エボラ出血熱に備えて
12月23日(火)記
先週16日(火)、健康福祉常任委員会の県内調査で成田赤十字病院に
伺いました。
当病院は、エボラ出血熱等の感染症の指定医療機関に指定されています。
エボラ出血熱は、今年3月にギニアでの集団発生後、リベリア、シエラレオネ
へと流行地が拡大し、8月にはWHOが緊急事態を宣言。
日本でも発症者が現れたかと一時大騒ぎになりました。
午後3時過ぎ、成田日赤に到着。
加藤院長からごあいさついただき、その後感染症科部長の野口医師から
感染症患者受け入れ態勢や感染防護について、ご説明を受けました。
未知の感染症である特定感染症に対応できる医療機関は、
全国で3か所だけ。
ここ成田日赤に2床、東京の国立国際医療研究センターに4床、
大阪のりんくう総合医療センターに2床の合計8床とのこと。
エボラ出血熱は特定感染症より1ランク低い1類感染症にあたり、
全国で46か所(94床)の指定医療機関が対応しますが
千葉県では成田日赤に1床のみ指定されています。
エボラウイルスの自然宿主はオオコウモリ科のコウモリであると考えられ
ウイルスは野生動物から人に感染し、人から人の感染によって人の間で
広がります。
エボラ出血熱のアウトブレイクは主にアフリカの中部と西部の熱帯雨林に
近い僻地で発生しますが、その致死率は25~90%。
空気感染の心配はなく、体液に触れた場合に感染するそうです。
そのため、厳重な防護対策をとらなくてはなりません。
レクチャーの後、感染症病床を見学しました。
こちらが感染症外来のとびら
病室内で出た廃棄物はまとめて病室内で梱包し、この機械で感染源を殺滅する
そうです。
病室内の排水は、一般病棟の排水処理槽とは別で独立しています。
エボラ出血熱の場合、治療に約1か月かかるそうです。
また、成田日赤では8人の整形外科の看護師さんが患者受入れの
訓練を行っているとのことです。
極めて感染力の高い危険な仕事ですが、「危険手当」は
一日わずか620円とのこと。
どうにかならないものでしょうか?
ちなみにドクターはもともと危険リスクが高い仕事なので
危険手当は一切ナシだそうです。
最後に、感染を防ぐための防護用具の装着方法を教えていただきました。
内田委員長自ら防護服の試着体験にチャレンジしてくれました。
手袋を二重にはめたり、ゴーグルをかけたりと、プロセスがとても大変!
翌日の17日には、県内の保健所と合同で「疑い患者搬送訓練」を行うとの
ことでした。
患者さんの命を助け、感染拡大を防ぐために日々奮闘されているドクターや
看護師さんたちが活躍されている最前線を訪問することができ、
とても有意義な視察となりました。
成田赤十字病院の皆様、たいへんお世話になりました。
今後ともよろしくお願い申しあげます。