まとめて1週間

春は「別れと出会い」の季節。
先週は13日(水)と15日(金)に地域の小・中学校の卒業式に
お招きいただき、お祝いに駆け付けた。

中学校では、息子たちの友達の妹さんや弟さんが少し見ない間に大きく
成長している姿を目にし、感無量。
ひとり一人の子どもたちに声をかけながら、卒業証書を渡す校長先生たち
も胸いっぱいの様子がうかがえ、教育者冥利に尽きる瞬間ではないだろうか。

14日(木)は、衆議院第二会館で開かれた「市民政策提案フォーラム」に
参加し、政策形成とシンクタンク、とりわけ市民セクターの強化に向けて
パネリストの方々のお話をお聞きした。

右から、コーディネーターで徳島大学の樋口直人さん
情報公開クリアリングハウスの三木由希子さん
市民がつくる政策調査会代表理事で早大の坪郷實さん
衆議院議員・民主党副幹事長の辻本清美さん
連合総合生活開発研究所の龍井葉二さんと茨城大の稲葉奈々子さん。
市民政策提案フォーラム
政策づくりにおける市民間での合意形成の難しさ、めざすべき社会像の
共有化、産官業学という利益共同体の岩盤を崩す戦略の必要性など、
さまざまな観点からディスカッションが展開された。

社会経済の変化に対して、政策や制度が追いついていない。
国のあり様を変えるためにはトップダウン型のお任せ民主主義から
脱却し、自治体レベルで政治を変えることが近道なのではないかという
結論めいたものは見えた。

15日(金)午後から、稲毛区にある子どもと親のサポートセンターを
会派メンバーで訪問。
県教委の出先機関になる当センターでは、教育相談や教員向けの研修や
支援事業等が行われている。

今回訪れた目的の一つは、この日で実質的な事業廃止となる
「サポ☆広場」を見学するためである。
不登校の子どもたちの居場所づくりとなっているこの事業の企画運営を
不登校経験者である若者やその保護者が臨時職員として担ってきた。
ところが、昨年の暮れ、今年4月の新年度からは「もうこなくていい」と
雇い止めを通告され、2月議会で現体制での事業継続を求める請願が
提出されたのだ。

経験者であるからこそ、目の前にいる子どもたちや保護者の気持ちを
心底理解し、一緒に悩み、語り合うことで当事者に寄り添った支援が
行われてきた。
効果的な事業が十年来行われてきたことは、評価されている。
だからこそ、文教常任委員会でも不登校経験者である嘱託職員の継続を
求める声がいろいろな会派からあがっていた。
この請願は2月議会ではただちに採決せず「継続」となり、
6月議会で再び審議の俎上にのぼる。
しかし、不登校経験者による事業継続は打ち切り、今年3月末までと
いうことになる。

子どもたちとは別室で開かれている親・保護者の会
子どもと親のサポートセンター
十数人のお母さんたちがテーブルを囲み、静かに語り合っている姿を
目にした。

どのような分野でも当事者同士の交流が課題解決の原動力となることは
疑いがなく、保護者にとっても心強い居場所となっていた。
県担当者は市町村や民間NPOによる居場所づくりが進んできたとし、
不登校経験者らによる企画運営は役割を終えたと予算カットの判断を
したとのこと。
しかし、県内でどのような活動が行われているかの実態はきちんと
調査されていない。

一方で、県教委の役割は「子どもたちを学校に復帰させること」という
考えを明確にしている。
これでは従来どおりの「不登校対策」ではないか。
子どもを物理的に学校に戻すことが最終目的であるならば、子どもの
心に寄り添い、その子どもの将来を見据えての支援などできるはずが
ないと思うのだが…。

新年度の予算編成方針では、事業費の一律10%カットが示された。
今回、嘱託職員4名の雇用打ち切りで年間200万円削減となるが、
単に経費削減ありきの視点で切りやすいところから切るということで
あれば、県民は納得しない。
この事業が不登校の子どもや親たちにとって大変意義があることは、
3000筆を超えるこの間の署名数が証明している。
誰のための何のための事業か、もう一度しっかりと考えてほしい。