千葉県農林総合研究センター落花生研究室へ
今日は、会派の竹内議員と八街にある県の農林総合研究センター落花生研究室を訪ねました。
現在、千葉県で検討を進めている種子条例案に特産の「落花生」を入れるという案が示されていることから、実際の現場に足を運びました。
2018年3月末の種子法廃止に伴い、主要作物であるイネ、麦、大豆の種子生産や安定供給にかかわる自治体の公的関与の根拠がなくなってしまいましたが、県は要綱に基づいて種子事業を行っています。
国の種子法復活法案が棚上げにされている一方、21道県では国の種子法に代わる条例を制定済み(今年6月時点)です。
千葉県固有の在来品種についても対象にしてほしいところです。
しかし、県の条例制定の考え方は、県が全面的に種子事業にかかわっている農作物に限るとのことでハードルは高いです。
その点、落花生については、県独自に品種改良や種子生産を行ってきたところです。
千葉といえば、落花生。
県内産出額は約100億円で国内8割のシェアを占めています。
当センターは国内唯一の落花生専門の研究室として、昭和30年から新品種育成を中心に、栽培に関する試験や原原種の維持管理、遺伝資源の保存等を行っています。
世界中から集めた約1500種類の品種を保存し、交配に活用してきました。
これまで400種類を開発し、15品種を登録。
有名なのは、「千葉半立」「ナカテユタカ」「おおまさり」に加え、最近では「Qなっつ」の愛称でおなじみの「千葉P114号」など。
交配から育種、新品種登録まで15年はかかるという地道な取組みです。
また、栽培農家についても、10アール当たり300~400キログラムの収穫で21万円程度の収入だそうです。
一方、種子の値段は、10アールあたり5~7キログラムで約1万円(4年に1回の更新)程度とのこと。
生産者も減少傾向にあり、栽培の機械化や収穫後の乾燥等の省力化に取り組んでいます。
条例制定が、千葉の特産品である落花生を普及拡大するための後押しになることを期待します。
研究マネジメント室の鈴木室長と黒田上席研究員のご説明を受けた後、落花生の圃場をご案内いただきました。
国内の落花生の種子生産拠点として、これまでの財産を生かし、さらに発展させていきたいところです。
最後に、育種素材として国内外から収集した約1500種の遺伝資源を保存している倉庫を見せていただきました。
種子は次世代に継承すべき公共財産です。
千葉県の宝箱を見た思いでした。
落花生研究室の皆さん、農林水産部の中西議会担当にも大変お世話になりました。
9月議会に向けて、貴重な勉強の機会をありがとうございました。