令和5年2月議会 健康福祉常任委員会 審議状況 病院局/健康福祉部(入江質疑箇所)
目次
2023年3月6日(月)
なお、質疑要旨は正式な議事録ではありません。
病院局
議案第22号 令和5年度病院事業会計予算
予算編成の考え方・今後の収支見通しについて
質問
新年度における病院事業は約25億円の赤字と見込んでいるようだがその考え方についてはどうか。
(入江委員)
回答
令和5年度当初予算案の編成では、収益的収支の「収支差引」を意識し、改革プランにおける各病院の令和5年度の収支差目標の達成に向け、収支予算額を計上した。
この結果、令和5年度当初予算の収益的収支は改革プランの目標値である約26億円の赤字以内に収まる約25億円の赤字となった。
(小沢副参事兼財務室長)
質問
新改革プランでは、令和11年度での経常収支の黒字化を目指しているが、今後の見通しはどうか。
(入江委員)
回答
改革プランでは、令和11年度の収支黒字化を目標に、各年度の収支目標を設定し、その実現に向け、経営の見える化、収益の増加、費用の更なる削減に取り組むとしたところ。プランの収支目標の達成状況について、令和3年度の決算は、プラン目標の51億円の赤字に対し、6億円の赤字となった。
また、令和5年度予算は、プラン目標26億円の赤字を踏まえ、25億円の赤字として予算編成したところ。
引き続き、各年度のプランの収支目標が実現できるよう、各種改善に取り組んでいく。
(山本経営戦略担当課長)
質問
コロナの影響で、入院外来患者の減少というのも言われてきているところだが、この5年間の病床利用率について、平均で示してほしい。
(入江委員)
回答
手持ちの直近3年間について申し上げると、令和3年度の病院全体の病床利用率は67.4%、令和2年度は66.1%、令和元年度は70.1%となる。
(山本経営戦略担当課長)
質問
令和4年度については、私の手元の資料では71%になっている。また、令和5年度、この予算を見積もるうえでの病床利用率というのはどうなっているのか。
手元では74%という数字を持っているが。この数値が正しいのか。
(入江委員)
回答
令和5年度については、今申し上げた通り、病院の経営改善について、総収支にこだわっているので、25億円の赤字の目標にするために、まず各病院どれだけの収支にしなければならないか、そこに医業収益が固まってくると、過去の実績の患者数と診療報酬単価を見合わせて、実現可能な数字ということで患者数を出して、病床利用率を算定している。
(山本経営戦略担当課長)
質問
令和5年度当初予算の病床利用率は74%、令和4年度での病床利用率は71%と理解してよいか。
(入江委員)
回答
令和5年度当初予算における病床利用率は74.3%、令和4年度当初予算では76%である。
(小沢副参事兼財務室長)
質問
令和5年度当初予算の病床利用率は令和4年度に比べ下がっているのか。
(入江委員)
回答
そのとおりである。
(小沢副参事兼財務室長)
質問
その要因は何か。
(入江委員)
回答
令和5年度当初予算は、各病院、改革プランの収支差の目標を達成するために必要な収益と費用を積算し、過去の実績を踏まえ実現可能な患者数と患者単価を設定したものである。増減要因としては、がんセンターは令和5年度に病床数が増える見込みの中で結果として利用率が下がった。循環器病センター、こども病院については、プランの目標達成するための収益を見込む中で患者単価が増えると見込んだ一方で相対的に患者数は減少するとした。
(小沢副参事兼財務室長)
質問
8年ほど赤字が続いているが、累積欠損金の状況はどうか。
(入江委員)
回答
直近の決算値である令和3年度末の累積赤字は266億8千7百万円となっている。
(小沢副参事兼財務室長)
臨床研修医・レジデント等の定着状況について
質問
臨床研修医からレジデント、レジデントから正規の職員というように、県立病院群の研修医制度に基づいて採用する医師は、どのような数で推移しているか。
(入江委員)
回答
