児童相談所を訪ねて(その2)
8月21日(火)
中央児童相談所を後にし、千葉から総武線に乗り、本八幡駅で下車。
児童家庭課の曽我部副課長の先導で、市川児童相談所に到着。
おかげさまでぎりぎり約束の時間に間に合った。
こちらは先ほどと打って変って、新しく立派な建物。
8年前に新築移転したようだ。
西村所長が市川児童相談所エリアの実情について、
詳しく説明してくださった。
こちらのエリアは、船橋、市川、鎌ヶ谷、浦安の4市で、
都市部の人口密集地域を担当している。
特に児童虐待については、7月31日現在369件で、
前年度同時期の208件と比較して急増している。
昨年度は1年間で673件だったが、このままでは1000件を超えてしまうかも
しれないとのこと。
特に衝撃だったのは、DVが関係する相談件数が今年度4か月間で86件。
昨年度は1年間で98件だったということからも、深刻さがうかがえる。
DⅤは子どもにとっても深い心の傷となり、心理的な虐待となる。
DⅤは個人的な原因はさることながら、貧困の拡大、孤立化する育児など
社会経済的環境の悪化が背景にあることも忘れてはならない。
だからこそ、子どもや弱い者がはけ口となることを社会的に何とか
しなければならないのだ。
館内を案内を案内していただいた。
ここは、子どもたちのプレイルーム
トランポリンをはじめ、いろいろな遊具があり、明るい環境。
次は、隣り棟にある一時保護所の様子を見せていただいた。
現在、20名の子どもたちが24時間こちらで生活している。
22年度は虐待で入所している子どもが56%、
非行による子どもが16%とのこと。
年齢的にも乳幼児から19歳の大きな子どもまで、こちらで生活している。
さまざまな境遇の子どもたちが同じ屋根の下で暮らし、
それを支える職員の方々のご苦労はさぞかしだと思う。
一時保護所から学校へは通えないので、午前中はこの部屋で勉強をして
いるそうだ。
中には1年間もこちらで暮らしている子どももいると聞いたが、
当たり前に学校に通ったり、友達と遊べる日常生活から切り離された
子どもたちはどんなに不安なことだろうか。
大変な生活を送っている子どもたちにより良い生活環境を提供し、
最大限にサポートすることが社会的役割だと改めて感じた。
市川の施設は街中の住宅街にあるため、屋外のスペースが狭い。
こちらの中庭では小さい子どもたちが遊び、敷地内の外周をマラソン
の練習で走る子どももいるそうだ。
暑い一日、小さい子どもたちがビニールプールで遊んだのだろう。
物干し竿には濡れた水着がかけられていた。
全ての子どもたちに幸せな子ども時代を過ごさせてあげたい。
この思いは思想信条、党派を超えて共有できるものだと思う。
2つの児童相談所にお邪魔し、現場で奮闘しておられる様子を
つぶさに拝見し、大変勉強になりました。
職員の皆さん、ありがとうございました。