令和3年2月議会 健康福祉常任委員会 審議状況(病院局/入江質疑箇所)

2021年2月22日(月)

なお、質疑要旨は正式な議事録ではありません。

議案第22号 令和3年度千葉県特別会計病院事業会計予算について

質疑

質問

医師確保の見通しについて、各病院における医師不足の現状と診療の影響はどうか。

(入江委員)

回答

循環器病センターでは、整形外科、眼科について、外来診療を実施しているが、入院対応は行っていない。

佐原病院では、産科について、入院・外来とも休診している。また、婦人科・小児科・眼科・耳鼻咽喉科については、外来診療を実施しているが、入院対応は行っていない。

こども病院では、産科について、胎児心臓超音波外来は実施しているが、分娩は休止している。

(武内経営管理課長)

質問

各病院における退職医師、スキルフルドクター確保の見通しはどうか。

(入江委員)

回答

定年退職者については、5名である。スキルフルドクターの見通しについては、採用に向けて現在調整を行っている。

(武内経営管理課長)

質問

臨床研修医、レジデントの採用状況はどうか。

(入江委員)

回答

臨床研修医については、来年度13名の募集に対し、13名採用のフルマッチとなる見込みである。
レジデントについては、20名程度の募集に対し、現在15名が内定している。

(武内経営管理課長)

質問

臨床研修医からレジデント医、レジデント医から県立病院の常勤医師となった数はこれまでどれぐらいか。また、どの程度定着しているのか。

(入江委員)

回答

過去3年の状況について、臨床研修医からレジデントになった人数は、30年度が1名、31年度が1名、令和2年度が2名である。

レジデント医から県立病院の常勤医となった人数は、30年度は3名、31年度が9名、令和2年度が3名である。

(武内経営管理課長)

要望

各病院で、標榜している診療科の医療が提供できるよう、引き続き医師確保に努めてもらいたい。

定年退職医師の年齢が65歳であるが、経験豊富な医師はスキルフルドクターとして引き続き、後進の育成、臨床の現場で力を貸してもらえるよう、積極的に働きかけてもらいたい。

県立病院の将来を担う医師を育て、定着してもらうために、指導医の確保と研修プログラムの充実をさらに図ってもらいたい。

千葉県では高齢化が急速に進み、高齢者の医療ニーズが増々増えている中、地域の中核病院である循環器病センターや佐原病院において、住み慣れた地域で、暮らし続けるために、在宅医療や訪問看護の受け皿として整備を進めてもらいたい。

診療科の壁を取り払い、全人的に患者を診る専門医である、家庭医・総合医と称されるプライマリードクターの育成に力を入れてもらいたい。

病院局、健康福祉部の医療政策部門にもこれまで求めてきたが、県立病院は、高度専門的な先進医療も大事だが、地域医療を担う医師の養成、訪問看護などの看護師の養成、認定看護師の取得にも力をいれてもらいたい。

(入江委員)

質問

新年度における会計年度任用職員、嘱託職員と呼ばれる非常勤の方、この職種について、正規の職員へ移行を検討しているとかねてから聞いているが、新年度においてはどのような状況か。

(入江委員)

回答

新年度における会計年度任用職員から正規職員への移行状況であるが、チャイルドライフスペシャリスト及び遺伝カウンセラーのフルタイムの会計年度任用職員の業務について、正規化することとした。

(武内経営管理課長)

質問

新年度における採用状況についてはどのようになっているのか。

(入江委員)

回答

現在、来年度の採用について事務を進めているところで不確定な状況だが、まずチャイルドライフスペシャリストの業務を行う子ども療養支援専門員については、2名の募集に対して1名が選考考査に合格した。遺伝カウンセラーの業務を行う遺伝相談員については、3名の募集に対して1名が選考考査に合格したという状況である。

(武内経営管理課長)

要望

募集定員に満たないという状況のようである。引き続き質の高い医療を提供して、患者の満足度を高めるためには、医師や看護師だけではなく、そういった専門家の方の処遇をしっかりと改善し、定着していただく必要があると思う。その専門家について引き続き正規の職員の確保について努めていただきたい。

また、先ほど病院局の新年度予算について縷々ご説明があった。新年度において経営改革プランを新しく策定するという大きな仕事が待っていると思う。これまでのようにコストの縮減、こういったコスト意識を一人ひとりの病院局の職員が持つことは大事だが、先ほど来、厳しい状況が続いている医師確保、専門職の確保によって質の良い、県民から喜ばれるような医療提供体制を作っていく、そのことによって攻めの病院の運営を行っていく、そういった視点にこれからしっかりとなっていただきたいと思う。各診療科における決算収支についてこれまで分析されていなかったということだが、各病院における細かな経営状況についても経営改革プランの策定にあたってこれから分析されていくと聞いている。ぜひ県立病院の患者が受診したいと思えるような医療提供体制を作っていただきたい。

(入江委員)

議案第59号 千葉県病院事業の設置等に関する条例の一部改正条例の制定について

質疑

質問

佐原病院の病床数削減について、まず、地元の二次医療圏の自治体や地域の医療機関との協議ではどのような意見があったのか。

次に、当病院における許可病床・運用病床・病床稼働率の推移はどうか。

(入江委員)