臨床研修医からレジデント医、レジデント医から正規医師への採用の人数の推移であるが、令和元年度からの状況で申し上げると、令和元年度については、同年度末に臨床研修を修了した8名のうち2名がレジデント医となっている。同様に令和2年度については、10名のうち1名が、令和3年度については、13名のうち1名が、令和4年度については12名のうち1名が、令和5年度にレジデント医になる見込である。
また、レジデント医から正規職員に採用となる人数であるが、令和元年度は、同年度末にレジデント研修を修了した5名のうち3名が正規職員となり、同様に令和2年度は6名のうち2名、令和3年度は11名のうち1名、令和4年度については、12名のうち5名が令和5年度に正規職員になる見込である。
(伊能経営管理課長)
質問
何年間か推移を追ってきたわけであるが、臨床研修医については、この間はだいたい定員がフルマッチで推移しているが、レジデント医まで定着している医師が非常に少なく、4年度においては対象12名のうち1名、レジデントから正規職員の採用は4年度が対象12名のうち5名となっている。ここをどう分析し、対応していくのか真剣に見ていかなければならないが、ご見解をお伺いしたい。
(入江委員)
回答
臨床研修医からレジデント医に、またレジデント医から正規医師に採用に至らなかったのは、それぞれの医師のキャリア形成に対する考え方など、個別の事情によるものであるが、県立病院におけるキャリア形成の選択をしていただけるように、今後とも県立病院の特徴を活かした魅力ある研修プログラムの構築や指導体制の充実を図っていく。
(伊能経営管理課長)
要望
個別の事情ということにまとめてしまえば、それ以上の対策はないわけであり、私はそうではないと思う。県立病院の臨床研修制度は他の病院に比べ大変処遇が良いし、また全国から集まってくると聞いている。やはり千葉で定着してもらうための何らかの制度の変更・見直しが必要ではないかと思う。千葉県民の税金で運営されているのであるから、そういう視点で研修制度の見直しも図っていただきたい。
(入江委員)
研修医制度における他医療機関との連携状況について
質問
県立病院群の研修制度の他の医療機関との連携が最近どのように進められているのか。
(入江委員)
回答
最近の他の医療機関、特に君津中央病院と国際医療福祉大学成田病院との研修制度における連携を申し上げると、臨床研修については、令和5年度から、佐原病院が国際医療福祉大学成田病院における内科、外科、救急部門及び地域医療研修の協力型臨床研修病院となる予定である。レジデント研修については、令和3年度から、君津中央病院が基幹研修施設となっている内科研修において、がんセンターが連携施設となっている。また、令和5年度から、こども病院が君津中央病院の小児科研修の連携施設に、佐原病院が国際医療福祉大学成田病院の内科研修の連携施設となる予定である。
(伊能経営管理課長)
要望
千葉県県立病院群の特徴として、専門高度医療に特化しているということがあって、内科や外科の医師の呼び込みが難しいということは常任委員会でもいろいろご議論をさせていただいたが、そうした中で、令和5年度においては佐原病院と国際医療福祉大学が連携して内科医や地域医療に関わる方々を研修医として呼び込み、募るということには、現場の先生方の努力に敬意を表したい。
先程議論させていただいたように、臨床研修がフルマッチでもレジデントとして残ってもらえない、またレジデントとして来ても半数以下の定着率で選んでもらえないということには、引き続き見直しであるとか、もっと県立病院に貢献してもらえるような人材確保に向けての方策があると思うので、個別の事情ということで終わらせるのではなくて、もっと今後見直しをしていただきたいということを重ねてお願いする。
(入江委員)
議案第46号 令和4年度病院事業会計補正予算
コロナ対応の影響
各病院における病床利用率・医業収益等について
質問
医業収益14億3,499万9千円の減額、医業外収益20億8,093万4千円の増額について、各病院における患者数や医業収益の変動を踏まえて、主な要因をご説明いただきたい。
(入江委員)
回答
