令和8年2月定例県議会 健康福祉常任委員会 健康福祉部/病院局 審議状況(入江質疑箇所)

令和8年3月10日(火)
なお、質疑要旨は正式な議事録ではありません。

健康福祉部

議案第1号 令和8年度一般会計当初予算

1)救急電話相談事業
 救急安心電話相談事業/小児救急電話相談事業

質問

救急安心電話相談及び小児救急電話相談の両事業について、これまでの事業実績や効果分析はどのようなものか。

また、24時間・365日への拡充により、具体的にどのような効果が見込まれるのか。関係者の意見をどのように聴取したのか。

(入江委員)

回答

救急安心電話相談#7119及び小児救急電話相談#8000は、救急医療機関の受診を迷う県民の相談を受け付けることで、県民の不安解消に資するとともに、不要不急の受診を減らし、救急現場の負担軽減にも役立っていると認識しています。

令和6年度の実績では、救急安心電話相談及び小児救急電話相談ともに約5万件の相談を受け付けており、事案の半数以上は、応急処置方法等を助言し、病状に変化がなければ翌日受診するようご案内を行っています。

他県の状況を確認したところでは、#7119を全県で実施している28都道府県中20が24時間体制となっており、千葉県においても24時間体制とすることで、県民の利便性のより一層の向上と、救急医療現場の負担軽減に資すると考えています。

改めてアンケート調査を行っているわけではないが、医療整備課に寄せられる県民からのご意見として日中に医療機関に電話しても相談に乗ってくれないといったことが挙げられています。

また、#7119については、消防機関から、日中夜間を問わず、不要不急の救急要請の抑止や医療機関の受診の適正化のため、「救急電話相談事業」の相談時間の24時間化について、要望を受けています。このようなことを踏まえ、相談時間の拡充を行ったものです。

(菊地医療整備課長)

質問

東京都など先行の自治体では、救急車の適正利用につなげられているという定量的分析や効果検証等はあるのか。今後、県としてどのような効果検証を行っていくのか。

(入江委員)

回答

#7119による事業効果については、令和6年度救急業務のあり方に関する国の検討会において、救急車の適時・適切な利用等について分析がされており、#7119実施地域における、導入前後の搬送人員に占める軽症の患者の割合を確認し、#7119導入前年と令和4年を比較したところ、18地域中12地域(67%)で、救急車で搬送された軽症患者の割合が減少していることが判明しています。

千葉県においては、導入前の平成28年と令和4年を比較したところ、同様に減少の傾向が見られたが、直近の令和6年と令和4年を比較した場合、若干増加しているという状況でございます。

#8000については、#7119と同じような分析が国において行われている確認はできませんでしたが、小児はほかの年齢層よりも軽症での救急搬送が多いというところは、保護者の判断が難しいところがあると思われます。

また、年齢によらず、軽症でも緊急を要することもあるため、このような軽症患者の搬送割合の低下のみをもって事業効果を検証することは、難しいと考えているが、県においても、国の検討会等の動向等を注視しつつ効果検証の方法を検討していきたいと考えています。

(菊地医療整備課長)

要望

12月議会でも、救急医療について取り上げ、電話相談だけでなくLINEやメールなど他のツールも検討していただきたいと申し上げているところであり、電話相談の時間を24時間365日にするだけでなく、色々なアプローチを引き続き検討してもらいたい。

(入江委員)

質問

この事業の広報・周知をどのように、県として今後どのように行っていくのか。

(入江委員)

回答

県民だよりや県のホームページ、ポスター、リーフレット、SNSなどを活用し、広く県民に御理解いただけるよう周知してまいりたい。

(菊地医療整備課長)

要望

広報周知についてきめ細かく行っていただきたい。特に市町村の広報なども活用していただき、せっかく事業を拡充するので、利用につながるよう、市町村や医療機関などとも連携して行っていただきたい。

(入江委員)

2)健康福祉センター(保健所)の運営
 業務改善・生産性向上/保健師の採用・配置/新興感染症対策

質問

保健所における業務改善について、これまでどのような改善策を実施し、どのような効果があったのか。新年度における業務改善・生産性向上の取組はどうか。

(入江委員)

回答

令和5年度に保健所の業務量調査を行ったところ、指定難病及び小児慢性特定疾病の医療費助成事務については業務量が多く、必ずしも専門性を有さない事務の割合が高いと判明したことから、まず本事務について外部委託等を活用した業務改善を進めることとし、令和7年度から段階的に難病助成事務センターでの一元的な事務処理体制へ移行を進めているところです。

