令和4年6月議会 健康福祉常任委員会 審議状況 健康福祉部/病院局(入江質疑箇所)

2022年6月13日(月)

なお、質疑要旨は正式な議事録ではありません。

健康福祉部

議案第4号民生委員定数条例について

質問

民生委員の定数を算出するうえでの基準はどのようになっているのか。

(入江委員)

回答

民生委員の定数は、厚生労働大臣の定める基準を参酌して、市町村長の意見を聞いた上で、条例で定数を定めることとされています。

具体的な参酌基準は、人口10万人以上の場合は170~360世帯ごとに1人、人口10万人未満の市の場合は120~280世帯ごとに1人、町村の場合は70~200世帯ごとに1人となっているが、市町村ごとの管内人口や面積、地理的条件、世帯構成の類型等を総合的に勘案し、住民に対するサービスが適切に行えるよう地域の実情を踏まえた弾力的な定数の設定をすることとなっています。

(始関健康福祉指導課長)

質問

各自治体における欠員状況はどうか。また、年齢構成はどうか。

(入江委員)

回答

令和4年4月1日現在、6,389名の定員に対し、現員は6,193名で、充足率は96.9%、196名の欠員となっています。欠員のある自治体は、政令市、中核市を除き27市町あります。そのうち10名以上の欠員が出ているのは8市であり、木更津市が25名、松戸市が23名欠員、市原市が17名欠員などとなっています。

また、民生委員の年齢構成は、政令市、中核市を除く令和元年の一斉改選推薦時のデータでは、60代が最も多く約52%、ついで70代が約38%、50代が約8%です。

(始関健康福祉指導課長)

質問

国の特別公務員として、活動費年間60,200円が交付税措置され、支給されているほか、市町村で上乗せをしていると聞いている。県内各自治体における上乗せの状況はどうか。

(入江委員)

回答

政令市、中核市を除く51市町村のうち独自に活動費の上乗せを行っている自治体は48あり、上乗せ額は一番少ないところが5,000円、一番多いところは92,400円となっています。

(始関健康福祉指導課長)

質問

県として、民生委員のなり手確保に向けて、世代的な偏りもあるなか、どのように取り組んで市町村を支援していくのか。

(入江委員)

回答

なり手確保のため、若い世代を含め、広く県民に民生委員活動を知ってもらうよう、ラジオCMや千葉テレビの「千葉県インフォメーション」での放送、県民だよりへの掲載、郵便局でのポスター掲示などを行い、広報啓発に努めています。

また、民生委員に対し、知識の習得、スキルアップの他、委員同士のつながりを持ってもらうことで心理的負担を軽減できるよう、研修内容の充実に努めているところです。

さらに、県退職予定者の説明会で民生委員の勧誘を行っています。

今後も市町村や民生委員協議会と連携し、民生委員の確保に努めていきます。

(始関健康福祉指導課長)

諸般の報告・その他

(1) 子ども医療費助成事業について

質問

初めに、子ども医療費について伺う。5月20日に市町村の担当者へ説明会を行い、月額上限を新たに設けることを示したということだが、その考え方についてもう少し丁寧にお知らせいただきたい。

市町村への影響についてはどうか。現在自己負担無料から300円までばらつきがあるが、負担軽減が見込まれる市町村、逆に負担増になる市町村はどれくらいになるか。

(入江委員)

回答

5月20日の市町村説明会では、子どもの長期入院や月に何回も通院するなど医療費負担が多くなっている保護者の負担軽減を図るために、ひと月に入院日数10日、通院回数5回を超えた場合に、それ以降の自己負担が生じないようにするために、月額上限を導入したい考えをお示ししたところ。

市町村への影響については、制度上は県、市町村それぞれの負担率が1/2となっているため、市町村影響額の総額も同額と考えるが、従来から独自に自己負担額の軽減を行っている市町村については、制度の導入によって市町村負担が軽減される場合もある。

具体的には、市町村毎の影響額は算出できていないが、新たな制度において負担軽減が見込まれる市町村は、未就学児について自己負担を無料としている団体のうち、15団体と見込んでいる。それ以外の39団体については負担増が見込まれる。

(篠塚児童家庭課長)

質問

具体的な市町村毎の試算は行っていないということだが、もう一方で、この導入の実施については、令和5年、来年の8月からと答弁が本会議でもあった。いろいろな課題が予想されるが、千葉県と各自治体においてどのような課題があるのか、市町村からどのような意見が出されているのか。

(入江委員)

回答

市町村からは、今後のスケジュールや医師会等との調整の状況、医療機関に対する働きかけ等に関するご質問、ご意見をいただいている。現在、県、市町村で必要となる業務とスケジュールの整理をおこなっており、審査支払機関との調整も進めているところ。

