令和5年9月定例県議会 健康福祉常任委員会 審議状況 病院局/健康福祉部(入江質疑箇所)

令和5年10月5日(木)

なお、質疑要旨は正式な議事録ではありません。

病院局

議案第5号 千葉県特別会計病院事業会計補正予算

がんセンターの施設整備について

質問

債務負担行為が組まれているが、全額一般会計からの負担金を受け入れることでよいか。底地利用について、知事部局との権利関係はどうなっているか。

(入江委員)

回答

債務負担行為部分については、一般会計からの負担金を受け入れる予定である。底地利用の権利関係については、今後知事部局と協議してまいりたい。

(新村副参事兼財務室長)

諸般の報告・その他

県立病院の医事業務委託について

質問

各県立病院において医事業務が委託されているが、直近に行われた入札契約の状況はどうか。併せて、総合救急災害医療センターの医事契約の予定価格と落札額、落札に至る経緯を教えてもらいたい。

(入江委員)

回答

直近に行われた入札の契約状況については、5病院の平均落札率は93.6%であり、応札事業者については総合救急災害医療センターが2社、それ以外が1社であった。総合救急災害医療センターの入札経緯については、予定価格は税抜きで2億1585万8859円に対し、落札額は税抜きで1億4960万円である。

落札に至る経緯については、令和5年4月24日に一般競争入札として公告し、5月31日に開札した。開札の結果、最低入札価格が調査基準額を下回ったため、落札者の決定を保留し、低入札価格調査を行うこととした。低入札者から報告書の提出や事情聴取を行い、6月30日に低入札価格審査委員会を開催し、調査結果を審査し、「失格判定基準に該当しない」との判断になり、落札者と決定した。

(山崎経営戦略担当課長)

質問

新病院の落札率と、医事業務の人員体制について教えてもらいたい。

(入江委員)

回答

医事業務の人員体制については、総配置人数は33名で、医事業務が24名、クラークが9名である。また、新病院の落札率は69.3%である。

(山崎経営戦略担当課長)

質問

令和3年から4年の契約では、6病院で98.0%の落札率であった。救急医療センターと精神科医療センターについては、99.9%という入札結果であった。

今回の契約では、69.3%という低入札であったが、なぜ落札率が低くなっているのか。どこの経費を節減等して、このような数字になったのか。詳細について教えてもらいたい。

(入江委員)

回答

なぜこのような落札金額でもできるのかという御質問であると思う。低入札価格審査委員会においては、どのくらいの人数を確保しているのか、その人たちの経費についてどのような積算をしたのかを確認している。そこについては、適切な価格が確保されているとの判断となっている。私どもの積算から大きく下がっていることについては、業者の営業努力であると考えている。

(山崎経営戦略担当課長)

質問

営業努力という一言では、到底納得はできない。ここで契約書の内容に踏み込むことはできないが、これから何処かで影響が出てくるものと考える。

医事業務の人数について、精神科医療センターでは4名、救急医療センターでは19名の体制となっている。総合救急災害医療センターでは、1名だけ増えた24名になると聞いている。業務を遂行する能力については、書類上の人数ではなく、総合的に勘案して行動計画も見ていく必要がある。この点については、後ほどの質疑で聞くこととする。

全体的な医事業務についての質問であるが、各病院における業務委託契約書では、適正な医事業務の実施に向けて、監督職員による履行状況調査、契約不適合責任、業務改善命令、賠償責任等の規定が盛り込まれ、一義的には病院現場がチェックすることになっていると承知している。一方、病院局で社会保険や国民健康保険に診療報酬明細書請求を行った際、記載内容に対して不備や誤りがあった場合に差し戻されるレセプト返戻率や減点率について、各病院から報告を受けているとのことである。令和3年度、4年度における各病院の減点率や返戻率の状況はどうか。

(入江委員)

回答

減点率は、がんセンターの令和3年度が0.3%、令和4年度が0.2%である。救急医療センターは、令和3年度4年度ともに、0.6%である。精神科医療センターは、令和3年度4年度ともに、0.02%である。こども病院は、令和3年度が0.2%、令和4年度が0.3%である。循環器病センターは、令和3年度が0.5%、令和4年度が0.6%である。佐原病院は、令和3年度が0.1%、令和4年度が0.2%である。