先行して難病助成事務センターへ事務を集約した習志野及び印旛保健所については、これまで保健師等が医療費助成事務に費やしてきた時間が年間約4割から5割減少することが見込まれるなど、専門性を生かした業務により注力できるようになってきたところです。

また、新年度以降についてですが、まず難病事務センターについては、今年度の習志野、印旛の集約に加え、来年度は新たに安房保健所を対象として段階的に集約を進めてまいります。

また、その他の様々な業務についても、手順の標準化や手続きの電子化等により効率化を進め、地域保健に関する拠点としての保健所の機能を強化していきたいと考えています。

(井上副参事(兼)政策室長)

質問

保健所の保健師について、新年度の配置状況はどうか。コロナ感染症パンデミック後の採用状況や職員数の推移はどうか。

(入江委員)

回答

来年度の保健所の保健師に係る配置については、現在人事異動の作業中ですが、令和8年2月19日時点の保健師の採用見込者数は17名です。

近年の保健師の採用状況は、新型コロナウイルスが5類となった令和5年度の採用試験の結果として14名、令和6年度の採用試験の結果として24名、令和7年度の採用試験の結果としては、先ほど申し上げたとおり17名の見込みです。

また、保健所の保健師の数の推移は、各年度4月1日時点で、令和5年度が167名、令和6年度が175名、令和7年度が187名です。

(上林健康福祉政策課長)

質問

採用見込者数について答弁があったが、採用予定者数に対する応募状況はどうか。

(入江委員)

回答

令和7年度の採用試験における採用予定者数は14人であり、これに対して申込者数が60人であり、採用見込者数が17名です。

(上林健康福祉政策課長)

要望

千葉県で働きたいという保健師が増えていてよいことだが、今後も一層、保健所業務の充実に向けて業務改善、働き方改革を進めてほしい。

(入江委員)

質問

新興感染症パンデミックの備えについて、新年度の保健所の体制はどのようになっているのか。

(入江委員)

回答

新年度の具体的な体制については現在検討中ですが、新興感染症に備えての保健所の体制としては、先般の新型コロナウイルス感染症の経験を踏まえ、保健所が膨大する業務に対応できるよう、平時から庁内の応援体制を確立しておくとともに、医療機関などの外部の看護師等を応援要員としてシステムに登録して必要に応じて派遣する仕組みであるIHEATを運用しているところです。IHEATの登録者数は、政令・中核市を含めたものになりますが、158名で、その派遣先は県内16の保健所になります。

また、日頃、職員やIHEAT要員に対して研修や訓練を実施しているところです。

なお、先ほども申し上げましたが、令和8年度は健康危機感染症対策担当課長を新設して各保健所との連携を深め、感染症対策を強化することを考えています。

(上林健康福祉政策課長)

要望

有事に備えてしっかりと体制強化していると理解した。IHEATについては民間への協力依頼も含め、いろいろと苦労があると思うが、これからも官民挙げてしっかりと感染症対策、新興感染症パンデミックに取り組んでいくことで、より一層連携を密にしてほしい。

(入江委員)

3)介護事業所における業務改善支援事業
 介護業務効率アップセンター/業務改善アドバイザー派遣/介護事業所経営状況分析事業

質問

介護事業所における業務改善支援事業について、介護業務効率アップセンターの令和7年度の取り組み実績をどのように把握しているのか。また、介護現場のニーズについてどのように把握しているのか。

(入江委員)

回答

業務効率アップセンターの実績ですが、本年度の介護業務効率アップセンターで対応しました介護ロボットや、ICTの導入に関する相談件数は、2月末時点で、600件を超えており、昨年度に比べて大幅に増加をしたところです。

また、業務改善に関する研修についても、本年度は、内容の充実を図るとともに、小規模な事業所が参加しやすいように、一部オンラインでの受講に対応したことなどにより、100を超える事業所に参加をいただいたところです。

そのうち、希望のあった25の事業所に対して、専門家を派遣するなど、事業所の状況や課題に応じたきめ細やかな支援に努めたところです。

また、介護現場のニーズの把握ですが、県ではニーズを把握するため事業者団体などで構成される、千葉県介護現場革新会議を設置しており、この会議での議論を、介護業務効率アップセンターの業務に反映させるとともに、センターの取り組みを、この会議に報告させていただいて、議論をいただくなど、好循環を生み出しており、介護現場における業務改善の取り組みを推進しているところです。

(中里高齢者福祉課長)

