望みの門 木下記念学園へ
8月30日(火)
昨晩から台風10号の進路に目が離せず、今日は午前中に予定していた
県庁での聞き取りを延期し、自宅で仕事を片付けることに…。
昨日は富津に新しくできた情緒障害児短期治療施設(略称:情短)に
会派の3人で訪れました。
当日は目的地を間違えてしまい、30分近く遅刻して到着し、施設の方々
や県職の皆さんには大変ご迷惑をおかけしてしまいました。
本当に申し訳ありません。
この施設は、各県におおむね一箇所以上設置されていますが、
千葉県では初めてであり、社会福祉法人「ミッドナイトミッションのぞみ会」
が今年開設。
こちらでは「総合環境療法」が行われ、子どもたちの生活面は
保育士・児童指導員が、体や心の健康面は医師・看護師、心理士が支え、
食事は栄養士・調理師が手作り、併設の学校では少人数のきめ細やかな学び
を提供しています。
今年5月1日から小・中学生が入所し、現在は8人の子どもたち(女児5人
と男児3人)が生活しています。
開設当初から地元警察署が何度も呼び出され、現場が大変になっている
との情報を得ていましたが、井本園長や西山副園長から困難を抱える
子どもたちの様子や生育歴などをつぶさにお聞きし、想像以上に厳しい
現状を目の当たりにしました。
また、この施設には、君津特別支援学校上総港分教室が併設しています。
当日は、磯部校長先生、田中教頭先生や県教委の保科指導主事、
児童家庭課からは井上副主幹も同席していただき、福祉と教育の連携、
医療的対応の難しさなど多方面での課題を認識しました。
ネグレクトや暴行などの虐待による愛着障害や素行障害が見られたり
ADHD・広汎性発達障害や抑鬱などに苦しむ子どもたちには、心理療法
だけではなく、医療的ケアが必要不可欠です。
しかし、県内における児童精神科医の数は片手ほどと非常に少なく
現在は、5人の専門ドクターが交代制で施設に来てくださっているとのこと。
佐倉にある下志津病院のドクターも協力してくださっているそうです。
また、子どもたちと24時間対応する厳しさから辞める職員も出てきている
ため、職員確保が非常に大変とのこと。
定員は30名ですが、8名入所の今でさえ、対応が厳しい現状です。
これら数々の課題に対して、法人任せにするのではなく県がしっかりと
本施設の設置目的を遂行できるようフォローしていく必要性を
痛感しました。
慌てて施設内に入ったため、外観を撮るのを忘れましたが、元は足立区の
施設「健康学園」だったとのこと。
広い敷地に園庭もあります。
2階の教室からは、歩いて2~3分の海が望めます。
「夢をもち 夢をかなえよう みんなで」
職員室に張り出されている教育目標です。
学習の遅れや情緒的問題がある子どもたち、一人ひとりのニーズに
応じた教育を受けられるように設置された分教室。
教科の学習とともに、自立活動(ソーシャルトレーニング)に力を入れて
子どもたちを教えています。
一方、子どもたちが暮らす施設はユニット型に分かれています。
その一部をご案内いただき、テレビなどの備品の破損状況も目にしました。
さらには強化ガラスも割られてしまったとお聞きし、
追い込まれた子どもたちのやり場のない怒り、悲鳴のようなものが感じられ、
職員の方々のご苦労に改めて頭が下がる思いでした。
この施設は、来年4月から「児童心理治療施設」と改められるとのこと。
帰宅後、「情緒障害児短期治療施設(児童心理治療施設)ネットワーク」の
HPを見つけました。
↓
児童心理治療施設ネットワーク
これを機に、さらに勉強したいと思います。
今後ともご教示ください。