一方、返戻率は、がんセンターの令和4年度が2.5%である。こども病院は、令和3年度が6.8%、令和4年度が5.8%である。循環器病センターは、令和3年度が4.9%、令和4年度が3.9%である。佐原病院は、令和3年度が1.7%、令和4年度が2.3%である。

なお、救急医療センター、精神科医療センターとがんセンターの令和3年度については、月別の数値のみで、年度での集計をしていない。

(山崎経営戦略担当課長)

質問

今、各病院の返戻率の説明があったが、救急医療センターと精神科医療センターについてはまとめた数値が手元にないとのことである。事前の聞き取りを行った資料が手元にあるが、精神科医療センターと救急医療センターについては令和2年度から全く報告されていない。これは義務的なことではなく、月ごとに各病院でそういった数値がありますよということだが、病院局本局としてしっかりと見ていく必要があるのではないか。それから、これらの数値がどういうことを意味しているのかを、分かりやすくかみ砕いて説明してほしい。

(入江委員)

回答

それぞれの数値の説明だが、返戻率から説明する。

毎月、病院の方から診療報酬を請求しているが、支払機関で審査を行い、もう少し詳しい情報が欲しいというものについては、ただちに支払いませんというものが返戻であり、先ほどの返戻率は請求した額と返ってきた額の割合である。

減点率については、請求した結果、返戻も含めて、最終的に支払機関のほうから支払いができませんということを言われた金額を分子として、請求した金額を分母として計算したものである。

減点率については、社会保険の最新の千葉県平均が約0.3%であり、DPCでない病院、救急や高度専門医療を行っている病院については、診療行為が過剰になっているとの査定を受けて減点される割合が高い傾向にある。

返戻率は、診療報酬データをオンラインで提出しており、システムでのチェックがかかることから、事務的なミスによる返戻は減っており、診療内容に関する再調査により戻されるものが多くなっている。

(山崎経営戦略担当課長)

質問

減点率、返戻率についての数値は、病院の経営に非常に大きな意味を持っているということである。

一部の県立病院の現場の方から私の方に情報が届いた。医事業務の委託先によるきわめて質の低い診療報酬請求が2年以上継続され、改善されない結果、多額の請求漏れや保険審査における診療報酬支払額の減額など医療機関としての信頼を揺るがしかねない状況が続いているという情報提供があった。令和3年度において半年余りで1000万円を超える算定漏れが発見され、後日再請求が行われた病院があるという情報もあった。そこで伺う。委託業者の医事業務のチェック体制はどのように行われているのか。

(入江委員)

回答

医事業務のチェックについての質問だが、まず、毎月の診療報酬請求にあたり、月の請求金額、請求件数、請求できなかった件数などをチェックしている。請求保留となった案件は、速やかに請求できるように、台帳等で管理し、事務局でその後の請求状況をチェックしているところである。また、査定、返戻となった案件については、院内の保険診療委員会等に報告し、委員会で理由を分析し、対応や改善について議論している。

査定・返戻となる理由の多くは、病名不明・症状の説明、病状詳記といわれるものだが、それらが不足しているとの指摘が多く、こうした指摘については、委員会や診療部長等を通じて、担当医師に対応を求めているところである。

(山崎経営戦略担当課長)

質問

定期的に院内の監査を実施して請求漏れの有無、誤った請求の調査や査定・返礼の分析を行うことが、請求事務の制度を有効に維持するために有効であるとの観点で、過去において、県立病院においても院内監査を行っていたと聞いている。その点について説明は無かったが、県はいつからいつまで院内監査を行い、それはどのような目的で実施していたのか。

(入江委員)

回答

院内監査については、医事業務を委託している事業者とは別の医事事業者に依頼をして、抽出的に誤りがないかという観点で行っていた。本業務については、平成25年から令和元年度にかけて行ったところである。令和元年度まで行ったところだが、大きなミスは認められなかったため、現在ではこうした調査を行っていない。

(山崎経営戦略担当課長)

