平成27年予算委員会 1日目 2月
目次
原発事故による放射能汚染から子供を守る県独自の取り組みについて
佐倉市選出、市民ネットワーク・社民・無所属の入江晶子でございます。質問に早速入りたいと思います。平成27年度千葉県当初予算は1兆7,095億7,000万円、国の緊急経済対策101億6,000万円を含む2月補正予算と連動し、過去最大規模となっています。
千葉県の新年度予算編成も、アベノミクスと連動し、公共土木工事優先の予算配分となっていますが、森田知事が掲げる「くらし満足度日本一」につながるのか、大変疑問です。
県民生活に直結した医療、福祉、教育予算を充実させること、命と暮らしを守る県政への転換を求め、質問をいたします。初めに、原発事故による放射能汚染から子供を守る県独自の取り組みについてです。
東日本大震災東京電力福島第一原発事故から4年がたとうとしています。千葉県も被災地であり、津波や液状化、そして放射能汚染に見舞われました。
ハード面での復旧は進みましたが、今なお置き去りにされているのは放射能による健康被害への対応です。
とりわけ国から汚染状況重点調査地域に指定された県内9市、私の住む佐倉市も含む9市の市長は、国に健康管理調査の早期実施を求めてきましたが、全く現在のところ聞き届けられておりません。
体系立った健診は福島でしか行われず、それも甲状腺がん、心の健康、生活習慣病に狭く絞った内容です。
低線量の放射線被爆が人の健康に対してもたらす影響については科学的に解明されていない。だからこそ、予防原則に立って、子供たちの被爆を防ぐための方策を急ぐべきです。私ども会派では、国が千葉県において健康管理調査を実施しないのであれば千葉県が実施すべきとの主張をしてまいりました。
これに対し県は、国の動向を注視する、見守るとの立場から一歩も動きません。
確かに国が法に基づき適切に対応すればよいという原理原則はわかりますが、住民の命を守るという自治体本来の役割、子供たちの健康影響を本気で心配するならば、国の判断を悠長に待っていられないのではないでしょうか。そこでお伺いします。県は国の動向を見守るのではなく、県独自で子供の健康調査を行うべきと考えるが、どうか、お答えください。
放射能による健康影響に関する調査については、子ども被災者支援法により、国が必要な措置を講ずることとされ、これまで専門家会議による検討が行われてきましたが、それをもとに、環境省は先週金曜日に当面の施策の方向性を示したところでございます。
それによりますと、福島県及び福島近隣県における疾病の罹患動向の把握を進めるに当たっては、環境省において、対象疾患や地域等を含めた具体的な手法を専門家の知見を踏まえて検討するとしていることから、県といたしましても、その動向を見守りたいと考えているところでございます。
引き続き国の動向を見るということでしたけれど、私もこの4年近く、議連の仲間と省庁交渉も行ってまいりましたが、国でも相変わらず縦割り、文科省、そして環境省たらい回しの状態です。こういった中で、やはり県が既に実施している学校健診の中で心電図検診など、全学年で実施したり、甲状腺の検査、血液検査など被爆由来の健康チェックもしていくべきではないでしょうか、お答えください。
放射線による健康への影響に関する調査は、国の責任において対応すべきであり、先週の金曜日に国から公表された当面の施策の方向性においても、環境省が専門家の知見も踏まえて検討することとなっておりますので、県教育委員会としても、その動向を注視してまいります。なお、学校における健康診断は、従来どおり、学校保健安全法に基づき行ってまいります。
学校健診は引き続き行っていくということでしたけれど、現在、心電図の検査については小学1年生と中学1年生で実施しているわけですけれど、県もそのデータをお持ちです。どのようなことが健診でわかっているんでしょうか。
どういうふうに、その健診の心電図結果を捉えているんでしょうか。
確かに抽出調査ですので、継続的に1人のお子さんを追った調査ではありません。
そういったことから、先ほど申し上げたように、全学年での甲状腺検診を行うべきではないかなというふうに申し上げているところなんです。
あらじめ教育庁のほうからいただいた健診結果は見たんですけれど、平成25年度で学校健診で発見された児童生徒の心臓疾患異常の数は、小学校1年生で3,264人、中学1年生で1,765人、合わせて5,029人。そのうち、先ほど申し上げた汚染状況重点調査地域9市の子供たちの割合を見ましたら、30%程度占めてるんですね。
確かにこの5,000人というのは、全体数からいったらパーセンテージ低い。
そんなにパーセンテージ、高くはありませんけれど、この心臓疾患異常の子供たちの症状が原発事故による放射能汚染の由来ではないという判断はできるんでしょうか。その点について教えていただきたいと思います。
