震災復興のあり方を考える(その1)
前回のブログ更新から早一週間。
あっという間に毎日が過ぎ、ご報告が追いつかない状態である。
9月3・4日には、景住ネット(景観と住環境を考える全国ネットワークの
略称)の全国集会が千葉であり、参加した。
今回のテーマは「私たちは震災から何を学ぶのか 3.11後のまちづくりを
考える」。
1日目は五十嵐敬喜さん、楡井久さんの講演や被災地仙台からの報告に続き、
新進気鋭の千葉大の若手研究者を交えての討論会が繰り広げられた。
五十嵐さんは「人と自然のつなぎ」「地域のつなぎ」など、震災復興の
キーワードは「つなぎ」だと語ったが、つい最近まで内閣参与だったご経験から
厳しい指摘もあった。
国の復興基本法では、市町村主導、住民主体が明記されているものの、
実際のところ自治体は10分の10つまりすべて国直轄でお願いしますと
あらゆる要望を出し、議会もノーチェックで20兆円もの予算要求を出してくる
とのこと。
建前は分権、実質は中央集権という情けない状況と嘆いておられた。
千葉大の吉永明弘さんは、公共哲学・環境倫理学という耳慣れないご専門
だが、まちづくりを「公共性」と「世代間倫理」の視点から捉えてユニークな
都市論を語ってくださった。
そして、初日閉会のスピーチは、景住ネット副代表・元国立市長の
上原公子さん。
「地域のきずな、地域コミュニティの再生が復興の名の下で叫ばれて
いるが、福島に戻らない、戻れない人たちが裏切り者のように扱われ、
苦しんでいることをどのように考えるのか」と問題提起された。
人権の視点から復興のあり方を考えることが求められている。
終了後、同僚の藤代議員とともに上原さんに選挙のお礼とご挨拶にいった。
上原さんは福島に何度も足を運び、現地の人々と話し合いを続けている
こと、時には脱原発をめぐって、口論になることもあると話してくれた。
今は国に対し、被ばくした人すべてに健康ノートを配布し、全国どこでも
いつでも医療を保障する法案づくりに向けて奔走しているとのこと。
パフォーマンスばかりの首長や議員が多いなか、終始一貫して
政策本位で闘ってきた上原さんは、私が尊敬する数少ない政治家
であり、素敵な女性である。
久しぶりにお目にかかってお話することができ、嬉しい一日となった。