質問

令和元年まで行い、大きなミスは無かったので、止めているとの話であった。院内監査は、がんセンターにおける医事業務の様々な請求ミスが背景にあって始められたと承知しているが、もう一度、その有効性を改めて考えるべきであると思う。事業を再開する必要性についてどのように考えているのか。

(入江委員)

回答

先ほど申し上げたとおり、令和元年度までの調査で大きなミスは見られないということで、事業を一旦打ち切ったところである。大きな請求漏れがあるという委員の御指摘もあるので、そうした状況を鑑みて、事業を再開するか検討していきたいと思う。

(山崎経営戦略担当課長)

質問

今後の対応について、3点お願いしたいのだが、見解を伺いたい。1点目として、各病院における医事業務が適切に行われているのかを総点検させて、その状況や課題について病院局として把握すること。

2点目、11月オープンの総合救急災害医療センターについては、別事業者による監査や本局による指導を強化する必要があると思うがどうか。

3点目として、次の入札、令和7年度からの入札に向けて、契約内容のあり方について精査して、適切な医事業務が行われる仕様とするよう研究していただきたい。

この3点について見解をうかがいたい。

(入江委員)

回答

まずは、各病院の医事業務における総点検については、現状において私共の方では院内でしっかりとチェックしているものと考えている。一方、委員からありました大きなミスもあるとのことなので、状況を確認したうえで、総点検を考えていきたい。

総合救急についても、状況を見ながら、必要に応じて指導をしていきたい。

3点目、次期入札に向けての契約内容のあり方、精査についてだが、状況等を確認した上で、必要に応じて対応を考えていきたい。

(山崎経営戦略担当課長)

要望

対応に前向きなところと、慎重なところがあると思った。私に情報を寄せて下さっている方から、次のような声をいただいた。

請求漏れや保険審査による診療報酬支払い額の減額が、経営に直接的なマイナスの影響を及ぼしている。また多くの算定誤りにより、実績が正しく算出されないことで、医療機器の購入や保守、業務量に見合った人員の確保等が認められず、医療の質や安全性にまで影響が及んでいる。患者さんに渡る診療明細書や、診療内容が事実と異なり、保険点の受領に際して不利益の生じる可能性がある。診療事実と異なる請求、算定要件を満たさない請求等が不当請求にあたり、監査や個別指導で指摘を受けた場合には多額の返金が生じ、地域や患者さんの信頼を著しく損ねる事態となる。ということだ。

先ほど山崎担当課長からは、しっかりと現場でチェックをしていると思うという話であったが、思うのではなく、この際、総点検を行ってもらいたい。また11月からオープンする新しい病院については、医事業務で最初からつまずかないように、しっかりと第3者の目も入れて病院の経営に関わる医事業務を本局としてもフォローする、そういった姿勢で臨んでいただきたい。

(入江委員)

健康福祉部

議案第1号 令和5年度千葉県一般会計補正予算

小児救急電話相談事業、救急救命センター運営費補助について

質問

小児救急電話相談事業について近年の相談件数の推移はどうか。また、119番要請や即時受診等を勧めた割合はどのようになっているのか。

(入江委員)

回答

直近3年間の実績では、令和2年度が 29,080件、令和3年度が 39,483件、令和4年度が 48,430件です。また、119番要請等を進めた割合は、令和4年度の実績で 119番要請が全体の約 1.4%、受診のために医療機関を紹介した割合が約 24.8%となっています。

(井本医療整備課長)

質問

【午前 18:45〜 ※音声データにおける時間を記載】

相談件数が増加傾向にあることについて、どのように分析しているのか。また、事業の効果についてどのように評価しているのか。

(入江委員)

回答

相談件数が増加傾向にあることについて、先ほど足元3年間の実績をご説明したところですが、コロナ前の平成 30年度は 41,000件を超え、翌令和元年度も 43,000件を超える実績がありました。これが令和2年度に大幅に減少したことについてはコロナの影響も推測されますが、詳細な分析には至っていません。いずれにしても、コロナ前の令和元年度を上回る利用が令和4年度に確認されているところであり、基本的には本事業の県民への認知が進んでいるものと考えています。

