福島原発訴訟 千葉裁判結審
1月31日(火)
2011年3月に発生した東京電力福島第一原発事故からもうすぐ6年。
10万人近い人々が故郷を追われ、避難生活を強いられています。
その数は、千葉県で約3000人。
2013年には、原告18世帯47名が国と東電を相手取り、
千葉地裁に提訴。
その福島原発被害集団訴訟が今日結審しました。
裁判は午後からでしたが、午前中から「公正判決を求める決起集会」や
裁判前の街宣活動などを行うと聞いていましたが、佐倉での所用があり
千葉地裁に到着した時は法廷が開かれた直後でした。
そこで、急ぎ裁判所向かいの弁護士会館へ。
実際の裁判は、2時間半を超え、17時前に終了。
裁判後、17:30から報告集会が開かれました。
この裁判の目的は、国と東京電力の責任を認めさせること。
原子力災害賠償法では、安全神話を言い続けてきた国の責任は
まったく問われません。
暮らしを根こそぎ奪われた「ふるさとの喪失」に対して
心から謝罪し、一人ひとりの求める賠償を実行させることです。
津波の予見性と対策、規制権限をめぐる責任論と同時に
低線量被ばくに基づく避難の合理性を明らかにする損害論を
立証するため、最終準備書面は1000ページにも及んだとのこと。
そのエッセンスを2時間半という限られた法廷の中で
見事にまとめ上げたと北は北海道、西は兵庫から駆け付けた
弁護団が口々に絶賛していました。
リアルタイムで傍聴できたら良かったのですが、残念です。
原告6人も意見陳述を行ったとのこと。
全国各地の裁判所でも約30もの集団訴訟が提起され
1万人を超える人々が立ち上がっており、その中でも千葉裁判は
進行が群馬の次に早いため、全国から注目されているそうです。
判決言い渡しは、9月22日に予定されています。
「私たち一人ひとりの人生が、あの日を境に奪われてしまった」
「なりわい裁判」(生業を返せ、地域を返せ)の原告のお一人が
訴えられた言葉に胸が詰まりました。
そして1月28日の福島民友新聞の報道によると
福島の5つの市町村への住民の帰還率は、わずか13.1%。
さらにこの3月から4月に向けて、4つの町が帰還宣言をする
予定ですが、その地域にある8つの高校のうち5校が休校とのこと。
このようなところに帰還させ、どのように生活せよというのでしょうか?
千葉地裁に「公正な判決を求める署名」は、この3か月で
3万筆を超えました。
引き続き、この問題を広く訴え、署名活動を続けていきます。
3.11は終わっていません。
福島原発事故の責任や賠償をうやむやにするのではなく
国や東電は真摯に対応すべきです。
風化させることのないよう今後とも声をあげていきます。