしていられないことなのでよろしくお願いしたい。

(入江委員)

(3)夜間救急体制について

質問

3点目として、夜間救急体制について伺いたい。事業報告書で、循環器病センターと佐原病院において、かなり夜間救急や休日診療にニーズがあるということで、医師の配置状況がどうなっているか具体的に伺いたい。

(入江委員)

回答

循環器病センターについては、循環器系の高度専門の診療科があるため、循環器系セクションと心臓血管外科セクション、その他診療セクションが3名の体制を組んでいる。更に、輪番制で脳外科が月に10回ほど当直を置くという常勤体制で行っている。

ただ、心臓血管については、常勤医師の数に限りがあることから、月に数回、非常勤の医師を招へいしている。
一方、佐原については、全て非常勤医師が1人でシフト対応している。

(山本経営管理課長)

質問

佐原については1人の非常勤医師が対応しているということだが、どの病院よりも時間外対応が非常に多い。

事業報告書の16ページだが、佐原病院の時間外対応が2,843件となっており、県立病院の中でも突出して高い。本当に回せているのか、非常勤が1人で大丈夫だという詳しい状況を伺いたい。

(入江委員)

回答

佐原については、夜間の救急において救急車で来院する方だけでなく、地域の中核病院ということで御家族の方が傷病者を連れて入るケースもある。他の専門病院と比べて、軽微な患者を扱うことがある。

近隣病院との間で、救急の受け入れ体制の会議等を行っており、いわゆる役割分担として、重症患者は3次医療の病院に送り、軽症患者は佐原で受け入れるというような対策を常日頃行っており、これだけの件数をこなしている。

(山本経営管理課長)

質問

地域の医療連携がしっかりとできているものと理解した。

今年度から医師の時間外勤務の時間短縮規制があり、大学病院などでは非常勤の派遣が難しくなるというようなことも聞いている。この点については問題ないか。

(入江委員)

回答

私どもも、働き方改革を受けて医療提供が縮小することを懸念していたことから、令和2年度に医師の時間外勤務の詳細な状況を調査するとともに、令和3年度から時間外勤務短縮計画の策定をはじめとした対策をとってきた。

その間では、医師におけるタスク・シェア、例えば複数の患者に複数の主治医がついているものを1人の主治医で診られないかといったことや、医師の各仕事の内容を組み替えて総勤務時間を縮減する、労働の実態がない夜間の時間帯について当直の申請をするなど、医療提供が縮減しないように対応をとってきたところである。

引き続き、実態を精査しながら、総労働時間の短縮に努めていきたいと考えている。

(山本経営管理課長)

要望

県立病院では、働き方改革に向けて3、4年前から地道に取組を進めてきたことで、今、病院現場が混乱することなく動いているという話を聞いて、非常に心強く思う。

引き続き、現場の状況を本局もしっかりと把握して、医師も含めたチーム医療で働きやすい環境に目を配っていただきたい。

(入江委員)

健康福祉部

議案第1号 勤務医の労働時間短縮に向けた体制整備事業

(1)地域医療勤務環境改善体制整備事業(当初予算分含め10億6600万円)

質問

地域医療勤務環境改善体制整備事業のこれまでの実績と公民の割合はどうか。また、今回の対象機関数はどの程度を見込んでいるのか。

(入江委員)

回答

これまでの実績ですが、制度を創設した令和3年度は6病院、4年度は8病院、5年度は4病院、延べ18病院に対して支援を行いました。このうち、民間病院は28%に当たる延べ5病院、公立病院は72%に当たる延べ13病院でした。

また、今回の補正予算案の編成に当たっては、県内全ての病院及び有床診療所を対象に意向調査を行い、制度活用の希望のあった12医療機関に対する補助の所要額を計上しています。

(菊地医療整備課長)

質問

県内の医療機関における働き方改革、勤務環境改善に向けた取組状況をどのように把握しているのか。

(入江委員)

回答

県では、本年4月からの休日・時間外労働時間の上限規制の適用開始に向け、医療機関向けのセミナーの開催や、専門アドバイザーの派遣による個別支援等、医療機関における勤務環境の改善が円滑に進むよう支援してまいりました。