質問

令和8年度の新規の事業メニューとして、業務改善アドバイザー派遣事業、そして介護事業所経営状況分析事業が盛り込まれているが、県としての効果の見込みはどのように考えているのか。

(入江委員)

回答

業務改善アドバイザー派遣事業ですが、テクノロジーの導入に踏み込めない小規模な事業所などに業務改善の効果を身近に感じてもらうために、介護現場で実際にテクノロジーの導入に取り組んだ経験をもとに、助言を行う業務改善アドバイザーを派遣するもので、令和8年度はその体制作りとしてまず、15名程度のアドバイザーを養成する予定で考えています。

また、介護事業所経営状況の分析事業ですが、厳しい経営状況にある、県内の社会福祉法人に対して、適切な支援策等を検討するために、各法人について公表されている、約400法人ございますけれども、財務諸表を比較分析し、地域差や運営法人の規模、実施するサービスの種別などによる傾向や課題等を把握しようとするものです。

(中里高齢者福祉課長)

質問

新しい事業の経営状況分析事業を行っていくその背景、県の今後の狙いがあれば教えていただきたい。国の方で何か動きはあるのか。

(入江委員)

回答

やはり、今県内の社会福祉法人が非常に経営的に厳しいところがあります。

その中で、我々としてもその原因、地域差であったり規模であったり、この辺でかなり対応が変わってくるというところです。

県としても、それぞれの事情に応じた支援をしていく必要があると考えておりますので、まずはしっかりと現状を調べて、そして支援に結びつけたいという思いです。

(中里高齢者福祉課長)

意見

現場のニーズ・課題というものをしっかりと捉えるということが、次なる政策展開に結びつくということで、高齢者福祉課の取り組みについて、敬意を表したいという気持ちである。

(入江委員)

議案第26号 令和7年度補正予算

1)介護事業所における業務改善支援事業

質問

介護テクノロジー定着支援事業とモデル介護事業所養成について、令和6年度、7年度の実績はどうか。

また、新年度の実施によりどのような効果を見込んでいるのか。

(入江委員)

回答

介護ロボットやICT等の導入経費に対して助成を行う、介護テクノロジー定着支援事業ですけれども、令和6年度は、524事業所に対して、約11億3千5百万円を交付しました。令和7年度は、522事業所に対して、約11億9千6百万円を交付決定しているという状況です。

令和8年度につきましては、過去2年と同程度の事業所からの申請を見込んでおり、引き続き、介護現場においてテクノロジーを活用し、業務の効率化、職員の負担軽減が図られるよう取り組んでまいりたいと思います。

業務改善の取り組みを通じた職場環境づくりについて、地域の牽引役となる事業所を養成するモデル介護事業所養成事業ですが、こちらにつきましては、令和7年度から東葛北部、香取海匝、君津の3つの高齢者保健福祉圏域において、それぞれ施設系と居宅系を1ヶ所ずつ、合計6事業所を養成しているところです。

本事業は令和7年度から3年間、県内9圏域すべてでモデル事業所を養成することとしており、令和8年度につきましては、さらに3つの圏域において、地域の牽引役となる事業所を6ヶ所養成して、業務改善の取り組みを更なる地域への浸透を図っていこうと考えているところです。

(中里高齢者福祉課長)

質問

介護現場の生産性向上に向けて、国は令和11年度末までにICT・介護ロボット等の導入事業者の割合を、9割とする目標を掲げているが、本県の達成状況はどうか。また現場の課題をどのように認識しているのか。

(入江委員)

回答

介護ロボットやICTを導入している事業者の割合ですけれども、国の資料によりますと、令和7年6月末時点で、全国平均は31.2パーセント、千葉県は39.9パーセントとなっています。

また、介護ロボット等の導入の課題ですけれども、テクノロジー導入にあたっての現場の課題といたしましては、特に小規模な事業所において、費用面や人材面の制約から導入を進めづらいという状況があるというふうに考えております。

モデル事業所の養成などを通じまして、小規模な事業所でも取り組める好事例を収集し、周知していくとともに、引き続き、導入経費に対する助成や、介護業務効率アップセンターによる、きめ細やかな支援を実施しまして、介護現場へのテクノロジーの導入を促進してまいります。

(中里高齢者福祉課長)

質問

全国平均を上回る39.9パーセントっていうことなので全国順位を教えていただきたい。それから、これまでの6年度7年度の事業については、国からの補正予算が財源で進められてきた。

令和8年度も令和7年度も、補正予算の繰り越しで執行されると理解しているが、県としての方向性、必ずしも国の補正予算が財源になるとは限らないので、その辺りの見通しについても教えていただきたい。

