兵庫県広域防災センター・消防学校視察

2月13日(木)

2月議会直前になってしまったが、会派で懸案だった県外の防災センター
と消防学校の視察のため、兵庫県に足を運んだ。

東日本大震災後、千葉県でも老朽化した消防学校の建替えと防災センター
の一体的構想が浮上し、用地選定も含めて議論されてきた。
市原や印西ほか、わが佐倉市も候補地となり、議会内でも誘致合戦が
繰り広げられていたが、外部委員も含めた委員会で市原市に決定。
26年度の当初予算では、基本設計と地質調査で7300万円が計上
されている。

併せて、被災した際の救助・救援活動の受け入れ体制をどのようにするか
も課題であり、一昨年7月から立ち上がった防災支援ネットワーク
検討委員会で話し合われてきた。
そこで、会派としてどのような防災体制が望ましいのかを調査するため、
他県に出向いた。

折しも、ちょうど私たちが視察にでかけた13日に本県の防災支援
ネットワーク基本計画が公表され、県内7つの広域防災拠点をネット
ワーク化する構想が示された。

前置きが長くなったが、東京から3時間近く新幹線で移動し、
新神戸から地下鉄に乗り換え西神中央駅で下車。
車で20分のところにある兵庫県広域防災センターに到着。
同センターは、250haという広大な三木総合防災公園内にあり、
阪神・淡路大震災の復興計画の一環で整備された。
大規模な陸上競技場や野球場、国際試合も可能な屋内テニス場などが
あり、平常時は運動公園として利用されている。
建設費は1300億円、管理運営費は2億円程度。

防災センター・消防学校の上り口(あがりくち)所長はじめ職員の方々
からお話を伺った後、防災教育専門員である田中さんからレクチャーを
受け、防災備蓄倉庫等をご案内いただいた。

三木市に位置する当センター
三木市防災センター1

2万人収容のサッカー競技場
備蓄倉庫1

バックスタンドが備蓄倉庫に
備蓄倉庫2

ここにトラックを接岸し、積み出す
トラックヤード2

備蓄倉庫内にて
備蓄倉庫1

アルファー米5万7千食、毛布7万枚、ブルーシート3800枚
仮設トイレ797基などなど…。
仮設トイレ

そして、大量の救援物資を仕分けするテニスコート
ブルボンビーンズドーム

スケールの大きさは圧巻だったが、千葉県で同様の施設が必要とは
思えないし、またできるとも思えない。
その一方、兵庫県の取り組みで参考にすべきだと思ったのは、
広域防災センターで行われている防災教育だ。

地域の防災力向上のために必要なことを①災害イマジネーションの向上、
②地域コミュニティの強化とし、体験型防災学習や地域の防災リーダーの
育成に力を入れている。
2004年度から防災に関する体系的・実践的な研修を実施した結果、
兵庫防災リーダーの数は1106名にもなる。
研修カリキュラムを見たが、月2回土曜日の半年間、朝から夕方まで
災害に関する多角的な講義や救命講習や体験学習もなど充実した内容で
最後には防災士試験も受けられるとのこと。

「大切なことは災害が起こった時、弱い立場にいる要援護者をどのように
守っていくのかです」と最後に語ってくれた田中さん。
神戸大学大学院で安全都市づくりを研究しているとのこと。

いくら立派な施設や仕組みを作っても、それが機能しなければ、
紙に描いた机上の空論で終わる。
機能させるカギとなるのは、人の意識やモチベーションだ。

寒さに凍えるなかでの視察だったが、実り多い一日となった。
ブルボンビーンズドーム2
テニスコートのあるブルボンビーンズドーム前