札幌視察(その3)
今回の視察のもう一つのテーマは、地域医療。
10日(木)午後2時から、北海道庁で医師確保や道立病院の取り組み
について、保健福祉部医療政策局地域医師確保推進室と道立病院室の
ご担当にレクチャーしていただくことになっています。
「ゆい」の視察を終え、道庁に到着したのが、ちょうどお昼前の11時半ごろ。
「道庁の食堂が美味しい」との情報をゲットし、一同最上階に向かいました。
高橋食堂(知事の名前を採用?)では、バイキング形式でお惣菜を選びます。
ご飯のお替り自由で小プレートが650円、大プレートが750円とリーズナブル
で、12時を回ると行列ができていました。
煮物、揚げ物、サラダと味も栄養バランスも良く、人気の理由が分かりました。
食事後、空き時間を利用して、赤レンガ庁舎へ。
中へ入ると文書館や資料室があり、とりわけ第2次世界大戦終戦直後の
旧ソ連軍による樺太侵攻のすさまじさと犠牲になった日本人の様子が克明に
展示されていました。
沖縄と比較してまだまだ知られていない歴史の事実が多くあります。
お約束の2時前に同議会棟に着くと、見慣れないグッズが。
どうやら、くつ磨き器のようです。
Oさんの美しいおみ足をモデルに、シャッターを切りました。
雪道で泥だらけになった靴をきれいにする北海道ならではのマスト商品?
本題に戻りますが、北海道の医療資源は我が千葉県と比べてもはるかに
良く、22年における人口10万人あたりの医師数も218人となっています。
この年に全国平均219人を下回りましたが、それまでは平均レベルを維持。
一方、千葉県はなんと159人で全国45位のワースト3位。
北海道は面積が広いし、過疎化はおろかへき地と呼ばれるところもあったり
するのに、なぜ千葉よりがんばれているのだろうか、という素朴な疑問があり、
視察前に北海道の取り組みを調べました。
道庁ホームページの情報も充実していて、アップされている情報にひと通り
目を通しましたが、結論として、「オール北海道」でがんばっている!!
知事公約でもある医師確保に力を入れ、地域医療を守るために
関係セクターと連携している様子が分かりました。
H17年発足の北海道医療対策協議会が2年後に高橋知事をトップに
バージョンアップし、医師派遣連絡調整分科会、地域医療を担う医師養成
検討分科会、自治体病院等広域化検討分科会を設置し、具体的な取り組みが
進められています。
また、今年2月には、当協議会が国に対して「医師確保のための提言」を
行っています。
道内の3つの医育大学(北大、旭川医科大、札幌医科大)、医師会や看護協会、
自治体病院協議会、北海道市町村長会など、さまざまな関係セクターと
意見交換し、取りまとめたものです。
国の反応はと尋ねると、「受け取っておきます」という感じとのこと…。
それでも、素晴らしいではないか。
また、看護師・准看護士、保健師、助産師すべてにおいて、10万人あたりの
就業者数は、全国平均を上回っており、年々増加傾向にあることも驚きです。
効果的な政策が進められてきた証拠です。
この他にも北海道には、29年度を最終年度とする10年間の医療計画が
あります。
この計画は、「保健医療福祉計画」の医療分野の個別計画ですが、
千葉にはまだ(?!)ありません。
今年度がこの計画の見直し年次にあたっているので、このことを含めて
いろいろと担当課にお聞きしたかったのですが、残念ながら具体的な話は
聞けませんでした。
なぜかというと、説明してくださった職員が
「今年4月に移動してきたばかりなので、よく分かりません」とのこと。
そうであるならば、答えられる職員に対応していただきたかったです。
とても残念でした。
道立病院については、道内7つの病院のすべてが赤字で大変!とのこと。
22年度は一般会計からの繰り入れを73億円近くしているが、収支不足額は
13億円で、実質的には86億円の赤字。
また、北見病院は心臓血管外科医が高度専門医療を行っているが、
一般病床が130床のうち38床しか運用されていない。
羽幌病院は120床のうち45床の運用となっているが、赤字不採算といっても
離島を抱えており、地域医療を守る砦となっているなど、千葉県よりも
厳しい課題を抱えています。
4年前に「北海道病院事業改革プラン」を打ち出し、指定管理者制度導入など
経営形態の見直しを検討しているとのことですが、引き受け手が見つかること
は難しいでしょう。
地域医療を守るためには、何が必要か?
視察最終日の11日(金)に医療法人「北海道家庭医療学センター」を訪ね、
その答えを探ってきました。
~この項は改めて~