(入江委員)

回答

先ほどの千葉県39.9パーセントですけども順位といたしましては、全国では一応3位となっています。

また、業務改善についての今後ですが、介護テクノロジーの活用促進につきましては、介護職員の負担軽減を図るということ、介護職員が利用者に向き合う時間や機会を増やしてケアの質を高めていくことも非常に重要であると考えています。

今後も、国の動向を注視しながら介護ロボットやICTの導入をしっかりと支援していきたいと考えています。

(中里高齢者福祉課長)

要望

県内の介護事業所は約1万2,000前後というふうに聞いているが、この県の事業を使って、2ヵ年で1,044事業所が活用ということになると、約1割程度ということになる。

民間の事業者で独自にICT化とか、介護ロボットの導入を進めているところも一定数あると思う。

令和8年度は、補助率が上がり、4分の3から5分の4ということで、8割補助されるというのは、事業者にとっても非常に導入するメリットが大きいと思うので、確実に周知をして、最大限に活用を促していただきたい。

(入江委員)

2)訪問介護等サービス提供体制確保支援事業

質問

最後に、これも介護のことだが、訪問介護等サービス提供体制確保支援事業について、9月補正予算でも類似の事業が計上されたが、ホームヘルパーの同行支援経費補助、経営改善専門家派遣、協働化・大規模化補助、こういったメニューがあったが、実績はどうか。

今回の補正予算によって、どのくらいの訪問介護事業所を支援していく見通しか。

(入江委員)

回答

まず、本年度の実績ですが、訪問介護事業所を対象に、経験豊かなホームヘルパーが経験の浅いホームヘルパーに同行して指導する取組に対する経費を助成する「ホームヘルパー同行支援経費補助」については、60法人から88事業所分、合計で1,130万円の補助金の交付申請があり、交付決定と概算払いを実施したところです。

また、訪問介護事業所の経営状況の改善等を支援するためのコンサルタント等を派遣する「経営改善専門家派遣」については、委託により、昨年10月24日から本年3月15日までの間、事業実施中です。現在、申込みのあった20事業所に対して、専門家を派遣して支援をしている状況です。

訪問介護事業所等を運営する小規模な法人を中心とした複数の法人により構成される事業者グループが相互に協力して行う人材育成や経営改善に向けた取組に要する経費を補助する「協働化・大規模化補助」については、2つの小規模な法人で構成する1グループから150万円の補助金の交付申請があり、今、交付決定が済んでいるという状況です。

また、今回の補正予算で計上している事業ですが、本年度の9月補正予算と同様の積算となっており、「ホームヘルパー同行支援経費補助」については約180事業所分を、「経営改善専門家派遣」については20事業所分を、「協働化・大規模化補助」については1グループ分をそれぞれ補助対象として見込んでいるところです。

(中里高齢者福祉課長)

質問

県内の訪問介護事業所の経営状況が非常に厳しいということで教えていただきたいが、事業所の休止や廃止の状況、県内でどのように把握しているのか。

(入江委員)

回答

県内の訪問介護事業所のうち、新たに休止になった事業所の数ですが、令和4年度が19件、令和5年度が21件、令和6年度が25件、令和7年度が4月から1月末時点までの10か月分で10件となっています。

一方で、廃止になった事業所の数ですが、令和4年度が75件、令和5年度が82件、令和6年度が98件、令和7年度が4月から1月末時点までの10か月分で68件となっているところです。

(中里高齢者福祉課長)

質問

分母を教えていただきたいが、どれぐらいの中での休廃止なのか。

(入江委員)

回答

今お話しさせていただいたうちの直近の令和7年度における1月時点の訪問介護事業所の休止数・廃止数について、2月1日時点の訪問介護事業所の数を基に、全事業所に占める休止・廃止の割合を算出しますと、休止の割合は0.6パーセント、廃止の割合は4.1パーセントとなります。

(中里高齢者福祉課長)

質問

分母、何事業所のうちというところをお答えいただいたか。

(入江委員)

回答

分母は、事業所数1,673になっています。

(中里高齢者福祉課長)

質問

手元で手計算したが、この3年10か月で休止が65、そして、廃止が323ということで、休止については他のところに移転した場合もというただし書きがあったと説明で記憶しているが、廃止については、3年10か月で323事業所が廃止ということでよいのか。

また、圏域別で結構だが、どういうエリアで廃止が増えているのか。

(入江委員)