(篠塚児童家庭課長)

質問

来年度の予算編成にも関わってくる部分とも思うが、具体的なスケジュールとしては、5年の8月から導入を進めるということでよいか。

(入江委員)

回答

令和5年8月からの導入を目指して進めていきたい。

(篠塚児童家庭課長)

(2) コロナ感染症対策 高齢者施設等における医療支援強化について

質問

各市町村の現場では、医療費のシステムについてもまちまちと聞いている。また、システム改修についても、市町村の負担が生じ、導入にむけて、非常に難しい課題が山積していると思う。市長会からも毎年いろいろな要望が子ども医療費について出されている。私たちは、全国一律の制度として無料化を行うことが最終ゴールだと捉えている。そういった中で、県内一律の制度の確立、また、地域間格差の解消等も要望されており、これをどのように進めていくのかは、大きな関心事。県の今後の取組の方向性についてお聞かせいただきたい。

(入江委員)

回答

各市町村において、状況に応じて独自に取り組んでいる制度があることは承知をしているが、県としては、現行制度で支援の必要性が高い年齢はカバーしており、今後も安定的に維持運営していくことが重要だと考えている。議員がおっしゃる通り、この制度は統一した制度の下に、国、県、市町村が一体となって取り組んでいく必要があると考えるため、あらゆる機会を通じて全国統一の制度創設に向けて国に要望をしていく。

(篠塚児童家庭課長)

要望

県の方としても一層の働きかけをしていただきたい。私としても全国一律の制度の創設についても、働きかけていきたい。

(入江委員)

質問

オミクロンのコロナ感染拡大。年明けから、先ほどの対策監の話にあったとおり、まだ、完全に収束という段階ではありませんが、年明けの感染拡大に伴って、特に高齢者施設等において医療支援体制はどうだったのか。そういった観点で何点か伺いたいと思います。

施設内療養の数も増加し、保健所機能のひっ迫も生じて施設現場では大きな負担が生じていたことも明らかになっています。また、3月18日国からの事務連絡において、特に高齢者施設等においての体制強化について県の方に要請が来ていると確認している。そこで初めに、国の通知に出されている高齢者施設等といった場合の対象ですね、ここに障害者施設が入るのかなど、いろいろな読み取り方ができますが、その点についてお聞かせいただきたい。次に高齢者施設等においての入所者のコロナ陽性者が確認された施設に対する県の支援状況はどうだったのか。この2点について伺います。

(入江委員)

回答

始めに、高齢者施設等といった場合の対象ということですが、その時々によって意味合いが違ってくることがありますけれども、ご指摘の3月の国の通知に関して言いますと、いわゆる特養、老健、介護医療院といった介護保険3施設のほかに、例えば有料老人ホームですとか、認知症グループホームといった実質的な入所施設、そういったものも含めているということであります。

高齢者施設等においてコロナ陽性者が確認された場合の支援状況ということですが、クラスター等対策チームを現地に派遣しての感染防止指導を中心として、特に衛生物資が不足していた時期には、県で備蓄している物資を個別に配布すること、また、感染防止に必要となるかかり増し経費の助成などを実施しております。また、年度が明けてからは、感染者が発生した施設に迅速に感染範囲を明らかにするための抗原検査キットの事前配付なども実施しているところです。

(田中高齢者福祉課長)

質問

対象施設については分かったんですけど、何施設くらいあるのか、併せて教えていただきたいと思います。

また、2月に入ってからの感染拡大時には、施設内で陽性が判明した方の施設内療養が増えていたと聞いているが、千葉県内で実態についてどのように把握しているのか。

また、介護が必要な方の入院先が見つからない、あるいは軽症のため施設内での療養が妥当だというように、様々なケースがあると考えられますけれども、その判断についてはどのような形で行われていたのか。

(入江委員)

回答

まず、高齢者施設等の数ということですけれども、県内で政令中核等含めて先ほどのような定義ですと、約2,200施設ございます。

施設内療養の状況の把握ですけれども、ご指摘のとおり、今回のいわゆる第6波、オミクロン株につきましては、その大半が感染しても無症状あるいは軽症ということがありました。高齢者にしても全体からするとそのような傾向がありましたので、高齢者施設につきましても、施設内療養の方の割合が多い状況につきましては、施設からの報告、あるいは聞き取り、加えて施設にリエゾン派遣した時に現地の状況を把握しているところです。

(田中高齢者福祉課長)