医業収益の減について、主な要因としては、がんセンターで患者数の見込みが15,380人の減となる。要因としては臨時医療施設への職員の派遣に伴う休床が考えられる、続いて、こども病院で患者数が25,991人の減の見込みにより、約5億3千万円の減と見込んでいる。要因としては臨時医療施設への看護師の派遣による休床等である。また、佐原病院で、患者数が22,958人の減の見込みにより約5億4千万円の減となったが、これは、院内クラスターの発生による患者受け入れ調整の結果によるものが要因として考えられる。
また、医業外収益の増については、病床確保支援にかかる補助金を各病院で合わせて約19億3千万円を見込むなど、当初予算で見込んでいなかったコロナ関係を含めた補助金収入が約21億5千万円増としたことなどによるものである。
(小沢副参事兼財務室長)
質問
コロナの影響に大きく左右された補正予算であると理解するが、コロナの補助金の医業外収益により、患者が減った分の医業収益をカバーできているのか。
(入江委員)
回答
コロナ対応のため医療従事者と病棟を割いてコロナの感染患者を受けている。
コロナの感染患者の対応も医療提供であり、補助金という形ではあるが、医業収益の替えと思っている。
そういう意味では、コロナ患者の受入のために医療提供の形が変わり、本業の収入は下がったと理解している。
(山本経営戦略担当課長)
質問
コロナの影響については、公立病院でどういう影響があったか、国の医療経済実態調査で示されていた。
公立病院の21.4%が赤字だが、コロナの補助金を含めた場合は全体の平均収支が黒字に転じて、公立病院は7.3%が赤字となっている。
県立病院ではコロナについて新年度予算において考慮していないと理解しているが、どのように考えたらよいか。
(入江委員)
回答
県立病院の経営状況は大変厳しい。
これまでの県立病院の問題としてあげられることは、収支に見合う医業収益、それに伴いどれだけの費用がかかるかという、収支の考え方、意識が定着していなかった。
まずは通常医療に戻った場合に、どの程度の患者目標を設定しなければならないかということで5年度予算を編成している。
実際にコロナの感染患者の受入が始まった場合は、補正等において適宜実態を把握しながら、正確に補正を行うとともに、その中でも通常医療としてどれだけやっていかなければならないかを絶えずチェックしてまいりたい。
(山本経営戦略担当課長)
質問
令和4年度2月補正予算における病床利用率はどうなっているのか。
(入江委員)
回答
病院ごとでは、がんセンターが77.1%、救急医療センターが77.8%、精神科医療センターが91.8%、こども病院が56.7%、循環器病センターが58.8%、佐原病院が63.8%である。6病院全体では68.6%である。
(小沢副参事兼財務室長)
質問
依然として循環器、佐原といった地域医療を担当する病院においては厳しい。
また、こども病院においても、低い病床利用率はコロナによるものなのか、その前からも若干懸念はあったと思うが、その辺りはどうか。
(入江委員)
回答
こども病院においては、コロナ感染時に問題になったが、親御さんが感染させたくないということで受診を控えられたことが大きいと思う。
また、こどもについてはコロナ、ノロ、RSなどいろいろな感染がある中、感染対策を強化したため、入院を制限せざるをえなかったという事情はあると思われる。
(山本経営戦略担当課長)
要望
コロナの感染については先の見えない部分があり、病院経営も財政的に厳しいところがあるが、県民の命と健康を守る最前線にいる医療従事者をはじめ職員の方々の働き方、メンタルヘルスも含めてしっかりとやっていただいて、新年度に向けての体制づくりに取り組んでいただきたい。
現場への支援を重ねてお願いしたい。
(入江委員)
健康福祉部
議案第1号 令和5年度一般会計補正予算
(1)保健所の体制強化
- コロナ累計移行後の保健師・看護師の体制について
- 保健師の時間外勤務実態、療養休暇、中途退職、
採用状況について - 保健所職員のメンタルヘルスについて
質問
コロナ類型移行後、保健所における保健師・看護師について、今後の感染状況をどのように見込み、どの程度の派遣職員数を見込んでいるのか。
(入江委員)
回答