回答

廃止数ですが、市町村外に転出した数も含んでおり、必ずしもすべてが事業を停止したわけではありませんので、少しわかならないところがあります。

圏域別ですが、令和7年度の訪問介護事業所の休止・廃止の割合を圏域別で比較した場合、休止の割合が多いところは、安房圏域で2.2パーセント、印旛圏域と香取海匝圏域がいずれも1.3パーセントとなっているところです。

廃止の割合が高いところですが、印旛圏域で6.0パーセント、東葛南部圏域の4.7パーセント、安房圏域と山武長生夷隅圏域はいずれも4.4パーセントという状況です。

(中里高齢者福祉課長)

要望

市外に転出した数も含まれているということではあるが、利用者目線から言えば、自分の住んでいるところで受けられる訪問介護サービスが同じ事業所から引き続き受けられなくなっているということでは、やはり影響というものは相当にあると思っている。深刻な状況である。

そういった中で、先ほど新年度予算のところでも、介護事業所へのICT化など生産性向上の取組を県が主導して進めていただいているということなので、これは財源的な問題もあるかもしれないが、しっかりと求められているニーズに県が寄り添って、引き続き、取り組んでいただきたいと思うので、最後に強く要望させていただく。

(入江委員)

議案第86号 和解について

県児童相談所一時保護所・元職員との訴訟に関する和解への対応、児童相談所一時保護所の環境改善

質問

1点目として、上告から和解に至る経緯はどうか。この裁判を通じて県が得たもの、今後の影響についてどのように考えているのか。

2点目として、和解内容にある「解決金50万円」についての考え方はどうか。第1審判決と同額のようだが、未払賃金や、遅延損害金は反映されているのか。

(入江委員)

回答

1点目として、東京高等裁判所で令和7年10月に開催された口頭弁論において、裁判所から和解の提案があったことから、相手方と協議を行ってきたところであり、県としても、

  • 元県児童相談所の職員である相手方との訴訟について、双方の合意による解決が図られること
  • 和解内容が、児童相談所の職場環境の改善に取り組む県の姿勢を示すことができるものであること

から、今回、裁判所の提案を受け入れ、和解することとしました。

県では、これまでも児童相談所やその一時保護所の職場環境の改善が急務であるという考えのもと、ハード・ソフト両面での対策をとってきているところであり、これからもそれをしっかり続けてまいります。

2点目として、解決金については、和解協議の中で決定した額です。第1審で、裁判所が未払賃金等の支払いを認めたことについては、重く受け止めています。今回の訴訟を早期に解決するために、必要な金額であると考えます。

(高木児童家庭課長)

質問

和解のため、詳しく説明できないということでよいか。

一時保護所職員の休憩時間の取得状況はどのようになっているのか。また、和解内容を履行するため、今後どのように実効性を担保していくのか。

(入江委員)

回答

一時保護所では、緊急の一時保護によりこどもが入所する場合や入所しているこどもの対応などにより、休憩時間を取得できず、時間外勤務手当を支給する場合があります。

休憩時間に関しては、「休憩時間割振・取得実績簿」の活用などにより、上司による勤務時間や勤務状況の把握に取り組んでいるところであり、引き続き、適正な勤務時間の管理に努めてまいります。

また、来年度に向けて、児童相談所一時保護所の児童指導員及び保育士を増員する予定であり、引き続き、人材の確保に取り組むとともに、業務の民間委託などを進め、職員の負担軽減を進めてまいります。

(高木児童家庭課長)

要望

各児童相談所においては、休憩の取得状況が低い状態である。和解条項の履行を行ってもらいたい。

(入江委員)

質問

一時保護所における職員配置の状況と一時保護課の療養休暇と休職の状況はどうか。

和解金は和解のため、詳しく説明できないということでよいか。

(入江委員)

回答

まず、各児童相談所の一時保護所の職員配置の状況は、令和7年4月1日時点で、中央児童相談所は52名、市川児童相談所は31名、柏児童相談所は32名、銚子児童相談所は19名、東上総児童相談所は17名、君津児童相談所は26名で、いずれも「一時保護施設の設備及び運営に関する基準を定める条例」に基づく配置基準を上回って配置しています。

また、令和7年度中に、1か月以上の療養休暇、休職を取得している一時保護所の職員は、令和8年1月31日時点で、中央児童相談所が8名、柏児童相談所が2名、君津児童相談所が3名です。

(上林健康福祉政策課長)