回答

香取郡市医師会・市内各病院に説明したところ、どの関係者からも、「香取地域では緊急時に入院が可能な在宅療養支援病院がこれまでなかったため、高齢化が進む当地域の医療ニーズに即した在宅療養支援病院になることはありがたい」ということで、理解いただいたところである。

許可病床数については、平成8年度の新館建設工事の完成以降、241床となっている。また、運用病床については、平成29年度までは211床であったが、耐震化工事や、訪問看護関連のシフト等があり、平成30年度は202床、令和元年度は177床となっている。最後に、病床稼働率の直近5か年の状況については、約6割から7割となっている。

(山本経営企画戦略室長)

質問

病床稼働率が約7割とのことだが、実際に使われている病床は約120床から130床ということか。病床削減した場合、受入体制への影響についてどう考えるか。また、入院患者数の推移はどうか。

(入江委員)

回答

入院患者数については、直近5年間の延入院患者数は4万人から5万人の範囲で推移している。日々の病床稼働率の推移を考えると、概ね130床前後、多いときで150床程度の稼働で推移している。今回病床数を削減し200床未満とするところであるが、入院等の受入れに影響はないものと考えている。

(山本経営企画戦略室長)

質問

病床削減に伴う他の影響は、具体的にどのような面で出てくるのか。

(入江委員)

回答

病床数が200床未満となることで在宅療養支援病院としての認定を受けることとなり、地域包括ケア病棟の入院や外来管理などの診療報酬の加算増が見込まれる。具体的には、地域包括ケア病棟入院料、基本加算、特定疾患療養の管理料などで、令和元年度ベースの患者数で推計すると、約6400万円の収入増が見込まれる。

また、200床未満の病院になると、地域医療の臨床研修の場として、臨床研修医の派遣が引き続き受けられる。地域医療部門の研修は200床未満の病院に限られるので、佐原病院では引き続き派遣を受けられるものと認識している。

(山本経営企画戦略室長)

意見

241床から199床へ病床削減するという条例改正について、現場の実情に応じた病床数とした上で、新しい改革プランをスタートしてもらいたい。佐原病院は昭和30年代の開設以来、地域の中核病院として、24時間365日の救急受入や、高度救命救急病院と連携した急性期地域を担う医療の要となっている。医師が少なくなり、患者数も減ったということで、病院からは高齢化の進む地域の医療ニーズにマッチした診療体制とするよう見直してほしいと意見が出ていた。今回条例改正に至ったことに感謝するとともに、本案に賛成する。

(入江委員)

諸般の報告等に対する質疑:東千葉メディカルセンターへの看護師派遣について

質問

東千葉メディカルセンターへの県立病院からの看護師派遣についてお伺いしたい。

メディカルの法人との協定を結んでいると思うが、どのような内容か。

これまでの派遣実績と今後の見通しについてどうか。

併せて県立病院からどのようなキャリアを持つ看護師が派遣されているのか。

(入江委員)

回答

協定の内容は、公益的法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律及び公益的法人等への職員の派遣等に関する条例の定めるところにより、派遣職員の勤務条件、派遣期間、福利厚生等について、取り決めているところである。

これまでの派遣実績は、平成24年度から看護師等を派遣しており、令和2年度は15名を派遣している。今度の見通しについては、東千葉メディカルセンターからの要望を踏まえて職員の派遣について適切に対応してまいりたい。

どのようなキャリアの看護師かについては、令和2年度は、東千葉メディカルセンターからの要請に基づき、副看護部長1名、看護師長2名、副看護師長2名、看護師等10名を派遣している。

(武内経営管理課長)

要望

市町が行った、また、千葉県が調査したところ、事務部門に関しての給与のチェックが非常にずさんであったと。人事評価も全く無視したようなでたらめなことが横行していたということだが、担当部局については、きちんと人事評価を行っていたということで、給与も適正な額が支給されていたとお聞きしている。県立病院から派遣されていた看護師の方が、設立当初からかなめになってこちらの団体に貢献されているということがあるので、そういった状況をお聞きして、非常によかったなと。県立病院としてきちんとチェックされているなということが確認できた。引き続きしっかりとこれからもチェックしていただきたい。

それから、東金病院が廃院してその後継機関をメディカルが担っているわけである。先ほどの答弁では、いつまで看護師の派遣とするのかは、方針はまだわからないということだったが、引き続き県立東金病院の後継の医療機関でもあるので、できる限りの県立病院としての支援をしていただきたい。

(入江委員)

質問

県立病院から東千葉メディカルセンターに派遣している職員の給与は確認しているのか。

(入江委員)

回答

給与については、経営管理課において金額を確認している。

(武内経営管理課長)

要望

市町が行った調査では、事務部門への給与のチェックや人事評価は非常にずさんだったが、看護部門についてはきちんと人事評価を行っており、給与についても適正な額が支給されていたと聞いている。今後もきちんとチェックを行ってほしい。

(入江委員)