確かに教育長おっしゃるように、これでは被爆由来という判断は難しいと思います。でも、しかし、だからといって、これを無視するということは、やはり子供の健康被害がもしかしたら将来出るかもしれないというような、そういった立場に立てば決して無視できない、そういった状態ではないかなというふうに思います。
新年度の予算計上ゼロということで、とても、この健康管理調査を千葉県として実施していかないということについては納得できませんけれど、今後において、子供たちの健康被害を防ぐために、一体、千葉県として何ができるんだろうか、こういった検討を27年度において真摯にしていただきたい。これを強く申し上げて次の質問に移ります。
教育の経済格差について
教育の経済格差についてお伺いします。
貧困家庭に育つ子供の貧困は6人に1人の割合。経済的に厳しい家庭に給食費や学用品を補助する就学援助制度の対象となった小・中学生は、千葉県内では非常にふえてきています。全国的にもふえてきています。
そこでお伺いしますが、県内市町村における就学援助受給状況の推移を県はどのように捉えているのかお伺いします。
ありがとうございます。お手元に、委員長の許可を得まして、資料を配付させていただきました。また、こちらのボードにも掲げてあります。今、教育長がお話になったように、千葉県内の就学援助の受給率8.7%と、この5年間で右肩上がりにふえているのが見てとれるかと思います。
それで、子育て家庭にとって、小中学校義務教育を卒業した後、高校生に子供がなったときが一番教育費がかかる、これは皆さん、おわかりかと思います。ですから、先ほどのグラフで示した、就学援助を受けている家庭にとって、この先のさらなる負担は厳しいものになることは容易に想像できます。
そこで、図の2と3をごらんください。これは高校における就学支援認定状況です。今年度から高校授業料無償化が一部廃止となって、国公私立を問わず支援金が支給されています。
そこで伺います。公立高等学校に通う子供を持つ家庭の学費負担はどのように変わったのかお伺いします。
なお、制度の見直しの一環として、低所得者世帯の支援のため、奨学のための給付金を支給しているところであります。
保護者の年収が基準額、目安としまして、910万円程度以上である場合に就学支援金が支給されなくなりましたが、低所得者世帯への加算支給は拡充されたところでございます。なお、本県の授業料減免制度は、従来からこの拡充部分に対しても補助してることから、制度改正による保護者負担には基本的に変更はございません。
また、本年度から低所得世帯対象とした奨学のための給付金制度を創設したところであり、経済的負担は軽減されているものと考えております。
それでは、次に図4をごらんいただきたいと思います。
これは私立高校の学費に占める公費負担のイメージ図です。わかりやすくしているので、全てを正確にあらわしているわけではありません。念のため、お断りしておきます。
右下の説明にあるとおり、私立高校生への財政支援策は、国の支援金を土台に都道府県の授業料減免制度が上乗せされる2階建てとなっています。右側の棒グラフを見ていただくと、千葉県の私立高校の平均的な学費が約55万円、そのうち授業料は30万円、その他施設整備として納める学校納付金が約25万円です。そして左側の棒グラフには、年収350万円未満の場合、国からの就学支援金、プラス、県が行う授業料減免制度で、ほぼ授業料の額はカバーできていることがわかります。
その上にある、ここの部分ですが、赤い部分、手元の資料の部分は、今年度、国が新たに創設した奨学給付金、給費制の奨学金です。受給できるのは生活保護世帯と非課税世帯に限ります。ここでは最大限もらえるケース13万8,000円を上乗せしていますが、真ん中のグラフにある年収640万円以下の場合は国から11万8,800円、プラス、県単の授業料減免が入って20万円弱の公費負担となっています。
そこで、時間がなくなってきましたので3項目めを外しますが、ずばり、今度はまたちょっとパネルを変えますが、お手元の資料、裏面の表1をごらんいただきたいと思います。これは何を示しているかといいますと、国は今年度から所得制限を設けて、低所得世帯の家庭に厚く支援金を加算しました。千葉県にも、そのお金が入ってきております。26年度において、千葉県が何をこれで行ったかといいますと、国から入ってきた支援金分を県がのみ込んでしまって、従来から行っている事業減免の県の単独負担というか、県費ですね。これを国の分で賄ってしまったということが明らかになりました。
本県と対照な埼玉県については、パネルの下、表2をごらんいただければと思います。埼玉県では、これまでの授業料全額補助に加え、その他の授業料補助として、生活保護世帯は実額、それから大分減免をして、保護者負担がゼロから20万円、下の表なんですけれども、加算を行ったことで軽減負担につなげています。
そこでお伺いいたします。27年度において、県の授業料減免の対象枠の拡大を含めた学費全体への支援の充実を求めますが、いかがでしょうか。
はい。そういったことで、今後も引き続き十分に検討していただきたいと思います。以上で終わります。