回答

第1審判決は50万240円とその遅延損害金の支払いを命じられ、和解金はこの金額より低い金額となっています。

もう1点、令和8年県内の一時保護所の定員について、令和8年度は印旛児童相談所及び松戸児童相談所の2つの児童相談所が新設されることから、児童相談所の一時保護所の定員が171名から47名増員の218名になります。

また、令和9年度は、銚子児童相談所と柏児童相談所の建替えにより、さらに15名増員し、233名となります。県の児童相談所の新設・建替えに加え、令和8年度中には船橋市及び柏市も児童相談所を開設することから、一時保護所の過密状況が改善されるものと考えています。

(高木児童家庭課長)

質問

長期療養休暇の職員が多いが、100パーセント代替職員が確保されているわけではないので、全力で職員の確保に努めてほしい。

一時保護所の入所率が依然として高いが、職員の加配をするなどの職員配置の考え方と対応はどうか。

新年度における一時保護所の夜勤体制を強化するとのことだが、夜間指導員の確保の見通しはどうか。

(入江委員)

回答

県では、4月1日時点の入所児童数に基づき、職員の配置基準を満たすよう一時保護所の職員を配置しています。

さらに、来年度は、夜勤を含めた体制強化を図るため、職員の増員を図ることとしており、令和7年4月1日時点の一時保護所の専門職員は、前年度と比較して24名増員し、令和8年度も増員を見込んでいる。業務の円滑な執行と職員の負担軽減が図れるよう、適正に配置してまいります。

(上林健康福祉政策課長)

回答

一時保護課の夜間勤務に従事する、会計年度任用職員の夜間指導員については、現在、72名雇用しているところですが、夜間の勤務体制の強化や一時保護課職員の負担軽減のため、更なる増員に向けて、人員の確保に取り組んでまいります。

(高木児童家庭課長)

要望

和解内容の履行に取り組んでもらいたい。

(入江委員)

病院局

議案第22号 令和8年度千葉県特別会計病院事業会計予算

1)病院現場における業務改善・働き方改革について
 委託業務の評価検証・適正化/医療DXの推進ほか

質問

大きく3点伺いたい。まず1点目として、医療現場における業務改善・働き方改革についてである。新年度における医療現場の業務改善や、働き方改革についてどのように取り組んでいくのか。

具体的な削減額や効果の見通しはどうか。

(入江委員)

回答

新年度における業務改善については、大きなものとして物品管理業務を見直し、新たに診療材料の購入業務を委託することとした。これにより診療材料の費用を令和6年度の実績と比較して数パーセントの削減ができる見込みである。

(矢野経営戦略担当課長)

回答

働き方改革について申し上げる。医師事務作業補助者の配置等の取組を通じて医師の時間外勤務の縮減が図られるなど、昨年度までに一定の成果があったものと認識しており、引き続き新年度においても、業務改善と合わせてこれらの取組を続けてまいりたいと考えている。

(土屋経営管理課長)

質問

具体的な削減額についてもお聞かせいただきたいが、やはり見える化をしていくことが必要だと思う。先ほどの診療材料の数パーセントの削減や時間外勤務の縮減について再度答弁いただきたい。

(入江委員)

回答

診療材料の削減額については、3年間の委託契約をしており、約7.6%の削減を見込んでいる。

(矢野経営戦略担当課長)

回答

時間外勤務の実績について、医師で申し上げると、働き方改革の取組前の令和5年度と、取組を始めた令和6年度で比較すると、医師の時間外勤務時間数で月100時間を超えた医師の数が令和5年度の20名から令和6年度は13名に7名減少、年間で960時間を超えた医師については令和5年度の17名から令和6年度は12名に5名減少といった状況である。

(土屋経営管理課長)

質問

アウトソーシングの活用状況についてお示しいただきたい。全体の委託業務の適正化や経費削減をさらに進めるため、データに基づく委託事業の評価・検証等を行う必要があると考えるが、いかがか。

(入江委員)

回答

委託業務としては、医事・給食・清掃・寝具等清掃・臨床検査・物品管理・滅菌・医療機器保守・院内保育所などを外部委託しているところである。

令和6年度決算における委託費は病院局全体で約51億9,000万円となり、医業費用に占める割合は約9%程度である。

新たな委託業務を発注する場合は、職員の負担軽減、業務の効率化、患者サービスの向上、費用対効果を考慮し、総合的に判断しているところである。

委託業務の適正化や経費削減のため、分析を進めることは必要だと考えているところである。

(矢野経営戦略担当課長)

質問

新年度における医療DXの取組についてお答えを頂きたい。

(入江委員)