回答

私から、施設療養の判断についてございますが、新型コロナウイルス感染症患者の療養先については、患者等を管轄する保健所において、患者の容態などを勘案して決定しております。療養先には、大きく入院、宿泊療養施設、自宅と分けられますけれども、施設に入所されている場合は、施設で療養していただくこともございます。

保健所では、施設で患者が療養することが可能か、施設内での患者の発生状況や、スタッフの対応が可能か、感染拡大防止対策を講じることができるか、施設内における医療提供体制などを勘案して、総合的に判断しております。

(出浦疾病対策課長)

質問

御答弁では、どれくらいの施設内療養の数があったのか、そういったことは掴んでおられないという理解でいいのか、私も自分で調べてみたが、そういった数を把握するような調査が行われていないようだった。国がそのような形で施設内療養に対するかかり増しの費用の予算を拡充してきたという経緯も3月18日の通知を受けて書かれておりましたが、そのあたりの状況がどうなのか教えていただきたいと思います。

(入江委員)

回答

施設内療養の具体的な数ということですが、一定期間、感染が判明した後に、施設内療養した後に病院に搬送される方、あるいは、ある程度回復して戻ってくる方、常に入れ替わりがありますので、なかなか網羅的に把握することが難しいということがありますが、時点時点で捉えた調査ですと、例えば1月末の時点で調査をかけましたところ、県所管の入所施設におきまして感染者が314人、そのうち239人が施設内療養で約4分の3が施設内療養という状況でした。その後の調査においても同様であり、割合としては、大半が施設内療養という状況でした。

(田中高齢者福祉課長)

要望

報道ベースではありますが、東京都においては、2月中の感染者、施設内療養の数というのがかなりいて、亡くなった方が35人、1割程度が施設内で療養して亡くなったというデータもあります。千葉県においては、踏み込んだ実態は捉えていないということでしたけれど、これから、どういった形で実態把握ができるかということも相談しながら研究していただければと思います。

(入江委員)

質問

次に、この3月18日の通知におきまして、施設に往診派遣を要請できるお医者さんや看護師さんが派遣できる医療機関を事前に確保するなどの対応を行っている、そういった施設がどのくらいあるのかといった調査項目がありました。千葉県の状況はどうだったのか。またその後、県としてそういった施設における医師、看護師の往診派遣についてどのように取り組んでいるのか。

(入江委員)

回答

5月の時点での調査ですが、県内の入所施設約2,200施設中、施設の方で独自に往診等が可能な協力医療機関等を確保している割合は56%でした。

それ以外の施設については、今後、施設の方で協力医療機関等との更なる連携等を働きかけるほか、地区医師会あるいは地域の基幹病院等との連携強化を図っていく、そのいった働きかけを行うことで、適切な医療提供体制の確保に努めてまいりたい。

(田中高齢者福祉課長)

要望

56%ということで半数少しの状況ということがわかりました。4月6日付けでも、厚生労働省から日本医師会、地区医師会に対しまして、そういった体制を速やかに進めるようにという通知が行われておりますので、県としても医療現場、また、施設との仲介をする中で、きちんと往診体制を、各施設が不安のないように医療にアクセスできるよう、進めていただきたい。

(入江委員)

質問

千葉県においてクラスター等対策チームが編成されており、陽性者が出た施設に医師・看護師・FETP等の専門職を速やかに派遣するスキームができているが、オミクロン対応における活動実績、課題等をどのように捉え、今後の活動実績につなげていくのか。

(入江委員)

回答

コロナ陽性者が発生した高齢者施設等への派遣については、本庁関係課や各保健所において、協力医療機関等の状況や当該施設のこれまでの派遣状況、経験等を踏まえ、優先度等を含めて、迅速かつ適切に対応しているところです。

派遣実績としましては、令和3年度で高齢者等108施設に派遣を行っており、令和4年度は6月10日時点で36施設に派遣を行っています。

派遣対象施設が急増した場合につきましては、派遣対象者の調整に苦慮すること等が課題となりますが、クラスター等対策チーム派遣後の各施設での対応結果を丁寧に検証し、感染管理医師、感染管理看護師等において、陽性者の病状把握や入院の方針、施設内での感染対策、それぞれの施設での課題、今後の対応等を把握した上で、関係課・管轄保健所・クラスター等対策チームの登録メンバー等で情報共有し、今後の再発防止、感染予防等に繋げているところです。

(小澤健康福祉政策課副参事)

質問

施設内でコロナ陽性者が発見された場合に速やかにクラスター等対策チームを派遣すること、また、入院が必要な高齢者の入院調整、それが難しい場合の施設内療養といった順番になるかと思います。施設内療養は、できることなら避けなければならないですが、医療資源には限りがありますので、全て陽性者が入院する必要もないということもあり、そこのバランスをとって感染拡大時に対応するということで各県の医療提供体制の取組が求められています。第6波までの様々な実績や取組を検証する中で、次の第7波になるのか、第6波がしばらく続くのかわかりませんが、取り組んでいかなければならないと思います。