すべての医療機関の詳細な取組の現状把握まではしておりませんが、今回の事業に当たっては、「医師労働時間短縮計画」の提出を求め、当該医療機関における取組状況を把握して、しっかりと支援してまいります。

また、来年度以降の事業実施に当たっても、全病院・有床診療所を対象に事業実施の意向調査を行う予定でおります。

また、補助事業以外の把握というところですが、直近では3月に県内の全288病院について確認をした際は、215病院において宿日直の許可を取得するとともに、28病院において、「医師労働時間短縮計画」を策定するなど、必要な準備が進められていることを確認しておりました。

今後は、本事業を活用しながら、医療機関の状況を把握してまいります。

(菊地医療整備課長)

質問

診療報酬でこのような取組を行っている機関もあると聞いているが、状況はどうか。

(入江委員)

回答

いわゆる大きな病院に関しては診療報酬で体制整備ができるようになっており、対象施設は厚生局のホームページで把握はできるが、どのように活用されているかまでは把握していません。

(菊地医療整備課長)

要望

来年度においても全ての医療機関に対する周知、活用の呼びかけを引き続きお願いしたい。

(入江委員)

(2)【新規】勤務環境改善医師派遣等推進事業(6億3000万円)

質問

補助基準額として医師一人当たり月125万円を派遣元に補助するとのことだが、どれくらいの医療機関から、非常勤医師を何人くらい派遣する想定で積算しているのか。

(入江委員)

回答

今回の補正予算案の編成に当たっては、県内全病院・有床診療所を対象に行った意向調査の結果を踏まえ、制度活用の希望のあった10医療機関から、常勤換算で約40名の非常勤医師が県内医療機関に派遣されることを想定して所要額を計上しています。

(菊地医療整備課長)

質問

例えば、医師派遣元と考えられる千葉大病院については、どの程度の派遣を行っているのか。

(入江委員)

回答

事前に行った意向調査に対し、千葉大学医学部附属病院からは、12医療機関に対する非常勤医師の派遣が見込まれるとの回答を得ています。

なお、昨年度末に実施した調査をもとに予算を計上しているため、事業の実施に当たっては、活用希望のあった医療機関の意向を改めて確認した上で、取り組んでまいります。

(菊地医療整備課長)

質問

特定労務管理対象機関に指定されている県内の医療機関はどれくらいなのか。

(入江委員)

回答

本日時点で、28病院です。

(菊地医療整備課長)

要望

医師派遣に対する新たな補助事業なので、しっかりと活用を呼びかけていただきたい。

(入江委員)

質問

議決後の手続きのスケジュールと対象期間はどうか。

(入江委員)

回答

予算成立をお認めいただいた場合には、速やかに補助要綱を制定し、活用希望のあった医療機関から、改めて医師派遣の計画を含む申請書を提出させ、内容を確認の上、交付を決定します。その後、年度末に派遣の実績等を確認の上、来年4月以降に補助金を支出する予定です。

なお、補助の対象期間については、本年4月まで遡って、支援の対象にしたいと考えています。

(菊地医療整備課長)

要望

十分活用されるように促していただきたい。

(入江委員)

質問

本事業はしばらく継続されるのか。

(入江委員)

回答

国の事業に沿ったものであるため、国の動きに左右される部分はあるが、当面は実施されるものと見込んでいます。

(菊地医療整備課長)

(3)特別養護老人ホーム等の開設準備支援等事業(当初予算含め33億8600万円)

質問

特別養護老人ホーム等の開設準備支援等事業について、当初予算額を含め、33億8千6百万円となっている。補助事業の実績の推移はどうか。

また、これまで何件の施設でどのような使われ方をしているのか。

今回の補助事業の対象施設については、どの程度見込んでいるのか。

(入江委員)

回答

今回の補正にかかる主な事業である大規模修繕時に併せて行う介護ロボット・ICT導入支援事業の実績について、過去3年間で申し上げますと、令和3年度は7施設に対して2億922万6千円、令和4年度は30施設に対して4億6,631万2千円を交付しています。令和5年度は交付決定ベースとなりますが、28施設で、9億4,411万7千円です。

