福島原発Jヴィレッジへ
7月17日(火)
民主党地方議員が18日に福島のいわき市で原発のない社会をめざす
「グリーンテーブル」を発足するという嬉しいニュースが舞い込んだ。
前日には、同会が企画したJヴィレッジ視察があり、民主党議員の他にも
志を同じくするメンバーの参加も可ということで、さくらネットから4人が
同行させていただいた。
郡山を12時半過ぎに出発し、午後2時過ぎに現地に到着。
ここは、福島第一原発から20kmの距離にあり、避難指示区域の境界にある。
もともとJヴィレッジは、㈱日本フットボールビレッジ、つまりJリーグの
練習施設・合宿所なのだが、震災後3月17日より東京電力、自衛隊や消防庁
などの事故対応の拠点として活動をスタートした。
現在は、東電が福島第一、第二原発の復旧支援を行うための
前線基地となっている。
施設内で防護服に着替え、再びバスに戻り、
警戒区域となっている楢葉町へ出発。
楢葉町の職員の方がお忙しいところ、バスに同乗し、解説してくださった。
同町は人口8000人だが、現在、6000人が町を出ており、そのほとんどが
いわき市に避難しているとのこと。
この先、避難指示解除準備区域に移行したとしても、様々な課題があるという。
除染の問題、津波からの復旧、特に商店や医療機関など生活の基盤となる
インフラがないこと、若い人たちが戻ってこないこと、等々。
また、午前9時から午後10時まで特別警戒隊を常駐させているが、
立ち入り禁止区域の柵をかいくぐって、空き巣に入る不届者がいるという。
説明の声は力がなく、疲れ切ったご様子に胸が痛んだ。
ちょうど近くの山でゼネコンの方々が除染作業をしていた。
関係者にお話を聞く。
こちら大坂地区20ヘクタールを10月末までに除染するとのこと。
作業員100人ほどで下草刈り、枝打ちをし、枝や落ち葉をフレコンパックに
詰め、仮置き場に保管しているそうだ。
除染後の空間線量は半減し、およそ0.4マイクロシーベルトになるという。
生活圏(田畑や道路から20メートル以内)を除染するというが、
辺り一面の山々を見渡し、途方もない除染作業にいったいどのくらいの
費用がかかるのだろうか?
除染しても住民が戻れないのであれば、避難先で厳しい生活を強いられている
被災者の生活の安定のためにこそ、税金を使うべきだ。
この後、Jヴィレッジに戻ったところ、仕事を終えた作業員を乗せたバスが
2台到着。
バスから疲れ切った表情の男性たちがたくさん降りてきた。
想像もできない過酷な現場なのだろう。
一日平均延べ3000人が作業に従事し、毎日50人ほどの新規作業員が
入るとのこと。
早い人は朝4時から12時までで、現在はサマータイムのため、熱中症防止
のため、午後2時から3時までは屋外作業は禁止しているそうだ。
彼らの後に続き、防護服を脱ぎ、ゲートモニターで放射線量をチェック。
問題がなければ、通常エリアに戻る。
私たちも部屋に戻って東電の職員から施設の説明や第一原発の現状
について、質疑応答。
4号炉の安全性や防波堤についての質問が出されたが、東電側の回答
は心もとなく、事故収束の見通しは立っていないことを確認した。
時計は午後5時半に近付き、帰宅組は常磐線の最寄駅に急いだが、
ちょうど電車が出たところで1時間近く足止め状態。
ようやく電車に乗り、帰宅したのは午後10時過ぎ。
今朝はユーカリ駅の議会速報配布できつかった…。
今回は、グリーンテーブルの皆さんのおかげで貴重な経験をさせて
いただきました。
特に呼びかけ人の遊佐美由紀宮城県議、山田実滋賀県議、その他民主党
地方議員の皆様には大変お世話になりました。
今の民主党政権は、脱原発とは逆方向に走っていますが、
地方から脱原発をめざし、超党派で連携していくことが近道なのでは
ないでしょうか?
そんな広がりを感じさせる有意義な視察でした。