平成29年2月議会 発議案に対する討論原稿

発議案第2号(自民党会派提出の議員定数改正条例案)に反対の立場から、討論します。

平成27年10月22日、第1回の千葉県議会議員定数等検討委員会が開かれ、昨年12月6日まで6回にわたって検討が進められてきました。主な検討項目は3つあり、1つ目として、人口の少ない選挙区と人口の多い選挙区の定数が逆転しているいわゆる「逆転選挙区」の取り扱い、2つ目に都市部と人口減少地域との人口較差による「一票の格差」の問題、そして3つ目が議員総定数についてでした。

昨年3月1日の第3回検討委員会では委員長から今後のスケジュール案が示され、平成27年国勢調査のデータに基づいて各会派が改正案を提案、協議したうえで検討結果をまとめ、29年6月定例議会を目途に条例改正し、県民への周知期間を2年程度確保したいとの内容でした。その後、6つの会派から議員定数及び選挙区の見直し案が出され、逆転選挙区や飛び地選挙区についてはすべての案で解消、選挙区の数は現行の46に対し、-19の27選挙区から-4の42選挙区、議員定数は現行の95に対し、-16の79から現行と同数の95までと各会派それぞれの視点や考え方を反映した内容となりました。 以上が大まかな経緯です。

今回自民党会派から出されている発議案第2号に反対する理由は、2点あります。

1点目は、投票価値の平等、一票の較差の問題です。自民党案では一票の最大較差が2.44倍であり、先の国政選挙で違憲状態とされた2倍未満を大きく超えています。平成22年国勢調査では2.51倍でしたが、27年国勢調査では2.88倍に拡大したことを受け、他会派ではこの一票の較差の問題を最重要視し、1.53~1.88とすべて2倍未満となるよう見直しを図りました。一方、自民党案で2.44倍とした理由については、平成27年12月17日の議員定数等に関する訴訟において最大較差2.51倍が合憲、適法とされたので問題がないとしていますが、公職選挙法が強く要求している投票価値の平等が軽んじられていると言わざるをえません。自民党案では2倍以上となるところは10選挙区もあります。検討委員会で「意見の一致が見られなかった」と話し合いのテーブルを早々に閉じるのではなく十分な議論が必要だったと考えます。

反対理由の第2は、主権者である県民の意見反映がないまま拙速に進められている問題です。検討委員会では、当初から第三者機関の設置、有識者等からの意見聴取、タウンミーティングやパブリックコメントの実施等々、いずれかの方法で県民意見を聞くべきではないかとの意見が我が会派も含め多く出されていました。しかし、自民党会派から「その必要はない」と却下されてきました。620万県民の多様な県民意見やニーズを出し合い、話し合うのが議会の場です。小数会派の議員もまた県民の負託を受け、県民の代弁者として活動しています。すべて数の力で押し切るのでは、議会の機能を十分に果たしているとは言えず、県民の理解が得られるとは到底思えません。言うまでもなく県議会の議席は県民の議席です。その数やあり方について十分な議論を尽したうえで条例改正を行うべきと考え、発議案に反対します。

以上で討論を終わります。