令和5年2月議会 会派代表質問(入江担当箇所原稿及び答弁要旨)
目次
2023年2月14日(火)
会派「立憲民主・千葉民主の会」代表質問
(入江担当箇所原稿及び答弁要旨)
なお、質疑要旨は正式な議事録ではありません。
感染症対策について
この冬の新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの同時流行に備え、県は感染拡大時の発熱患者を3万人、昨年夏の第7波ピーク時の3倍と見込み、外来医療体制を強化しました。12月議会補正予算では、新たに発熱外来への財政支援や年末年始の診療に対する協力金、保健所のコロナ業務を外部に一括して委託する「医療調整センター」の設置も盛り込まれました。この「医療調整センター」は、民間の委託先が医療機関との入院調整や健康観察等を行うことにより、県保健所業務の負担軽減につながることが期待され、全国初の取組として注目されています。一方、事業の実施期間は、今年度末までの予算計上となっており、今後の方向性が気になるところです。そこで、お伺いします。
ア 感染症医療調整センターの実績をどのように評価しているのか。また、今後どのようにしていくのか。
次に、感染症法改正に伴う県の今後の対応について、お伺いします。
昨年12月2日、次の感染症危機に向けた改正感染症法が可決成立しました。改正のポイントとして、感染症流行時の公的医療機関などに対する医療提供の義務付け、医療措置協定の締結など都道府県知事の権限拡大、保健所の体制や連携の強化といった保健・医療提供体制の強化、ワクチン接種の体制整備、水際の実効性確保などが規定されています。付則には、新型コロナの位置づけに関する検討のほか、感染後の後遺症やワクチンの副反応に関する情報発信など、野党が提出していた対案の内容も盛り込まれました。これを受け、政府は新型コロナウイルスの感染症法上の分類を5月8日から「5類」に移行すると決定したところですが、感染症法の一部の対応に過ぎず、法改正に伴う全体像の議論はこれからです。そこで、2点お伺いします。
イ 感染症法改正に伴い、県は都道府県連携協議会の設置や感染症予防計画 の策定等を求められているが、どのように進めていくのか。
ウ 感染症法等の改正を踏まえ、県の保健所における保健師の計画的な育成・確保が必要だが、今後の方向性はどうか。
要望
今般の感染症法改正に伴う対応は、基本的に令和6年4月からとなっていますが、保健所の体制機能や地域の関係者間の連携強化は今年4月から施行と待ったなしの対応が求められています。しかし、現時点において未だに国による自治体説明会は開かれず、国の基本指針が示されていないと聞いています。
一方、千葉県では感染症対策審議会、千葉県院内感染対策地域支援ネットワーク等の既存の会議体があり、法改定に伴い、今後それらをどのように再編していくのか、またすでに実施されている感染症関連事業についても整理が必要です。
県内の感染症対策を担う方々からは、具体的な活動や提言ができる実効性の高い協議会を作り、分科会等において積極的に動けるよう人材と予算を配置してほしいとの要望もお聞きしています。感染症から県民の命と健康を守る感染症対策に向けて、さらなる取組を要望いたします。
また、保健師については、保健所体制強化の要であり、その養成・確保について会派として従来から対応を求めてきたところです。県は、この3年間のコロナ感染拡大を踏まえ、県保健所における正規保健師を増やしているところではありますが、感染の波が押し寄せるたびに人材派遣による臨時保健師の力も多くお借りしてきたところです。
直近のデータによれば、千葉県の人口10万人あたりの千葉県の保健師の数は17.0人と全国平均の21.6人を下回り、全国41位となっています。今般の改正感染症法に伴い県が策定する予防計画においても、保健所の機能強化等について具体的な検討がなされているとのことです。この点も踏まえ、県民の命と健康を守る最前線で働く保健師の確保と専門性の向上について、しっかりと取り組むよう要望いたします。
障害者施策について
(1)障害者の雇用について