事業の効果については、119番要請や即時受診をすすめた割合以外の部分、すなわち約7割程度の部分は、看護師による助言や相談のみで対応が済んでいることから、本事業において不要不急の受診が減らされ、小児救急医療体制の負担軽減に効果を上げていると考えています。

(井本医療整備課長)

質問

改めて事業の効果を認識することができた。相談時間を2時間延長することについて、評価できる。回線数については現状より増やすのか、そのままか。

(入江委員)

回答

電話の回線数については、現状の3回線を維持したいと考えています。

(井本医療整備課長)

要望

件数の推移等を見て、今後の対応を考えておいていただきたい。

(入江委員)

質問

救命救急センター運営費補助について国・県から 2/3補助とのことだが、運営費の補助基準はどのようになっているのか。また、県内における救急救命センターの指定状況はどうか。

(入江委員)

回答

救命救急センターの運営費の補助基準については、救急の専用病床を 30床以上運用する場合は、年額で 171,675,000円、20床を運用する場合は、 124,897,000円など運用するベッド数に連動して補助基準額を定めている部分があります。加えて、ドクターカーの運用や、心臓病や脳卒中の専門医を専任で確保する場合などに、別途加算がなされています。

また、県内における救命救急センターの指定状況については、令和5年9月1日付で、東京ベイ・浦安市川医療センターを県内 15か所目の救命救急センターとして新たに指定したところです。これにより、県内の救命救急センターの専用ベッド数として、合計 512床を確保しているところです。

(井本医療整備課長)

質問

今回の指定については、東葛南部医療圏域に4か所目と聞いている。県内の将来的な医療ニーズに照らして、指定にかかわる課題等について聞きたい。また、県の考え方も併せて聞きたい。

(入江委員)

回答

東葛南部医療圏に4か所目のセンターを設置したことについては、当該地域において令和 27年度までに高齢者の人口が約 12万人増加することが見込まれていること、それに対応して予想される重篤な救急患者の増加に備えた救急医療体制の整備が課題であると考えています。

今後の見通しや県の考え方については、指定の見通しについて今のところ確定的なものはありませんが、地域の実情やニーズに応じて検討していきたいと考えています。

(井本医療整備課長)

要望

救急救命センターの病床については、整備の数値目標などがない中で、これからの医療ニーズに対応していかねばならないと聞いている。

ある意味、事業者側からの手上げを待つしかないという環境にあるかもしれないが、高齢者が急増する県内の各エリアにおいて、救急病床を必要とする県民が困らないように、県内の様々な医療機関の動向も、県としてとらえていただき、県民に必要な救急病床を整備していただきたい。

(入江委員)

議案第11号 千葉県医師就学資金貸付条例の一部改正

質問

条例改正に至る経緯について具体的に聞かせてもらいたい。

昨年度についても、県内病院を希望してもマッチングなどに漏れてしまった事例があると聞いているが、状況について説明してもらいたい。

(入江委員)

回答

本条例は、平成 21年度に制度を開始し、平成 29年度までは県外での臨床研修を可能としていましたが、29年度に条例を改正し県内での研修を必須としました。すなわち、29年度までに新規の貸付けを受けた方は県外研修を受けることは可能でしたが、30年度以降に新規貸付を受けた方はそれができない状況となっています。

そのような中で、昨年度は研修病院の選定過程で県内の病院を希望していたが全国統一の制度であるマッチングに漏れてしまい、追加募集でも内定を得られずに3月下旬に行われた医師の国家試験の内定取消分の追加募集に応募して、本当にぎりぎりで県内の病院に採用された方が4名いらっしゃいました。

昨年度のケースでは仮に県外病院で研修しても直ちに制度を離脱することにはなりませんでしたが、現在就職活動中の今年度の6年生については 29年度改正の条例規定が適用されるために、仮に県内病院の内定が得られなかった場合には、制度を離脱するか又は就職浪人して翌年度のマッチングに参加することになりかねない状況になっています。

こうしたことを予防するため、この度条例を改正しようとするものです。

(井本医療整備課長)

