熊本、大分、そして5年後の福島

4月18日(月)

熊本、大分を中心に相次ぐ地震で死者が42人、避難者が20万人と
今日の朝刊で報じられています。
このような非常事態にあっては、いち早く安倍首相は「激甚災害」
指定すべきです。
ところが、14日に1回目の地震が起きた直後、蒲島郁夫熊本県知事が
早期の激甚災害指定を求めたにもかかわらず、政府は取り合いませんでした。

5年前の東日本大震災では、当時の菅首相が地震発生の翌日に
激甚災害の指定を閣議決定しているとのこと。
なぜ今回は対応が遅いのでしょうか?

昨日、自民党の谷垣幹事長らが安倍首相に要請したと報じられていますが
現時点では未だ指定されていません。
災害時の対応は、現場である自治体の長の権限による判断を何よりも
尊重すべきですが、国は地方を人的・財政的に支援する必要があります。
知事らによる要請に早急に応えるべきです。

実は、この「激甚災害指定」の話は、昨日の佐藤かずよしさん
(前いわき市議)の講演会で知りました。

佐藤さんは、現在、福島原発告訴団副団長、福島原発刑事訴訟支援団
団長、原発事故被害者の救済を求める全国運動教代表、
脱原発福島ネットワーク世話人など、福島原発にかかわるありとあらゆる
活動で中心的役割を果たしています。

佐藤かずよしさん
佐藤かずよしさん

冒頭では、今回の地震による原発への影響はないという政府の言い分を
鵜呑みにしてはいけない。
日本列島は地震の活動期に入っており、中央構造線の中にある
川内原発は運転停止、伊方原発(愛媛)の再稼働などトンデモナイと発言。

福島原発事故から5年経った今も「原子力緊急事態宣言」は
解除されていません。
それなのに、政府による住民の分断と帰還の強制が行われています。
帰還強制

避難区域の人口
避難区域の人口

日本の法律では1ミリシーベルト以下とされている放射能基準が
福島では20ミリ、そして来年3月には50ミリまで解除予定、
大丈夫だから帰還せよと言われていますが、これは人体実験に
他ならないのではないか。
「日本国憲法は福島の県境で立ち止まる」という言葉に胸が詰まりました。

また、福島県の年間予算1兆円のうち、1000億円が除染費用。
県民の健康を守るための予算はそのわずか1/10とのこと。

除染マネーの行き先
除染マネー

小児甲状腺がんは通常の60~70倍の発症率で、166人。
それが原発事故由来であるかどうかの論争より、
子どもたちの健康被害にどのように対応するのかが先決です。

現地では、いわき放射能市民測定室「たらちね」の活動が光っています。
   ↓
いわき放射能市民測定室

ぜひ応援してください!

「原発事故子ども・被災者支援法」が骨抜きにされ、千葉においても
子どもの健康被害を調査し、救済するための施策が全く行われていません。
政府の不作為を追及し、住民の命を守る自治体の責務を質して
いかなければなりません。

今まで原発事故の責任が、誰一人問われていません。
刑事訴訟を起こすことで責任が問われれば、再稼働への抑止力になるので
応援してほしいと訴えられました。

講演会終了後、きぼーる1階アトリウムで展示されている福島写真展を見学。
福島写真展1

山本友子画伯による力作の前で
福島写真展2

「3.11で止まった町 福島の姿写真展Ⅱ」主催:原発さよなら千葉
20日(水)午後3時まで展示しています。
ぜひ足を運んでご覧ください。