保健師・看護師の人材派遣職員数については、昨年夏とこの冬における最大の新規感染者数、1日当たり最大で1万人相当の発生に対応できるよう、最大で66人を確保する予算を計上しています。
なお、5月以降の派遣職員の配置に当たっては、今月に国から示される予定の段階的な移行の方針を踏まえて、必要数を精査してまいります。
(小川健康福祉部副参事)
質問
自治労の全国の保健所など約2千人の方にアンケートをした結果によれば、かなり職場環境の改善が必要な数値も見られましたので伺いたいと思います。保健所における保健師の時間外勤務の実態、療養休暇、中途退職等の状況はどうか。
(入江委員)
回答
保健所における保健師について、本年1月の月平均の時間外勤務時間数は11.5時間です。また、今年度、1月31日までに、1か月以上の療養休暇を取得した職員は13名、休職者は5名、中途退職者は1名となっています。
(岡田健康福祉政策課長)
質問
昨年度の今の時点と比べて改善されたのか。
(入江委員)
回答
まず、時間外勤務についてですが、令和4年1月の保健師の時間外勤務は月平均で39.1時間であり、今年は11.5時間でしたので、27.6時間減少しています。療養休暇を取得した職員について、昨年1月31日時点で比べると6名増加、休職者は4名増加、中途退職者は1名増加となっています。
(岡田健康福祉政策課長)
質問
先ほどご紹介いたしました自治労の調査によりましても、時間外は減っていてもコロナの感染の波が一段落するにつれてうつ的な症状がある職員が増加しているというようなデータもある。2020年度11月から12月が17%これが翌年には23%、そして今回調査した結果によると約 3割弱の保健師、看護師を含む職員の方がうつ的な症状があるというような調査結果も示されている。そして深刻だと思うのは「職場を辞めたいと思いますか」という問いに対して、「たまに思う」「しばしば思う」「常に思う」というこういったものを合わせると約72%が離職を考えているというような結果も示されているので、千葉県内の保健所に勤める専門職の方のメンタルヘルスも含めた環境がどうなっているか非常に気になるところである。そこでお伺いしたいのだが、保健師等の保健所の職員のメンタルヘルスについてはどのように取り組んでいるのか。
(入江委員)
回答
新型コロナウイルス感染症対応の最前線で働く保健所職員のメンタルヘルスを維持していくことは大変重要であると考えています。
このため、人材派遣の活用や委託などによって、まずは業務負担の軽減を図るとともに、上司からの声掛けなど所属内でのフォローやストレスチェック制度による検査、専門家による相談窓口の活用など、メンタルヘルスケアを徹底するように各保健所に呼びかけているところです。
(岡田健康福祉政策課長)
質問
「呼びかけている」ってことで、実際にどれぐらい各保健所で行っているかというところまでは今回は言及いたしませんけれども、引き続き今保健所の現場で頑張ってこられた正規職員の方々と派遣の方々が勤務される環境の改善に向けて現場任せではなく、どうなっているのかについて、しっかりと把握していただくようにお願いしたいと思う。
そこで本県保健師に関して正規の採用状況についてお伺いしたんですけれども、この 5年間コロナの前と後でどのように採用しているのかお伺いしたいと思う。
(入江委員)
回答
保健師の採用状況ですが、採用は試験を実施した翌年になりますが、令和元年度に実施した試験で採用した職員は8名、令和2年度に実施した試験で採用した職員は21名、令和3年度に実施した試験で採用した職員は20名、本年度に実施した採用試験で、基本的には今年4月以降になると思いますが、採用する職員はまだ確定していませんが、現時点では24名の予定となっています。
(岡田健康福祉政策課長)
質問
いずれも募集人数に達しているのか、いないのかということについてはどうなんでしょうか。
(入江委員)
回答
令和元年度以外は、募集人員に達していない状況になっています。
(岡田健康福祉政策課長)
質問
募集人員に達していないということなんですけども、具体的な数字でしっかりと明確にお示しください。
(入江委員)
回答
