マイナンバーカードの普及状況を地方交付税や各種交付金に反映させることについての意見書(案)

政府は、来年度以降の普通交付税の算定に、各自治体のマイナンバーカード交付率を反映させる方針を示している。地方交付税は、すべての自治体が一定の行政サービスを行う財源を保障するために、国が自治体の代わりに徴収し、財源の不均衡を調整する「地方固有・共有の財源」であり、地方交付税を利用して自治体に圧力をかけ、強引に政策誘導する手法は、地方自治の理念、交付税の精神に反すると言わざるを得ない。

また、地方創生などに関連する3つの自治体向け交付金(地方創生推進交付金、地方創生拠点整備交付金、デジタル田園都市国家構想推進交付金)をデジタル田園都市国家構想交付金として再編することとしているが、「マイナンバーカードの普及等デジタル社会の基盤の状況をデジタル田園都市国家構想交付金による支援に際して評価することについて検討する」(デジタル田園都市国家構想基本方針、2022年6月7日閣議決定)として、デジタル田園都市国家構想交付金の一部について、カード交付率が全国平均以上であるとする等、交付金の採択に当たって交付率を勘案しようとしている。

マイナンバーカードの取得はあくまでも国民の申請に基づく任意であり、カードの普及率向上にむけた取り組みの責任があたかも自治体にあるかのような姿勢は問題である。政府目標を達成するため、地方交付税や各種交付金を利用して自治体に圧力をかけ、強引に政策誘導する手法は、地方自治の理念に背くものであり、厳に行わないよう、強く求める。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和4年12月6日

千葉県議会議長

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣           あて
総務大臣
デジタル大臣
デジタル田園都市国家構想担当大臣