医学部新設で地域医療はどうなる?

4月5日(水)

先週末2日(日)は、成田にある国際医療福祉大学へ。
午前中は、医学部新棟の内覧会、午後は入学式に出席しました。

国際医療福祉大学
昨年に新設した看護学部・保健医療学部棟の前で

今年4月から医学部が新設され、1期生として120人の新入生と
20人の海外留学生を迎え入れます。
午前中の内覧会に会派の3人で参加。

国際医療福祉大学医学部棟
真新しい建物内はカラフルで明るい印象

医学部棟1

医学部棟2
こちらはモニター室

学生の診療演習をリアルタイムでデータ化し、指導や学生の振り返りに
役立てる最新鋭の設備が整っています。

こちらは、解剖実習室。
36台の解剖台がずらりと並べられていましたが
「実習を行うためのご献体の確保はどうするのか?」と説明に当たった
先生に尋ねたところ、2学年時の後半までに目途をつけたいとのこと。
本来ならば、4人一組で行うところ、当面は6人になる見通しだそうです。

解剖実習室

解剖台の説明

こちらは、解剖台についての説明。
ホルマリンの臭気をわきから吸い込み、ダクトも天井ではなく地下へと
落とす、最新のスペックです。

国際交流室
海外留学生のサポートをする国際交流室

ベトナム、中国、インドネシア、韓国など、10か国からやってきた学生は
すべて国費留学生というスーパーエリートです。
国際的かつ総合的な診療を行える医師の養成が大きな目的に
掲げられています。

国の国家戦略特区という規制緩和で例外的に認められた医学部新設。
実に38年ぶり、沖縄大学以来(旧東北薬科大学への新設は震災特例)
とのこと。
一般の臨床医ではなく異次元の医師養成を行うとして、認可されましたが
この医学部新設により、医師・看護師等の引き抜きをはじめとする
地域医療への影響が懸念されています。
県医師会も反対声明を出しましたが、設置された以上、今後の地域医療
への具体的な貢献を求めていかなければなりません。

千葉県は国際医療福祉大学に3年間で35億円の補助を行う予算を計上。
予算執行に当たり、同大学が地域医療に貢献するための担保が
必要でした。
そして、ようやく先月27日、県は同大学との間で協定書を締結。
先日、私も協定書を確認し、医療整備課から説明を受けましたが、
現時点ではあくまでも理念の域を超えず、具体的な中味は今後における
協議の中で引き出していかなければならないようです。

また、3年後の2020年には、640床の附属病院が建設される予定です。
先月25日、同大学は640床の病院を医育機関として認めてほしいと
厚労省に承認申請を行ったとのこと。
特例的に承認される見通しです。

いずれにしても、本医学部新設が与える地域医療へのインパクトについて
引き続き調査し、注視していきます。

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