令和2年度実施分としては、募集人数29名のところ、採用数が21名、令和3年度実施分としては、募集人数27名のところ、採用数が20名、今年度実施しているのは募集人数30名のところ、採用予定数が現時点では24名となっています。
(岡田健康福祉政策課長)
要望
やはり、採用状況が非常に厳しいというのが今の数字から読み取れると思う。派遣職員を適時感染拡大時に配置していくことについては、そういった対応が必要だと思うけれども、そもそも正規の職員をどのように採用して専門性を高めて定着してもらうのか、根本的なところの対応がしっかり行われないと非常にこのままでは、県民の命の最前線の職場の人材不足ということについては、なかなか解消されてこない状況ではないかと思う。
2月議会の代表質問において、これから感染症法が改正されて、保健所の体制強化を予防計画の中にしっかりと位置づけていくことが決まりました。保健師や看護師等についてもしっかりとそういう計画に基づいて、中長期的な方針を持って採用、育成、研修していくことが必要だと思う。他に今年度の新たな調査結果でこういったことも検討されるというような話も聞きました。是非こういった専門職について処遇も含めた環境の改善とモチベーションを働く方が保ちながら、メンタルヘルスそういったことについてもしっかりと現場の職場の中で対応できるような体制づくりについて新年度取り組んで頂きたいと思う。
(入江委員)
(2)在宅医療
- 往診体制広域連携支援モデル事業【新規】
- 教育用訪問看護ステーション運営事業【新規】
質問
往診体制広域連携支援モデル事業が新規事業として盛り込まれているが、印旛保健医療圏域を対象とした理由は何か。また、県としてコロナ感染患者にかかわる往診事業を実施してきたが、そのニーズや対応状況はどうだったのか。本事業に活かしていくところはあるのか。
(入江委員)
回答
印旛保健医療圏は、県内9医療圏中、人口10万人当たりの往診実施医療機関数や訪問診療実施医療機関数が最も少ない地域であること等、事業実施の効果が高いと考えたものです。
コロナ対応については、昨年12月5日から運用を開始した「感染症医療調整センター」において、全県を対象に、24時間、往診を実施しており、2月末までに約1,750件対応してきました。
これにより、病床がひっ迫し、入院調整に時間を要する場合に、往診を実施することで自宅療養者への支援を強化することができたと考えています。
こうしたコロナへの対応は、地域の医療機関だけでは対応が難しい場面であっても、他地域からも応援を得ることで、必要な医療の提供が行われた実例と言えると考えています。
新たなモデル事業では、平時の在宅医療においても、広域的な連携体制を確立・活用することで、在宅医療提供体制の一層の充実を図ってまいります。
(岡田健康福祉政策課長)
質問
この事業については単年度の実施なのか、どのような見通しをもっているのか。
(入江委員)
回答
モデル事業なので、3年程度継続実施して効果を見ていきたいと考えていますが、まずは初年度やってみてというところでございます。
(岡田健康福祉政策課長)
質問
在宅医療に関連して、教育用訪問看護ステーション運営事業についてうかがいたい。
県内の訪問看護ステーションの設置状況について、人材不足等により休止や地域格差があると聞いているがどうか。また、この事業の効果をどのように見込んでいるのか。
(入江委員)
回答
県内の訪問看護ステーションの設置の状況ですが、近年、ほぼ一貫して増加していますが、休止する事業所も一定数あり、令和4年度4月からこの2月末までにかけて休止届が出された事業所は、政令・中核市を除き11件、その理由は、いずれも人員不足によるものとなっています。
また、地域差ですが、設置数そのもの、また高齢者人口当たりで見ても、千葉や東葛南部などの都市部では比較的多く、それ以外の地域では少ないという傾向にあり、一定の地域格差が生じている状況です。
(田中高齢者福祉課長)
回答
本事業では、県内2箇所において、機能強化型訪問看護ステーションなどの大規模な訪問看護ステーションを教育用訪問看護ステーションと位置付け、人材育成のノウハウ等が不足している小規模な訪問看護ステーションに対して研修を行うとともに、地域のネットワークを構築してまいります。