共生社会の実現に向けて、さまざまな障害特性を持つ方々がその能力を活かし、働くことに生きがいを感じられるインクルーシブな社会環境を創出していくことは重要な課題です。第7次千葉県障害者計画においても、「障害のある人の一般就労の促進と福祉的就労の充実について」数値目標が掲げられており、今後の就労ニーズは増加傾向にあります。一方、県内中小企業においては人手不足が大きな課題となっており、障害者と企業のマッチングを進める必要があります。特に、県内企業との連携については、従前から行っている事業の成果・検証を踏まえ、今後のニーズに対し、部局横断的な観点から質量ともに応えていく必要があります。そこで、お伺いします。
(1)県内民間企業における障害者雇用の状況はどうか。また、障害者雇用の促進のために県ではどのように取り組んでいるのか。
再質問
県内企業における障害者雇用率は、直近で2.22%(全国37位)と法定雇用率2.3%を下回り、また、法定雇用率達成企業の割合も50.2%(全国39位)とのことでした。
このような中、特に中小企業へのアプローチを強化する必要があります。しかしながら、企業側からは、障害者の雇用に関心はあってもその手段が分からずに及び腰の面があると聞いています。そのギャップを埋めるため、昨年11月、千葉県中小企業家同友会では障害者職場見学・実習受入企業のマップをweb公開し、障害者と中小企業をマップでつなぐ取組みをスタートさせました。このマップでは、受入可能な障害の種別や実習で受入可能な職種などを見ることができます。そこで、お伺いします。
中小企業家同友会では障害者と企業をマップでつなぐ取組をしているが、このような取組について、県としても積極的に関与してほしいがどうか。
要望
中小企業家同友会の取り組みの背景には、特別支援学校の生徒や保護者に対する就労情報の不足や取組みの弱さがあるとお聞きしています。また、本来このような取組は行政がプラットホームとなり、広く県内に展開すべきと考えます。
今年1月18日、厚生労働省は企業の障害者雇用率を現行の2.3%から2026年度2.7%に引き上げ、2024年度から段階的に実施することを決定しました。引き上げ幅0.4ポイントは過去最大となり、改めて県行政として最大限の対応が求められているところです。県内企業における障害者雇用のさらなる促進のためには、障害者と企業のマッチングが大変重要です。千葉労働局、県、教育委員会など行政が主体的となり、横断的に取り組むよう強く要望いたします。
(2)点字図書館について
昨年11月、会派で四街道にある県立盲学校を視察後、千葉県視覚障害者福祉協会を訪問しました。同協会では、点訳・朗読ボランティアの養成、点字広報紙の発行、盲ろう者のITサポートや日常生活の訓練や福祉制度等に関する相談支援をはじめ、県事業の多くを受託しています。
特に、「視覚障害者総合支援センターちば」では県内唯一の点字図書館を運営していますが、国や県からの補助金が入ってもなお赤字、運営者側からの赤字補填で成り立つ状況です。利用登録者数は13,000人前後となっていますが、点字図書・雑誌の貸出実績は4千冊前後、令和2年度から導入されたサピエ図書館(点字・音声図書の全国最大データベース)は4万件前後と利用ニーズは増加傾向にあります。
2019年6月「視覚障害者等の読書環境の整備の促進に関する法律」(いわゆる読書バリアフリー法)施行を受け、厚労省が行った点字図書館等の全国調査研究では、活動歴の長いボランティアが点字図書館を支えていること、またその高齢化による人材不足が課題であること、パソコンやスマホを活用しての読書支援のニーズが増えていること、視覚障害者の高齢化に伴う再支援の必要性等々が報告され、いずれも千葉県点字図書館の現場が抱えている課題と共通していることが分かりました。そこで、お伺いします。
「視覚障害者総合支援センターちば」が運営している点字図書館に対し、今後も県の支援が必要であると考えるが、どうか。
要望
現在、千葉県では「千葉県読書バリアフリー推進計画」の策定が進められています。パブリックコメントを2月6日から28日まで実施し、今年度中に策定予定とのことです。この計画原案において掲げられている基本的方針・事業がしっかりと展開され、実効性の高い計画となるよう要望いたします。
答弁要旨
令和5年2月定例県議会(本会議)における答弁要旨