若冲を訪ねて福島へ

8月15日(木)

今年のお盆休みは実家の仙台に帰省し、久しぶりにのんびり数日間を
過ごした。
終戦記念日でもある15日、東北本線に乗って福島へ。

東日本大震災復興支援特別展
「若冲が来てくれました プライスコレクション江戸絵画の美と生命」を
見るために福島県立美術館に向かった。

福島駅からは福島交通のローカル線で一駅の「美術館図書館前」で下車
県立美術館前
何ともレトロな無人駅

3分ほど歩いて目的地に到着
若冲展

目の前に立派な建物が出現
福島図書館
こちら右手は県立図書館

左手に県立美術館
県立美術館
バックに山を抱えた広大な敷地に建っている。

この特別展は、被災地の岩手、宮城と2か月ずつ開かれ、ここ福島が最後
となる。
伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)をはじめとする江戸時代の画家の名品を
収集しているジョー・プライスさんと妻の悦子さん。
このご夫妻が東日本大震災の惨状に心を痛め、
「美しく生命の輝きと喜びに満ちた江戸絵画が震災で被害に遇われた方々、
とりわけ未来を担う子どもたちの心の支えになれば」という強い思いで
この特別展が実現した。

若冲の花も木も動物もみんな生きている「鳥獣花木図屏風」のカラフルで
元気をもらえる作品はもちろん、精密な描写画からユーモアあふれる鶴や
トラの画まで、幅広い作風の逸品が展示されていて、時間が過ぎるのも
忘れ、贅沢な時間を過ごした。

プライスコレクション

館内には子どもたちもおおぜい来ていて、プライス夫妻の思いが届いた
のではないかと思う。

外に出ると、現実を目の当たりにする張り紙が…。
フクシマ張り紙
そう、ここは以前の福島ではなくフクシマになってしまったのだ…。

何とも複雑な思いを抱えながら、仙台に戻る。
1時間40分ほど車窓の風景を眺めながら、
過去から現在の広島・長崎、そして現在から未来の福島を考えた。
私たちができる、いや、やらなくてはいけないことがある。