利根川下流部調査見学会
5月1日(日)
先月28日(木)は、利根川流域市民委員会メンバーで利根川下流部へ。
朝8時に佐倉を出発し、印旛水門近くの運動公園でマイクロバスに合流。
途中、スーパー堤防の発祥地「矢口」を通過しました。
これがスーパー堤防?というくらい「点」のような小規模さにびっくり!
かつては日本で最大のウナギ漁獲量があった利根川ですが、
それが今は、激減しています。
シラスウナギの乱獲などの要因もありますが、さまざまな河川工事が
ウナギの遡上・流下を妨げ、ウナギの住処を奪ってきたことも
大きな要因ともいわれています。
私たち利根川流域市民委員会では、「利根川の未来を考えるカムバック・
ウナギ・プロジェクト」を立ち上げ、ウナギが生息できる環境を取り戻す
視点から、利根川の河川としてのあり方を見直し、その改善策を
考えています。
ウナギをメルクマールにして、かつての利根川の豊かな自然を
できるだけ取り戻せるよう、過去の河川事業を見直すうねりを
創り出していきたいと思います。
水資源機構の管理所で利根川河口堰のゲート操作の説明を聞きました。
ここでは塩分濃度に応じて調節門と制水門を操作する方法をとっており
階段式魚道に加え、2010年3月には多自然型魚道も完成。
手前が多自然型魚道ですが、率直に言って「人工的」です。
いったいどのくらいの魚が往来しているのでしょうか?
昼食をはさんで次は常陸川水門へ。
1974年以前は平常時は水門を開放し、出水により利根川の水位が高く
逆流の恐れがある場合に水門を閉鎖していました。
それ以後は、霞ケ浦の水位上昇時に開放する操作となっていますが
閉鎖されていることが圧倒的に多いようです。
用水施設は排水施設を兼ねたものが多く、普段はゲートが締め切られており
ウナギが用水路へ遡上するような状態ではありません。
しかし、用排水路はほとんどが古く、これらの整備状況がウナギの減少
に関係しているとは考えにくいようです。
利根川河口堰や常陸川水門では魚類の調査も行われています。
その結果を専門家が総合的に分析し、複合的な因果関係を
解き明かしてほしいものです。