令和2年6月議会 会派代表質問(入江担当箇所原稿及び質疑要旨)

2020年6月17日(木)
会派「千葉民主の会」代表質問(入江担当箇所)
「新型コロナウイルス感染症にかかわる医療提供体制について」
「児童虐待防止について」

なお、質疑要旨は正式な議事録ではありません。

代表質問原稿

新型コロナウイルス感染症にかかわる医療提供体制について

政府の緊急事態宣言解除により、通常の社会経済活動の回復に向けて取組みが進められています。そのような中、第2波に向けた備え、特に県民の命と健康を守る医療提供体制の整備は喫緊の課題です。この間に直面した課題、具体的には保健所の体制強化、PCR検査体制、受入病床や宿泊療養施設の確保、感染ピーク時の衛生資材の確保等々について、早急に取り組まなければなりません。

5月29日に出された国の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の状況分析・提言では、「次なる波に備え、必要となる医療提供体制を重症度別に確保しておくべきである」としています。具体的対応策として、〇重点医療機関等の設置及び拡充 ○感染が小康状態における病床確保と感染拡大時に向けた計画及び備え ○疑い患者を受け入れる病院の確保 ○重症者増加時の三次医療圏内の重症者向け病床確保計画の立案 ○大規模クラスターが発生した場合に広域搬送を可能とする体制整備があげられています。そこで、お伺いします。

(1)新型コロナウイルス感染症受入れ医療機関における役割分担をどのように進めていくのか。また、重点医療機関をどのように設定するのか。

一方、新型コロナウイルス感染症による病院経営の悪化も厳しさを増しています。5月18日、日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会の3団体が公表した「新型コロナウイルス感染拡大による病院経営状況緊急調査」(速報)によると、コロナ患者を受け入れた病院では、今年4月の医業利益率はマイナス11.8%、病棟を閉鎖せざるを得なかった病院では、同じくマイナス16.0%に落ち込んだことが明らかになりました。これらの病院への緊急的な助成がなければ、新型コロナウイルス感染症への適切な対応が不可能となり、地域での医療崩壊が強く危惧されるとして、政府に強力な支援を求めています。また、日本医師会も医療従事者への危険手当を含めて政府に要請しているところです。そこで、お伺いします。

(2) 今後の病床確保に向けて、県がさらなる財政支援や医療資材の優先供給等を行うべきと考えるが、今後の対応はどうか。

感染拡大防止と社会経済活動をバランスよく両立させながらウイルスを抑え込むには、無症状感染者を積極的に発見する検査体制と徹底した患者の隔離が必要といわれています。国はPCR検査体制を一日10万件に増やす方針であり、東京都では一日最大3,100件を1万件にまで拡充する目標を示しています。一方、千葉県のPCR検査体制は衛生研究所、7保健所、政令中核市、医療機関等を合わせて、現在一日当たり最大672件ですが、東京都のように拡充の数値目標を立てていません。

また、さらなる検査体制の確立に向けて、既存の帰国者・接触者外来等の医療機関に加え、「地域外来・検査センター」が地域の医師会の協力により、運営されています。本県では政令中核3市に加え、感染者数が多かった東葛・印旛地域等の6カ所に設置されていますが、県内各地での開設が今後も必要と考えます。そこで、お伺いします。

(3)感染拡大の「第2波」に向けて、PCR検査数の目標を立てて拡充するとともに、各地域における「地域外来・検査センター」の開設を早急に進める必要があるが、どのように取組んでいくのか。

緊急事態宣言解除後の感染再拡大が懸念される中、都道府県知事においては新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき、主導的な役割が求められています。「地域のことは地域で決める」まさに、政治によるリーダーシップ、スピードと実行力が問われています。そして、その判断のベースとなる情報や指標の妥当性や透明性が必要です。

特に県が設置した「新型コロナウイルス感染症対策連絡会議専門部会」は、今後の医療提供体制を検討するうえで非常に重要な役割を果たしています。しかし、その委員構成や会議開催の状況等については、これまでまったく公表されていません。県民とのリスクコミュケーションの観点からも、積極的に情報開示すべきです。そこで、お伺いします。