質問

改正条例8条2項及び4項の規定において、県外において臨床研修を受けた者(県内の希望する臨床研修を受けることができないことその他のやむを得ない事由があると知事が認めた者に限る)と規定されているが、その対象者についてどのようなプロセスで認定していくのか。

(入江委員)

回答

修学資金生には卒業後速やかに返還猶予の申請書を提出いただき、県として猶予決定を行いますが、その際に現状では猶予申請理由として、「県内において臨床研修を受け、かつ特定の病院において医師の業務に従事する見込みがある」という趣旨を記載していただいています。

条例改正後、県外で臨床研修を行う場合には、この申請の際に県外で臨床研修を行うこととその理由を記載して申請していただき、返還猶予決定を行うことで、やむを得ない事由があると知事が認めたものとしての認定を行います。

なお、今年度から、5年生の冬に修学資金生全員に対し個人面接を実施して臨床研修に関する意向を聴取し、県外研修を希望する場合には、その理由がやむを得ない事由に真に該当するものかどうか確認したいと考えています。

(井本医療整備課長)

質問

関連して、委員の皆様にも配付されているが、国際医療福祉大学医学部医学科6年生の学生から千葉県医師修学資金制度に関する陳情書が提出されている。この陳情は、積極的に臨床研修を県外で受けたい場合も認めてほしいという趣旨だと理解しているが、このようなケースについてもやむを得ない事由に該当するのか。

(入江委員)

回答

やむを得ない事由として想定している事項は、大きく 2つあります。

1点目については先ほどご説明した、県内の病院で臨床研修を希望してマッチングに参加したが、マッチできなかった場合です。

マッチングについては例年 10月頃に行われ、学生が希望する病院を登録し、病院も採用を希望する学生を登録して、全国一斉にシステムでマッチさせるものですが、この段階でマッチングに漏れた場合、追加募集等での県外への応募を可能とするものです。

一方、2つ目の事由として想定しているのが、キャリアの形成上県外病院での臨床研修を希望する場合であり、今回の陳情書で述べられている事由はこちらに該当すると考えています。

臨床研修のプログラムは医師法等に規定された一定の基準で策定されていますが、研修病院によって患者数や経験できる診療科の種類や数が異なることから、その内容は多種多様なものとなっています。

一方で、臨床研修の定員は国が全国の医学部卒業生の人数を勘案して全体の定員数を設定したうえで人口などに応じて各都道府県に定員を割り振っています。千葉県では近年定員に対する充足率が高くなっており、県内の病院だけを選択肢とするよりも県外も含めて選択できるようにすることが、より本人の希望に近い研修内容の選択が認められるものと考えています。

(井本医療整備課長)

要望

医師修学資金貸付条例の制度の趣旨としては、千葉県内の医療機関に医師として定着してほしいということが大きな目的であり、今回の県の条例改正は非常にタイムリーで的確な改正だと理解した。

(入江委員)

諸般の報告・その他

感染症予防計画について

質問

感染症対策について。国は昨年 12月に感染症法を改正して、新たな感染症予防計画を今年度中に策定するようにということになっている。県のほうでも連携協議会を立ち上げて作業を進めていると聞いている。

そこで伺いますが、連携協議会の構成や新たに計画に盛り込む内容、現在の取り組み状況について、お聞かせいただきたい。

(入江委員)

回答

県では、感染症予防計画の改定に向け幅広く関係者間で協議等を行うため、本年8月8日に「千葉県感染症対策連携協議会」を設置し、協議を始めたところです。

連携協議会の構成としては、感染症指定医療機関や消防機関、保健所設置市、県医師会などの診療に係る学識経験者の団体、高齢者福祉団体、空港検疫所などで構成されており、幅広く意見等を伺いながら進めることとしております。

予防計画については現在、改定作業中ですが、新興感染症が発生した際に迅速に対応できるよう、国が策定した基本指針に即して、病原体等の検査実施体制や検査能力の向上、感染症患者の移送体制の確保、宿泊施設の確保などの事項を新たに追加記載する予定です。

今後も、連携協議会において協議を重ねながら、予防計画の本年度内の改定に向け取り組んでまいります。

(出浦疾病対策課長)

