県民無視の不意打ち「許可」
12月26日(月)
午前にさくらネットの通信編集会議を終え、県庁に移動。
午後2時から、会派メンバー4人と柏廃材の健康被害に苦しむ野田の
住民の方と県庁前で廃棄物指導課に対する抗議活動をスタート。
さすがに身体が冷えたが、通りがかりの方々の反応もよく、
県庁職員が受け取るケースも。
巨大組織ゆえ他部署がどのような仕事をしているのか、ほとんど見渡せない
のではないか。
だからこそ、県職の皆さんにもぜひ知っていただきたい。
もちろん多くの県職員が公務員の服務規程に則り、県民の福祉向上、
住民の命と生活を守るために仕事をしていると信じたいところだが、
廃棄物指導課のあまりにもひどい県民無視の姿勢は許せない!
柏廃材処理センターの問題については、会派メンバーが議会ごとに
取り上げてきた。
12月議会では、山本友子さんが本議会と常任委員会でしっかりと問題点を指摘。
力を込めてマイクで訴える友子さん、
トモコ画伯のイラスト入り力作のチラシを配る藤代さん。
野田市にある柏廃材処理センターは、2007年4月に稼働開始し、
以来、塩化水素発生事故、従業員の作業時の死亡事故、火災と続き、
周辺住民は悪臭、化学臭に苦しみ、健康被害が深刻な問題となっている。
この間、県と野田市が合同で行った健康調査では、近隣住民に
化学物質過敏症、慢性咽頭炎などの症状が強く出ていることが
明らかになった。
しかし、県が別途行ったVOC(揮発性有機化合物)調査においては、
原因発生元が特定できなかったとし、その後、立ち入り調査等を続けていた。
このようななか、柏廃材の許可期限が9月21日に迫り、更新許可申請が
8月に出されていた。
この間、私たちは担当課にどのような調査を行っているのか、立ち入りは
何度行っているのかなど、たびたび問い合わせてきたが、なしのつぶて。
それどころか許可期限が過ぎた後の3カ月間もずっと稼働していたのである。
12月議会ではこちらから連絡しても、ほとんど不在で全く話が出来なかった。
ところが、ところがである。
12月議会最終日の20日午前12時50分に会派の部屋に突然、
担当課長が現れ、実は「更新許可を出した」と1枚の紙切れを渡したのである。
話をしたくても、午後1時からの本会議開会アナウンスのブザーが鳴り、時間切れ。
後はさよならバイバイという訳。
ことごとさよう、あろうことか館山市坂田(ばんだ)の残土埋立問題に
ついても、柏廃材と同時に紙切れ1枚を示し、事業者に許可したと
説明された。
この日は朝から坂田の青年団の方々が廃棄物指導課に計画中止を求める
住民署名を提出するために来庁していた。
担当課とはあえずじまいでいたところ、館山市議会がこの残土問題で
臨時全員協議会を開催するとのメールが飛び込み、緊迫した空気が
会派室を覆っていた。
坂田地区の山林6万㎡に京浜方面の建設残土を104万トン埋立処分し、
ゆくゆくはみかん園をつくるとの計画だが、美しい海が汚染され、
観光資源も失い生業も立ち行かないと多くの地元住民や漁協からも
不許可を求める要望書が県宛に出されていた。
県庁前アピールの後、こちらも不意打ちで担当課の部屋を訪ね、
この間の説明を求めた。
30分ほど双方立ち通しの押し問答で何ら誠意ある話は聞けなかった。
年明けから実施する柏廃材の新たな調査の詳細を訪ねても、
まだ分からない(?!)とのこと。
だが、あと2日で仕事納めではないか?
らちが明かないので、後ほど手続きを踏んで「資料請求」することに。
柏廃材も坂田の残土埋立も共通するのは、地元住民への説明責任も
果たさず、業者を利する判断をしたということ。
県民の悲痛な叫びや願いを真摯に受け止め、行政としてできることを
すべてやり尽くしたならば、「許可」という結果はでなかったのではないか?
年明けには会派で坂田の現地視察を予定している。
世界的なダイバーとして有名なジャック・マイヨールがこよなく愛した
宝石の海をこの目で確かめ、地元の方たちと引き続きがんばりたい。
国が国民の命と暮らしを守らないのであれば、なおさら地方自治体に
その役割を果たしてほしいと願いながら、私も今年最後のマイクをにぎった。