何件の施設で、ということですが、補助金を交付した全ての施設で活用されていると認識しています。

使われ方ですが、導入した介護ロボット・ICTは、例えば、入所者がベッドから立ち上がろうとする状態などを検知するセンサーマットとそれを介護従事者へ通知するシステムを導入し、即時の対応や、転倒防止につなげるといった事例や、介護記録から介護報酬請求の業務までを一貫して行うことができる介護ソフトなどを導入して業務負担を軽減する、タブレットやインカムを導入して職員間の即時の情報共有に活用する、といったような使われ方があります。

また、今年度の交付対象施設数は34施設で、11億円の補助を見込んでいるところです。

(上林高齢者福祉課長)

質問

今年4月から介護業務効率アップセンターというものを開設して5か月が経過しているが、実績はどうか。
県内の介護現場でどれくらいのICTとかロボットが活用されているのか、わかったら教えていただきたい。

(入江委員)

回答

千葉県介護業務効率アップセンターでは、介護サービス事業者からの相談にワンストップで応じるとともに、より多くの事業者が課題を的確に捉えて現場に応じた業務改善を行えるよう支援をしていますが、本年4月の開設から9月末までの実績を相談件数で申し上げますと、累計で131件となっています。主な内容としては、ロボットやICTの導入方法や活用方法を教えてほしいといったこともあります。

どれくらいの介護事業所でICTや介護ロボットが活用されているかということですが、対象事業者数が1万を超えており、定量的な調査を県独自では行っていませんが、国の統計などによりますと、だいたい40%から50%という調査結果があります。

(上林高齢者福祉課長)

要望

詳しい県内の状況は定量的に把握していないということだが、何かの折に、どれぐらい進捗しているのかを把握していただければと思う。この事業が充分に介護現場の負担軽減に繋がるよう、しっかりと周知をしていただくよう要望する。

(入江委員)

諸般の報告・その他

株式会社恵の不正行為等への対応状況について

質問

6月議会常任委員会での質疑では、市町村に対し利用者の状況や意向の確認をするよう文書で依頼するとのことだったが、回答状況はどうか。

(入江委員)

回答

関係する市町村からは、株式会社恵が運営するグループホームの利用者の状況や意向などについて既に回答をいただいておりますが、現在、その内容について確認・整理をしているところです。

(丸山障害福祉事業課長)

質問

その確認・整理が終了する見通しは、いつ頃になるのか、また、事案発生後、当該グループホームから退去した利用者はどれくらいいるのか。

(入江委員)

回答

回答状況の確認・整理の見通しについては、出来るだけ速やかに、確認・整理を行い、必要な対応をとって参りたいと考えております。

事案発生後、グループホームから退去した利用者数ですが、現在株式会社恵に対して、退去された利用者の人数等を確認しているところですが、これまでの間に、退去された方はいらっしゃる、と承知をしております。

(丸山障害福祉事業課長)

質問

定期的に事業者から報告を求めるとのことだったが、これまでどのような報告があったのか。

(入江委員)

回答

県では、事業者に対し、毎月、障害福祉サービスの確実な提供、利用者や家族等への必要な情報提供の状況などについて、報告を求めているところです。

事業者からは、利用者の現在の暮らしを維持し不利益が生じないよう、利用者の求めに応じて確実に、サービスを提供することや、利用者や家族等への情報提供のため、本社に相談窓口を設置し対応していることなどの報告を受けております。

(丸山障害福祉事業課長)

質問

この事案に、県はいつからどのような対応を行ってきたのか。

(入江委員)

回答

県では、令和5年6月の国からの依頼を踏まえ、事業者に対して、令和5年から立入検査等を実施してきており、直近ではこの7月から8月にかけて検査を実施しています。

また、利用者の状況や、グループホームの運営状況等については、この検査時にも確認を行ったほか、随時、電話による状況把握に加え、9月以降は、職員が任意で事業所を訪問し、直接状況を確認しています。

