佐賀県オフサイトセンターへ
8月24日(金)
玄海原発を後にし、唐津市にあるオフサイトセンターに到着。
オフサイトセンターは、99年に東海村で起きた臨界事故をきっかけに
全国の原発の周辺に設けられ、政府や自治体、自衛隊や警察など
関係機関が現地に集合し、原発事故の対応や住民の避難方法を決めるなど
具体的な対応にあたることになっていた。
しかし、福島第一原発から5キロ離れたオフサイトセンターでは、
地震発生直後の停電や事故後の放射線量の上昇などで機能せず、
事故から5日目には現地対策の拠点が福島県庁に移されている。
オフサイトセンター(原子力防災センター)の正式名称は、
緊急事態応急対策拠点施設。
建物は自治体所有だが、このなかに経産省原子力安全・保安院の
玄海原子力保安検査官事務所がある。
原子力防災専門官の岡野副所長がセンターの役割について説明し、
館内を案内してくださった。
全体会議が開かれるエリアには大きなスクリーンが2面あり、
首相官邸、経産省、佐賀県庁、玄海町を結んでテレビ会議が開かれる。
福島原発事故では、政府が東電との統合対策本部を東京に設けて指揮し、
福島のセンターは機能しなかった。
そのため、経済産業省原子力安全・保安院は、オフサイトセンターの
役割を見直し、住民避難や放射線量の測定などに特化させるとの案を
まとめた。
8月中に正式決定し、9月に改正される予定の原子力災害対策特別措置法
に盛り込まれる見通しとのこと。
9月以降は、新たに発足する原子力規制委員会がその役割を担う。
明快な説明に加え、率直を通り越したぶっちゃけトークの岡野副所長。
「福島の時は、国は現場の専門家の意見は聞いてくれなかった」
「事故は起こらないとの前提で考えていた」などなど
信じられない発言が…。
ご自身は海上保安庁の出身で専門は危機管理とのこと。
緊急時迅速放射能影響予測システム、いわゆるSPEEDI情報の
共有化についてはこれまで10km範囲内だったのを50km圏内を
検討中だそうだ。
これについても「ただの参考情報。信用しすぎないこと」との評価。
それではいったいどのような計画をつくり、数万、数十万単位の住民を
避難させられるのだろうか?
安全性を確保するためには、原発をなくすしかない。
それが唯一無二の方法だ。