(4)新型コロナウイルス感染症対策連絡会議専門部会にかかわる資料や議論の経過について、県民に公表すべきだがどうか。

今回のコロナ対応を踏まえ、特に遅れている保健・医療分野におけるICT活用の導入は必要不可欠です。これまで明らかになった課題、感染者情報を一元的に管理、共有できない、病床の稼働状況や人工呼吸器・防護服等の確保状況を電話で確認する以外情報を得る方法がない等々、関係機関の情報共有や連携のためのシステム作りに向けて、早急な対応が求められています。

我が会派では、大阪府が先行的に活用しているシステムを参考にするなど本県での導入についても働きかけてきました。そこで、お伺いします。

(6)ICT活用による患者及び医療機関等の情報の共有化、業務の効率化が必要と考えるがどうか。

(1)再質問案

さらに、国の専門家会議は医療提供体制の逼迫を予防する観点から、緊急事態宣言とは別に都道府県ごとに「メディカル・アラート」を発出する条件などを検討すべきとしています。すでに大阪府では大坂モデルと呼ばれる独自の自粛要請・解除の基準に連動した病床確保方針が示されています。確保病床数の一部を通常医療用に転用、可変的運用をするため、メディカル・アラートの考え方を示しています。千葉県の考え方はどうか。

(1)-2 再質問案

冬季のインフルエンザ感染期との重なりを考えると、コロナ感染が疑われる患者が受診する「帰国者・接触者外来」とは別に、発熱者の診療を一般外来患者と区別して行う「発熱外来」を地域に設置することも必要ではないかと思います。すでに新潟、兵庫、福島県や東京都杉並区等では自治体主導で開設しています。帰国者・接触者外来の負担軽減、病院内での2次感染、院内感染の防止にもつながると言われています。発熱外来の設置について、千葉県の考え方はどうか。

(2)要望案

千葉県では本来入院すべき感染者が自宅待機を余儀なくされた、入院調整が上手くいかなかった要因の一つとして、コロナ患者受入病院への財政支援が遅れたことがあげられます。受入先の病院にとっては、現場への人的負荷や財政的負担という大きなリスクが生じるからです。

国の第2次補正予算では医療従事者への慰労金も盛り込まれているようですが、千葉県としても、これまでの医療現場への支援の遅れをしっかりと取り戻さなければなりません。特に、医療従事者への直接的な手当については、県独自の上乗せ支給を行っていただきたい。敬意と感謝を示したうえで、引き続きの協力を要請すべきだと思います。強く要望します。

三回目の要望

新型コロナウイルス感染症にかかわる医療提供体制について

メディカル・アラートの考え方、発熱外来の設置、専門家の意見を聞きながら進めるとのご答弁をいただきました。どちらも第2波への備えとして、しっかりとご対応いただきたいと思います。

先月末に開かれた国の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議では、「次なる波に備えた都道府県の体制整備のためのチェックリスト」も示されました。千葉県における医療提供体制、保健所の体制、検査体制、サーベイランスの状況等々について、定期的に点検を行っていくべきとしています。このチェックリストを基に千葉県が早急に取り組まなければならないことが沢山あるはずです。スピード感のある対応を強く求めます。

児童虐待防止について

千葉県における児童虐待相談対応件数は、昨年度の速報値で8,884件と過去 8年連続の増加。また、昨年中、県警が児童虐待の疑いがあるとして児童相談所に通告した数についても、延べ4,676人と過去最多を記録しました。このうち子どもがいる前で親が暴力や暴言を発する面前DVと呼ばれる「心理的虐待」が3,115人と最も多くなっています。

特に今年は年明けから新型コロナウイルスの感染が拡大し、外出自粛や学校休校により、家庭内のDV、児童虐待のリスクが高まっています。閉ざされた家庭という空間において、経済的困窮やストレスから生じる暴力が外から見えない形で行われており、民間の支援団体にも相談が相次いでいるとのことです。そこで、お伺いします。