(丸山障害福祉事業課長)

質問

昨年度から、立入検査等を行っていると思うが、任意の訪問との違いは何か。また、現在の対応状況について、詳しく説明していただきたい。

(入江委員)

回答

立入検査等の内容につきましては、個別事案に当たるため、詳細については、回答を差し控えさせていただきます。内容については、現在、精査をしているところです。

任意の訪問については、事業所の運営状況や利用者の状況等について確認をさせていただいているところです。

(丸山障害福祉事業課長)

質問

特別監査が継続して行われているという理解でいいのか。

令和6年6月26日の厚労省通知、プレスリリースでは、本県においても、13施設のグループホームのうち、11の施設で過大徴収があり、過大徴収額は約2500万円、対象者260人となっており、また、未返還が約130万円、12人となっている。これに対する対応状況についてはどうか。

(入江委員)

回答

特別監査については、引き続き継続している状況です。

令和6年の6月26日に厚労省が発表した、食材料費の過大徴収額等につきましては、このプレスリリース資料にある、千葉県の13事業所というのは、県指定の12事業所と、我孫子市指定の1事業所分が含まれております。株式会社恵が、利用者へ過大徴収した食材料費の返還を進めており、その内容について、県は確認を行っているところです。確実に返還が行われるよう、引き続き事業者を指導して参ります。

(丸山障害福祉事業課長)

質問

愛知県と名古屋市において、食材料費の過大徴収に対して、指定取消処分がされている。
県においての監査結果が、まだ出ていないが、愛知県、名古屋市で行われた事案と、同様の客観的な基準で処分が行われるということか。

(入江委員)

回答

愛知県や名古屋市の取消処分につきましては、食材料費の過大徴収のほか、人員配置などの基準違反、不正請求が処分内容に入っていたものと把握しております。

一方で行政処分を仮に行う場合には、障害者総合支援法第50条におきまして、障害福祉サービス事業所の指定取消や、期間を定めて指定の全部または一部を効力停止することが出来る事由が規定されております。

具体的には、人格尊重義務違反とか、不正請求、虚偽報告、不正の手段による指定などの事由があった場合、行政処分を行うことが出来るとされており、法に基づいて判断していくことになります。

なお、個別の事案については内容を精査した上で、処分内容を判断していくことになります。

(丸山障害福祉事業課長)

質問

個別の事案に応じた判断ということだが、見通しについてお答えいただきたい。

任意訪問等を通じて気づいた点について、それをどのように改善につなげているのか。

(入江委員)

回答

立ち入り検査等に基づく調査結果につきましては、出来るだけ速やかに整理した上で、必要な対応を、事業者に対し行って参りたいと考えております。

また、任意訪問等を通じて気づいた点をどのように改善につなげているかという点につきましては、県指定のグループホームを訪問する中で、事業所によっては、人員体制に余裕がない事業所も一部見受けられたことから、一昨日、恵本社に対し、県指定の全ての事業所において、確実に障害福祉サービスが提供出来るように、人員をしっかり確保するよう改めて指導したところです。

(丸山障害福祉事業課長)

質問

株式会社恵の事業譲渡はどのように進められているか。

(入江委員)

回答

本年9月12日発表の厚生労働省の資料によれば、株式会社恵は、障害者グループホーム等の一括譲渡を、年内を念頭に調整しているとのことです。
県といたしましては、引き続き利用者の求めに応じて、確実にサービスを提供出来るよう、事業者を指導してまいります。

(丸山障害福祉事業課長)

要望

株式会社恵が運営している事業所には、非常に障害が重い方や、高齢の方が多く生活されており、なかなか次のグループホームを探すのは厳しいと聞いている。そのような中で徴収した食材料費に見合わないような、貧しい食事を提供することは、尊厳に関わる重大な事案である。

引き続き、任意の訪問を続けていただきながら、また、しっかりと客観的な基準に基づいて、県内のグループホームにおける質の確保をしっかりと堅持していただくような強い姿勢で監査の結果を出していただきたい。

(入江委員)