回答

医療DXについては、循環器病センターの電子カルテの更新費用として約15億円を計上しているところである。また、その他の医療DXとして当初予算には計上していないが、今後研究していくこととしている。

(矢野経営戦略担当課長)

質問

国の補正予算に伴い、業務改善に使用できる補助金4,000万円を申請していると聞いているが、その対応状況はどうか。

(入江委員)

回答

業務改善等に使われる補助金の申請状況については、県立病院が申請しており、内容は賃上げについて使用する予定である。

(矢野経営戦略担当課長)

質問

補助は賃上げについてのみ使用して終わりということで良いか。

(入江委員)

回答

賃上げの金額が高額であるため、賃上げの方に充てるだけで補助金は使い切ってしまう。

(矢野経営戦略担当課長)

要望

国の方では医療DXを2030年目標でかなり具体的に進めているが、病院局として国の医療DXの動きをどのように捉えて、対応をしてくのか。病院局として医療DXの対応方針等を定めていく必要があると考えるが、いかがか。

(入江委員)

回答

国ではデジタル技術の活用による医療の質向上、業務効率化、健康づくりや医療産業の振興を目指す医療DXを推進しているところである。病院局としても医療DXは重要だと認識しているところである。

国の動向や他の先進事例なども注視しながら、効果を確認検証のうえ検討していきたい。

(矢野経営戦略担当課長)

要望・質問

委託業務については全体で約52億、9%であるとのことであるが、これまでは委託業務はコスト削減の意味合いで進められていたと思う。しかし、人件費や物価高が進む中で厳しい財政状況と語られていたので、よりシビアに業務委託のあり方を見直す必要があると考えている。

答弁に先立つ勉強会においても、1つ1つの業務委託は精査している印象を受けたが、全体としての病院局の業務委託をどうしていくのか、大きな見直しの視点が感じられない。

県立病院だけではなく、多くの病院が今人口減による患者数の減少や物価高による支出の増、こういった様々な要因による経営難に直面しているということは当局と認識を一にするものだと考える。

そういった中で他の病院においては、病院経営の委託業務の質の評価や人件費と物件費のバランス、将来の推計はどうなっていくのか、きちんと定量的にデータをしっかりと捉まえて分析、対応している病院が増えている。

委託業務については委託できるものを全て委託するというものではなく、中には技術の継承など重要なこと、直営でやるべきものもこの段階ではあると認識している。

今回医療DXについて、業務改善・働き方改革の中で質問した意味合いであるが、今後委託業務の中でも人に代わってAIや生成AIに取って代わる業務があると言われている。例えば、医師事務作業補助者は業務内容がAIでカバーできる領域と言われており、また、医療事務についても生成AIに代替可能とも言われている。デジタル技術の進歩によって人を雇わなくても対応できるポジションも生じる可能性があると思う。

そういったことも含めて業務改善、委託事業も含めた事務事業の見直しについて、データを蓄積する中で今後の方向性を考えていただきたい。人を増やすことはなかなかできないし、委託業務もコスト削減とは一概に言えないと思う。

限られた病院局の人材を経営企画などコスト削減や収益を生むことにつながる分野によりシフトをしていただく必要があると考える。この点についてご見解があれば伺いたい。

(入江委員)

回答

委員ご指摘の点は我々も重要な点と考えているので、他の病院の事例や研究も含めて検討していきたい。

(矢野経営戦略担当課長)

要望

しっかりと、研究ということではなく、スピード感をもって方向性を考えていただきたいと思う。令和7年度から10年度を計画期間とする県立病院経営強化プランも見させてもらったが、特にデジタル化の対応について、非常に漠然とした記述であった。このことについても病院の現場任せ、業者任せではなくて、病院局自らが県民の命と健康を守るという確固たる使命感を持って、病院経営にあたっていただきたい。先ほどの抜本的な経営改革に取り組むということであったので、こういった観点を盛り込んだうえで進めていただきたい。

(入江委員)

2)院内感染防止策について
 薬剤耐性菌アウトブレイクへの対応

質問

薬剤耐性菌アウトブレイクに対する認識はどうか。また、各病院における発生状況はどうか。

新年度の発生防止に向けて、どのように取り組んでいくのか。

(入江委員)

回答

病院内で抗菌薬が効きにくい細菌、MRSA等の薬剤耐性菌による集団感染、いわゆるアウトブレイクが発生した場合、患者の重症化や入院期間の延長などにつながる恐れがあるほか、患者の隔離や新規の入院の制限などにより診療に影響を及ぼすことが懸念される。

