県土整備部職員の不祥事に対する申し入れ

令和6年3月15日

千葉県知事 熊谷 俊人 殿

立憲民主党千葉県議会議員会

 令和6年1月10日、北千葉道路建設事務所の所長職にある職員が収賄罪で逮捕され、同月31日に起訴されるという事案が発生しました。起訴状によれば、同職員は印西市の建設会社に対し、事務所発注の道路工事の入札情報を漏洩し、その見返りとして現金約20万円を受け取り計40万円相当の接待を受けたとされています。これに対し2月1日に県は不適正事案に係る検討会議を設置しましたが、その調査・検討がなされている最中の2月28日、新たに県土整備部道路整備課の職員が逮捕されました。逮捕容疑は、同じ建設業者に対し同様に入札情報を漏洩し、その見返りとして現金約100万円を受け取り20万円相当の接待を受けたというものであり、事案の類似性は明らかです。さらに、報道によれば、この2事案に共通して指摘された「接待」は、県庁直近のマンションの一室が高級クラブのように改装され、女性コンパニオンを呼び飲酒を伴う接待であったとのことです。このような大掛かりな設備・体制が用意されていたとすれば、この2事案に限らず、入札情報を引き出すための同種の接待が長期間にわたり常習的に繰り返されていたとの疑念を抱かざるを得ません。

 我が会派は、平成29年11月に発生した東葛飾土木事務所の職員2名による官製談合防止法違反事件を契機に倫理条例の制定を強く求め、執行部と繰り返し議論し、県はその後私たちの要望を受け入れ職員倫理条例を制定されたものと承知しています。同条例の制定により、職員ひとりひとりが条例の趣旨のもと高い倫理観を持って職務にあたり、県全体で同種の不祥事事案を防止する体制が整ったものと考えていたため、今回の事件への衝撃は大きく、会派として断固たる対応をする必要があると考えています。

 よって、以下のとおり申し入れます。

1.今回の2事案に認められる継続性・計画性を踏まえ、本件に至る経緯や未発覚の過去の同種事案の究明を徹底すること
1.県土整備部を中心とする入札関連業務に携わった全職員に対し、個別調査を行うこと
1.職員倫理条例の運用を厳格化し、罰則の強化を図ること
1.公共工事における入札・契約のあり方を見直し、入札業務を事業担当部局から切り離し、独立性の確保された専門部署において一括して行うこと

以上