本事業により、訪問看護師の技術力の向上や職場定着が図られるものと考えています。
(江口医療整備課長)
質問
いただいた資料でも、訪問看護ステーションの数は増えているが、機能強化型については増えていないように思うので、その点を確認したい。
(入江委員)
回答
機能強化型訪問看護ステーションの平成30年度と令和3年度との比較になりますが、26か所から33か所へと、十分とはいえないかもしれませんが、増加はしています。
(田中高齢者福祉課長)
要望
在宅医療を進めるためには、往診等に対応できる医療機関と訪問看護ステーションの両方を充実させていかないといけない。しっかりと、新年度予算で、県内の体制づくりの強化に向けて執行していただきたい。
(入江委員)
(3)周産期医療
- 周産期母子医療センター医師確保事業【新規】
- 周産期母子医療センターにおける課題について
質問
周産期医療について伺う。
新規事業に、周産期母子医療センター医師確保事業、800万円が計上されている。本事業のねらいと具体的な進め方はどうか。
二点目として、県内の周産期母子医療センターは12か所あるが、この現場の課題をどのように捉え、新年度、どのように取り組んでいくのか。
(入江委員)
回答
一点目のねらいと進め方についてでございます。
本事業は、24時間365日、患者を受け入れる周産期母子医療センターが、令和6年4月以降の医師の時間外勤務の上限規制適用開始後においても、安定的に運営できるよう、周産期母子医療センターでの勤務に必要なスキルを持つ医師を養成しようとするものでございます。
具体的には、たとえば新生児医療であれば、普段、新生児医療に従事しない小児科医が実際に周産期母子医療センターで勤務しながら新生児医療に必要な実践的な研修をする場合などに、県から、研修に要する費用と、研修期間中の代替医師の確保に要する費用を助成するものでございます。
続きまして、県内周産期母子医療センターの課題のことです。
千葉県内の分娩件数は減少傾向にありますが、一方で周産期母子医療センター等が、救急対応を要する母体搬送を受け入れた件数は、近年1,000件前後と、ほぼ横ばいで推移していることから、分娩件数に対する救急対応が必要となる割合は、微増傾向にあると認識しております。
このため、県では、周産期母子医療センターの運営費補助や施設設備整備費補助などの支援を行うとともに、県内医療機関と連携し、母体搬送ネットワーク連携病院を含め、ハイリスク分娩等に係る母体搬送コーディネート業務を実施しているところです。
県としましては、引き続き、受入れ困難なハイリスクの妊婦を円滑に搬送できるよう、周産期医療体制の整備に努めていきます。
(江口医療整備課長)
質問
先ほど、聞き漏らしたかもしれないが、この事業において何名のドクターの方が研修を受けるのかということと、併せて、周産期医療専門医という専門医は存在しない、県内の産科・婦人科の医師数が全国的にも千葉県は少ないと聞いているが、どのように周産期医療に関わる専門医の方を県の取組として増やしていくのか詳しく教えていただきたい。
(入江委員)
回答
一点目のこの事業において育成する医師の数ですが、3名程度を予定しているところでございます。周産期医療の医師の確保については、周産期母子医療センターは24時間365日対応ということになりますので、医師の確保は非常に大切なことというのは委員御指摘のとおりでございますが、今後新しい事業も含めて進めてまいりたいと考えているとともに、今、周産期母子医療センターの方々といろいろ意見交換をしているところでございますので、課題認識を踏まえて今後必要な対応を取ってまいりたいと考えています。
(江口医療整備課長)
要望