4月6日付け厚労省からの医師会への通知にもありますが、高齢患者の受入れを想定した更なる病床確保、回転率向上に向けた対応強化について要請が行われています。臨時医療施設をはじめとする既存病床の確保や要介護の高齢者に対応した人員配置、感染制御を行うことによる受入れ能力の拡充、地域包括ケア・慢性期病床等における積極的な受入れ体制、後方支援病院の確保など、様々なことが示されていますが、オミクロンの通知を受けて、県はこのような取組について、具体的にどのように対応しているのか。

(入江委員)

回答

感染拡大時におきましては、病原体を保有していないなどの退院基準を満たしていても、引き続き入院管理が必要な患者の転院が滞り、病床の効率的な活用に支障が生じるようなことも想定されます。

高齢の患者の方々を受け入れることも含め、病床確保につきましては、県内医療機関の皆様に依頼をしており、後方支援医療機関として6月10日現在で、116の医療機関を確保しています。併せて、退院する要介護高齢者の受入れについて了承の得られた介護老人保健施設90施設を確保しています。このリストを基にして、新型コロナウイルス感染症の感染性がなくなっても、引き続き入院管理が必要な高齢者の受入れについて、各病院間で転院調整等を行っていただいています。

その他、後方支援医療機関向けの研修会の開催等も行っており、感染性がなくなった高齢者、要介護の高齢者の受入れが円滑に行われるよう努めるとともに、感染拡大による入院患者の増加に備え、必要な病床数を確保し、臨時医療施設も含めた効果的な運用に努めているところです。

(小澤健康福祉政策課副参事)

要望

第6波は低下傾向にあるが、引き続き予断を許さない状況は続いていると思われます。基礎疾患があり重症化リスクが高い高齢者が、極力施設内療養にならないようにサポートしていくことが必要と思いますが、様々な感染ウイルス株が出てくることも見越して、色々なシミュレーションを行い、現場の医師・看護師、施設の方々との意思疎通を図りながら、コロナによって生命を落とさないよう、きめ細かな体制づくりについて、引き続き力を入れていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

(入江委員)

病院局

諸般の報告に関する質疑

医師の働き方改革について

質問

昨年度、県の地域医療勤務環境改善体制整備事業を活用して県立病院において医師の働き方改革に向けた委託調査を行ったと聞いている。その結果、成果と課題についてどのようなものが見えてきたのか。

(入江委員)

回答

病院局では、昨年度、地域医療勤務環境改善体制整備事業を活用して各県立病院における医師の時間外勤務縮減計画策定等の支援を委託事業により実施したところである。

成果として、各病院内に検討委員会等を設け、医療関係者間において、問題意識を共有できたこと、また、対応策について積極的な議論ができたことなどが挙げられる。

一方、課題として、時間外勤務の縮減目標やタスクシェア・タスクシフトなどの対応策等を計画にまとめたが、それだけでは、なかなか改善が進みづらい内容もあり、業務内容の見直しなど、対応策の検討の幅を広げる必要があると認識している。

(伊能経営管理課長)

質問

確認だが、今年度委託事業により時短計画ができたとのことだが、そちらの計画に沿って、現在試行は始めているのか。

(入江委員)

回答

令和3年度に、各病院において時短計画を作っているため、その時短計画に従って、今年度、既に業務に着手している。

今年度もこの環境体制整備事業補助金を使って、事業を継続することにより、近々、また外部委託により業者を選定して進捗管理を行っていく予定である。

今始めている時短計画の計画どおりに進んでいない場合は、改めて院内で見直しの必要があるかどうかを検討するという予定で進めている。

(山本経営戦略担当課長)

要望

県立病院において、ほとんどの病院がコロナの感染対策に取り組む中、こういった時短計画を作り上げていくということは、大変なご苦労が現場にはあったと思う。そういった中で、委託ということで、第三者が入って、具体的に積極的な議論が行われたという成果をお聞きした。

医師の働き方改革は、コロナ過で難しさが増していると思うが、諸般の報告でもあったが、常勤医師を定着して働き続けてもらうことが、病院の経営改善の一番の大きな柱でもあり、持続的な病院運営をしていく上で、働き方改革にかかっていくものと認識している。引き続き、今行っている計画が、進捗管理がしっかりと行われるよう、委託先である事業者と病院現場と密に連携し、令和6年度のスタートに向けて取り組んでいただきたい。

(入江委員)