(1)今年3月から5月末において発生した児童虐待に関する事件の検挙数及び同期間中の児童相談所への通告人数は前年同期と比較してどうか。

特に学校休業期間において、要保護児童や要支援児童と呼ばれる支援の必要な子どもの安否確認は必要不可欠です。千葉県の調べでは、そのような子どもたちが5月1日現在、千葉市を除く県内50市町村で8425人もいることが分かっています。そこでお伺いします。

(2)学校休業時における要支援児童の見守り体制について、児童相談所と学校、県警との連携はどのように行われているのか。

また、千葉県は昨年1月に野田市で起こった小学4年女児の痛ましい虐待暴行死事件を踏まえ、児童虐待防止に本腰で取組む決意を表明しました。これまで関連計画や対応マニュアルを改定し、児童相談所と市町村、学校現場や警察との連携強化を図るとしています。特に警察との情報共有のあり方については、その効果を見極めながら進めていく必要があります。そこで、お伺いします。

(3)虐待事案にかかわる県警との全件共有の検討をどのように進めているのか。また、先行自治体への調査結果からどのようなメリット・デメリットが見えてきたのか。

今年度当初予算では、児童虐待防止関連事業に総額約12億5千万円と大幅に増額されました。特に児童相談所の機能強化に5億1千万円と前年度の4.8倍、児童相談所の専門職増員、一時保護所の増設、ICTを活用した業務改善、児童相談所運営監査事業などが盛り込まれています。

また、児童相談所における職員の負担増や一時保護所の過密化を抜本的に解消するため、新たな児童相談所の開設については、コロナ禍にあっても遅滞なく進めていかなければなりません。6月4日には県の社会福祉審議会からの答申があり、児童相談所を2か所増設する新たな管轄区域の見直しが示されたところです。そこで、3点お伺いします。

(4)児童福祉司等の増員や一時保護所増設の進捗状況はどうか。
(5)児童相談所2か所増設に向けて、今後具体的にどのように進めていくのか。
(6)ICTを活用した業務改善の具体的な内容と運用開始時期はどのようになっているのか。

(4)再質問案

一時保護所に入所する児童数は常に定員オーバーです。昨年度の入所状況を見ると、特に管轄人口の多い中央児相では定員25名に対し、最大52名、市川児相では定員20名に対して最大59名、柏児相では定員25名に対し、55名の入所とパンク状態でした。

新規に採用された児童福祉司等専門職の教育研修については、さらなる充実が求められるところですが、どのように行っていくのか。

(5)要望案

船橋市と柏市でも独自に児童相談所を設置する方向性ですが、財政面や人材確保の課題があり、具体的な形が見えていません。まずは、県が先んじて新たな児童相談所2カ所の設置に向けてロードマップをつくり、着実に進めてください。コロナ対策と同様、児童虐待防止対策も命にかかわる重要政策であることを改めて強調しておきたいと思います。

今年度予算計上した関連事業を遅滞なく進められるよう鋭意取り組んでください。

三回目の要望

児童虐待防止について

児童相談所職員の人材育成についてのご答弁、ありがとうございます。児童福祉司等の専門職については、今年度に110名の増員、令和4年度までに260名の確保をめざすことになっています。その専門職としての基本姿勢、たゆまぬ資質の向上が極めて重要であります。

昨年1月野田市での虐待死事件を受け、千葉県や野田市では第三者による検証を行い、その結果が出されました。専門家が口々に指摘している点として、児童虐待にかかわる児童相談所や市町村の職員が子どもの権利を強く意識して職務にあたること、子どもを守りきるためには、職員個人に責任を帰することなくチームとして、組織の力で対応すること、そのことが何よりも重要とのことです。

今月に入ってからも、市原市の乳児が今年1月に衰弱死した事件が明るみになりました。県児童相談所と市町村の連携もまだまだ課題があると思います。子どもの命と人権を守る、非常に重い職責を果たしていくために、県のさらなる取組みを求めます。

答弁要旨

令和2年6月定例県議会(本会議)における答弁要旨(入江担当箇所)