事前の聞き取りの際は、県内の産科又は産婦人科医は450人と、大体周産期母子医療センターに勤めている方はその3分の1とか4分の1という人数だったかと思う。そしてまた、時間外労働の縮小ということで、令和6年度から働き方改革が始まるが、周産期医療の現場は、一番過酷な労働環境にあると言っても過言ではない。そういった中で、少子化の中でも、周産期医療を必要とする一定数のニーズもあると伺ったので、是非、少子化対策、今回の新年度予算で特別力を入れていくというような考え方も示されているが、周産期医療について、12ある各センターの状況をしっかりと把握して、県の政策としてしっかりと対応していただきたい。昨年度県内で生まれた赤ちゃんの数が戦後最小だったということも明らかになっているので、引き続き予算の拡充も含めた対応をお願いしたい。
(入江委員)
(4)がん対策
- 若年がん患者在宅療養支援事業【新規】
質問
今回、新たに創設された若年がん患者在宅療養支援事業について、1点目として、どの程度のニーズを見込んで予算計上したのか。2点目として、市町村への助成制度となっているが、市町村への働きかけをどのように行っていくか。
(入江委員)
回答
1点目について、昨年度に実施していた千葉市と浦安市の実績を参考に、また今後、他の市町村においても同様な制度が創設された場合にも対応できるように、一定の余裕を見込んで算出したところです。
具体的には、2市の実績から、対象者を60人、亡くなるまでの助成月数を平均2月、それから市町村の平均的な助成月額を、これは実態と若干異なっていますが、市町村の助成上限額である5.4万円として、県の補助額として300万円を計上したところです。
2点目について、この制度はあくまで市町村が対象となるがん患者に助成した場合に、当該市町村に対して助成額の2分の1を、1人当たり月額2万7千円を上限として県が補助するものです。
現在、昨年度に実施していた千葉市と浦安市に加え、今年度から柏市と南房総市が新たに助成を開始していますが、県としては、できるだけ多くの市町村において同様の制度が創設されることを期待しているところです。
このため今後、市町村のがん対策担当者向け会議の場や、県として制度を開始する際に作成予定である啓発資材、これはカードサイズでQRコード付きのものを予定していますが、その市町村を含む関係機関への配布時、あるいは翌年度の予算編成に向けた市町村の要求状況に対するヒアリング時など、様々な機会を通じて、市町村にこの制度の周知を図っていきたいと考えています。
(井本健康づくり支援課長)
要望
是非この制度を必要としている方々に活用してもらえるよう、県として広報等に努めてもらいたい。また、本来ならば国が実施すべき事業とも考えられるので、そういった観点からも、住んでいるところで受けられるサービスが違うということが起こらないように、国への働きかけも併せて行ってもらいたい。
(入江委員)
(5)高校生の居場所づくり・相談支援
- 課題を抱える高校生の居場所設置・相談支援事業
質問
最後に5点目として、高校生の居場所づくり・相談支援について、お伺いする。この事業については、今年度から新しくスタートした事業となっているが、実施状況と成果・課題をどのように捉えているのか。また、令和5年度の新年度予算では倍増となっているが、どのように展開していくのか。
(入江委員)
回答
今年度の実施状況は5校で月1回程度平日の放課後に開催しており、50回を超える開催を予定しています。2月末時点で49回が終了している状況です。
成果としては、生徒本人や家族の自覚はないものの、相談の中で障害が疑われ、市町村の障害福祉担当課に繋ぎ、障害者手帳の取得に至った事例などがあります。
課題としては、最終的に各学校が自ら運営していけるようにするために、今後地域の団体等との連携の道筋をどのようにつけていくのかがあります。
今後の展開については、令和5年度は、今年度の5校に新たに5校を加え、計10校で実施することを予定しており、現在委託先である中核地域生活支援センターや教育庁と調整を進めているところです。
(始関健康福祉指導課長)
要望
非常に成果を上げていることがわかった。福祉と教育の連携については、近年よく聞かれるが、高校生世代への公的・福祉的な支援は少ない。義務教育を卒業した後の若者支援については社会的な課題でもあり、今回は県立高校と連携しての若者支援だが、引き続き公的な手が差し伸べられていない若者世代への支援についても、他の事業展開も含めて整理、研究、検討していただきたい。
(入江委員)