質問

非常に重要な計画が作られるということで、諸般の報告等になかったものですから、あえてお聞きしているところである。

そこで、計画の実効性についてですけれども、どのように担保されていくのか。というのも、現在の感染症予防計画においては、数値目標などそういったものの記載がないので、新たな計画についてはしっかりとその点ご留意する必要があると思うがいかがでしょうか。

(入江委員)

回答

県では、国の基本指針に即して予防計画を改定しているところですが、基本指針において、平時から流行時に対応できる体制を確保するため、予め医療機関等と協定を締結するとともに、新たに新興感染症の発生・まん延時の確保病床数や発熱外来機関数等の数値目標を定めることが求められています。

これを踏まえ、本県の予防計画においても数値目標を設定する予定であり、連携協議会の中で具体的な目標値について協議を行うこととしております。

また、予防計画改定後も、定期的に連携協議会を開催し、予防計画で定めた数値目標について、その取組状況を報告し、進捗状況を関係者間で確認することなどにより、実効性を担保してまいります。

(出浦疾病対策課長)

コメント

現在、策定作業を進めているということで、このコロナ禍の様々な医療・保険、そういった色々な課題が見えてきた中で、実効性がある計画になるものを期待している。

(入江委員)

質問

予防計画の中においても、保健所や衛生研究所等の人材確保、専門職員の養成も含めて、体制強化が求められているところである。千葉県の保健所における感染症の対応にあたる専門職の配置がどのようになっているのか気になるところであり、保健師においては、全国的にも順位が低いところである。専門職の配置状況、薬剤師や獣医師も含めて、今の県の配置状況はコロナ前後でどうなっているのか。

(入江委員)

回答

保健所における感染症対策は、疾病対策課または健康生活支援課が所掌しており、専門職として保健師、獣医師、薬剤師等を配置しています。

感染症対策担当課の職員数は、新型コロナウイルス感染症感染拡大前の令和元年4月には142名でしたが、感染拡大に伴い体制を強化し、令和5年4月1日現在は170名の配置となっています。

(加賀谷健康福祉政策課長)

質問

全体的には増えているということで、この先どうしていこうかという所になるかとなると思う。保健師の採用選考の実施状況について、この 3年間どのようになっているのか。

また、FETPと呼ばれる実地疫学専門家の方たちは、コロナ禍でクラスター対応等で活躍されているが、実地疫学専門家(FETP)の養成を計画的に進める必要があると思うがどうか。

(入江委員)

回答

保健師の3年間の採用試験の状況ですが、令和3年度は採用予定者数27名のところ21名の採用、令和4年度は競争試験の採用予定者数30名のところ、追加の選考を含めまして合計26名の採用となっています。

本年度の採用試験については、採用予定者数11名のところ、現在のところ16名の合格となっています。

また、FETPについてですが、感染症の流行・集団発生時に迅速、的確にその実態把握や原因究明などを行う実地疫学専門家を養成するものです。

本県では国立感染症研究所の実地疫学専門家研修に職員を派遣しており、これまでに5名が2年間の研修を修了しています。また1名が現在研修中となっています。今後も、健康危機事案に対して円滑に対応できますよう、職員の人材育成に努めてまいります。

(加賀谷健康福祉政策課長)

要望

計画的に人材育成に努めていくとお話を伺って、しっかりと進めて頂きたいと思う。

また、事前に頂いた資料よると、衛生研究所の職員配置は令和4年度で54名だったのが、今年度4月1日時点で48名と、6名も減っていると伺った。採用も力を入れて頂きたいと思うが、同時に今働いている専門職の方々が、働き続けられるような環境整備もしていただきたい。

コロナのパンデミックの時に、保健所の業務がパンクして破綻してしまったということが、次なる新たな新興感染症の時に同じようなことが起こらないように、しっかりと感染予防計画を実のあるものにしていただきたい。関係機関とさまざま連携していただいて年度内に作っていただくと話を伺ったので、是非次回の 12月議会で諸般の報告にも盛り込んでいただき、私たち委員も含めて、この重要な感染症予防計画について、アナウンスしていただきたい。

(入江委員)