八ッ場ダムは今
2月9日(火)
早いもので、2月に入ってしまいました。
ブログの更新は滞っていますが、連日、休みなく駆け回っています!
7日(日)さくらネット総会後の議会報告会では八ッ場ダム現地視察を
報告する予定でしたが、時間が足りずに断念。
そこで、改めて先月25日(月)に1都5県議会議員のメンバーで足を運んだ
八ッ場ダム建設現場の様子を報告します。
朝8時に高崎駅を出発し、10時に現地に到着。
国交省現地事務所副所長の案内で八ッ場大橋へ。
角倉群馬県議が「地元住民や温泉客から夜間の発破作業の音や
振動についての苦情を聞くが、24時間体制で本体工事をしなければ
間に合わないのか?」と質問。
小宮副所長は本体工事を急いでいることは否定。
しかし、24時間体制で工事を進めている理由の説明はありませんでした。
川原湯地区打越代替地の下手にある国の名勝・吾妻渓谷の最上流部
にダムサイト右岸の作業ヤードがつくられています。
この作業ヤードの下にかつてあった遊歩道は基礎岩盤の掘削工事に
より消失し、見るも無残な姿が目の前に広がっていました。
吾妻川の河床を挟んだ正面の左岸ヤードでは、コンクリート製造プラント
が設置され、岸壁の上部はコンクリートが吹き付けられていました。
1970年の国会答弁でダムサイト岩盤崩壊の危険性を指摘された場所
であり、熱水変質帯という地層の露出を見て取ることができました。
寒さと恐ろしさで身震いしました。
こちらでは重機が稼働中のため、車中で説明を受けました。
ダムサイトの予定地の両岸では、昨年9月からリムグラウトトンネルの
掘削工事が進められ、グラウチングと呼ばれる地盤改良を実施中。
ダムを支える岩盤の隙間にコンクリートミルクを注入し補強したり
貯水時に水漏れをしないようにする工事であり、両岸合わせて
約300mのトンネルを掘ることになっています。
当初計画でダム本体工事のコンクリート量は160万㎥でしたが、
2007年のコスト縮減技術委員会の報告に基づき、
91万㎥(-43%)に削減。
同行した地質の専門家によると、2007年の地質調査報告では左岸は
右岸に比べて亀裂は少なくルジオン値(透水性)が小さいとされていた
ところが、2013年の調査報告書では、新たな変質帯と高ルジオン帯が
見つかり、両岸共にリムトンネルを掘りグラウチングが必要という評価が
出されているとのこと。
今後、グランチング計画を継続的に見直す必要があり、そのためのコスト増
の可能性もある、予想以上に時間がかかるとの見通しが示されました。
無駄な公共事業に湯水のごとく税金が投入されようとしていますが、
そんな財政的余裕など国も県もないはずです。
公共事業ありき、ダム利権で犠牲になった現地住民と美しい自然環境。
寒さと怒りで身体が震えました。
(この項、続く)