各病院における直近3カ年の薬剤耐性菌アウトブレイクの発生状況は、こども病院で令和5年度に12件、件は人数となるが、令和6年度に7件、令和7年度はこれまでに3件の発生が報告されており、他の4病院では報告されていない。

新年度の発生防止に向けて、院内感染の発生の未然防止のためには、手指衛生や環境整備、正しい個人防護具の使用などが重要とされている。

新年度においても、こうした基本的な感染防止対策に継続して取り組むとともに、病院局の院内感染管理に関する会議において、国や学会などの感染対策の最新の知見等を各病院と共有していく。

(坂副参事兼医療安全安心推進室長)

質問

こども病院で劇的に院内感染を減らすことが出来たという答弁だが、具体的な取り組みはどうか。努力している点があると聞いている。

(入江委員)

回答

こども病院では、薬剤耐性菌の感染防止のために手指衛生や環境整備に継続的に取り組んでおり、直近3か年の発生件数が減少しているところである。

(坂副参事兼医療安全安心推進室長)

質問

環境整備のひとつとして専門的な清掃業務を行ったことで、手術室や病室で対策が効果的に行われたと聞いている。紫外線照射による消毒や清掃作業が行われており、医療者個人の手指消毒というのも基本中の基本ではあるが、こういった清掃業務がとても効果的であるという理解で良いか。

(入江委員)

回答

ご指摘のあった清掃と手指衛生が、並行して定められた手順を守ることと、清掃業者との連絡を密にすることなどにより感染対策が充実したと聞いている。

(坂副参事兼医療安全安心推進室長)

要望

先程の委託業務の点でも述べたが、こういった効果検証をしっかりと共有していただき、良いところは他の病院でも取り入れていただきたい。

(入江委員)

3)新興感染症対策について
 5病院における有事の際の病床確保や人員体制

質問

新興感染症防止について、新年度において新型コロナウイルス、新興感染症について具体的にどのような対策を講じていくのか、具体的に病棟における陰圧室などの整備や、有事の病床確保、人員体制についてはどのようになっているか。

(入江委員)

回答

新型インフルエンザ等感染症、新感染症などに必要な措置を迅速かつ的確に講じることにより、医療提供体制を確保することを目的に、千葉県健康福祉部と各県立病院において医療措置協定を締結したところである。

協定では新感染症発生時に各病院に病床の確保数が定められているところである。各病院ではその病床数を確保するため、陰圧室の整備等を進めてきているところである。

また、新感染症等の発生時に対応するための人員体制については、各病院において新感染症等の状況に応じて適切に対応することとしている。

(矢野経営戦略担当課長)

質問

各病院の陰圧室はどのくらい増えたのか。感染症に対応するための個室化や換気などの環境整備はどうなっているのか。

(入江委員)

回答

現在の県立病院における陰圧機能を備えた病床数をお答えする。

がんセンターが12床、総合救急災害医療センターが7床、こども病院が3床、循環器病センターが6床、佐原病院が10床ということで全体としてコロナ以前よりも増加している。

(土屋経営管理課長)

質問

何床増加しているのか。すべてデータに基づいて見える化していくことが必要だと思う。

(入江委員)

回答

がんセンターが12床から12床で同じ、総合救急災害医療センターは、令和5年度に新病院になったので比較する数値がない。

こども病院が0床から3床、循環器病センターが6床から6床、佐原病院が4床から10床になっている。

(土屋経営管理課長)

要望

そういった形でしっかりと見える化して各病院の取組を引き続き促していただきたい。感染症対策として薬剤耐性菌と新興感染症について取り上げた。

病院局においてもこういったことを財源が厳しい中ではあるが進めていかなければならないと考える。特に薬剤耐性菌(AMR)の拡大はWHOでも人類最大の脅威として最大の警戒をもって各国に対応するように呼び掛けている。

また、新興感染症についてはコロナが沈静化しているが、気候変動に伴い人獣共通感染症という新興感染症がいつ急に発生するか分からない。病院局が前回のコロナの時も最前線に立って公立病院としての役割を果たしてきた。

こうしたいつ来るか分からないパンデミックに備えた改修や訓練を十分に行っていただきたい。様々な課題が病院局はあり、財政的な面は仕方ないと思うが、こういった現場での取り組み、それをバックアップする病院局の仕事は、もっとより厳しく精緻という気構えで、令和8年度は行っていただきたい。

外部の人も入れた検討会議も必要だが、自ら足元でできることにしっかりと取り組み、そういった意識をしっかりと持って令和8年度の事業運営に取り組んで頂きたい。

(入江委員)