欺瞞に満ちた八ッ場ダム本体建設工事起工式

2月7日(土)

午前8時半過ぎに高崎駅からマイクロバスに乗り込み、八ッ場ダム本体工事
起工式の現場に向けて出発。
八ッ場ダムをストップさせる1都6都県市民連絡会のメンバーで抗議活動を
行いました。

10時20分頃、現地に到着。
横断幕やプラカードを掲げ、アピール活動をスタート。
抗議活動1

私たちの前には立ち入り禁止のコーンが立てられ、
目の前には国交省職員の人の壁がずらっと並びました。
抗議活動2

前日には私たちの抗議文を当日手渡したいと交渉したものの
起工式で忙しく対応できないと断られていたにもかかわらず
十数人の職員らがただ押し黙って私たちを威圧していました。
これが「公僕」としてのあるべき姿なのか…。
とても悲しく情けない思いでいっぱいでした。

抗議活動3
ストップ八ッ場ダムの旗を掲げて

起工式は12時半前に終了。
起工式終了後

群馬の大沢知事、埼玉の上田知事をはじめ、地元国会議員や県議が
ぞろぞろと出てきました。
千葉県からは高橋副知事、吉田企業庁長や関係部局の職員数名の
姿が見られました。
そしてあろうことか、八ッ場ダム住民訴訟で県側の代理人をしている
伴弁護士の顔も!

千葉はじめ、茨城、群馬県の代理人を引き受け、国交省の後ろ盾で
楽勝し、私たちの税金から相当な弁護費用を手に入れてきたこと
に対して、どのように自覚しているのでしょうか?
一度聞いてみたいものです。

千葉県では八ッ場ダム、霞ケ浦導水、思川開発に25年度まで
474億円を投じましたが、県水道、企業庁工業用水における
給水実績を見ても水需要は頭打ち。
これ以上、新規水源開発を進める必要はまったくありません。

一方、県内には水利権を取得したにもかかわらず、使っていない
未利用水利権が6事業体で毎秒1.238㎥もあり、そのうち5事業体
の水利権取得費と25年度までの管理負担金の合計は524億円超。
未利用水利権を活用せず、新たなダム建設のために負担金を出しているのは
まさに二重の無駄遣いです。
この事実を昨秋の決算委員会で明らかにしました。

寒い中、2時間以上も立ち続け、中には体調が悪くなるメンバーも。
この10年間、私たち原告団もそして弁護団も、すべて自腹・手弁当で
有害無益な八ッ場ダム建設中止、税金の無駄遣いを辞めさせようと
身体を張ってがんばってきたのです。

抗議活動終了後、先月21日(水)に開始した「発破作業」現場へ
発破現場2

さすがに今日は作業中止
発破現場1

地すべりが発生している付け替え国道
地滑り現場1

切り土した背後の山が動き、道路に亀裂が走っています。
亀裂箇所

川原湯新駅をあがると
川原湯新駅

山を切り刻んで作られた砂防ダム群が
砂防ダム群

付け替え県道の工事も進みません
付け替え道路工事

眼下に見下ろした吾妻川
吾妻川

ダム本体工事は予定どおり進まず、地すべりなどの災害を誘発すると
心ある専門家は警鐘を鳴らし続けています。
千葉県民にとってもさらなる事業費増額が待ち受けるなど、まだまだ
八ッ場ダム問題に終わりは見えていません。

訪れるたびに美しい自然が破壊され、コンクリート構造物むき出しの
無残な姿になっている吾妻渓谷。
自然に対する畏怖の念なく工事を強行する愚かさを目の当たりにし
言葉もありません。

世界の潮流はダム撤去というなかで、役に立たない危険なこのダムを
つくるこの国の大義はいったい何なのか?
利権にまみれた公共事業の典型である八ッ場ダムは将来に禍根を残す
ことは間違いありません。
そして、この負債を負わせられるのは子や孫の世代ということを
決して忘れてはなりません。

当日の情報や抗議文の内容は、以下のHPでご覧ください。
   ↓
欺瞞に満ちた八ッ場ダム本体起工式