令和7年4月臨時県議会 健康福祉常任委員会 審議状況(入江質疑箇所)
令和7年4月18日(土)
なお、質疑要旨は正式な議事録ではありません。
議案第4号 専決処分の承認について
質問
控訴審において県は何を獲得目標として争っていく立場なのか。
(入江委員)
回答
今回の判決は昼休みなどの休憩時間における対応について、ほぼ原告の主張どおりに勤務時間に該当すると認められたことなど、県として容認できない内容となっており、勤務時間にどこまで該当するかについて、争う必要があると考えています。
(高木児童家庭課長)
質問
どのような影響が予想されるため、控訴審で争うのか。
(入江委員)
回答
控訴中の案件なので、詳細は控えさせていただきます。
(高木児童家庭課長)
質問
県に対し、原告弁護団から「本件判決への控訴をしないよう強く求める声明」が判決日に出されているが、県の受止めはどうか。
(入江委員)
回答
声明については承知しておりますが、県として今回の判決は容認できない内容となっており、勤務時間にどこまで該当するかについて、争う必要があると考えています。
県の主張が一部認められなかったことは、残念だと受け止めております。
(高木児童家庭課長)
質問
県は現場の労働環境の改善にどのように取り組んできたのか。
(入江委員)
回答
児童相談所の一時保護所に関しては、これまでも職員の増員など改善を図ってまいりましたが、本年4月の設備基準や職員の配置基準等を定めた条例の施行により、今後、さらに、児童指導員等の増員を図る予定です。
また、令和5年に人材育成基本方針を策定し、階層別や職種別の研修の実施や、ブラザーシスター制度の導入など、計画的な人材育成を進めています。引き続き、児童相談所の職員が安心して働ける職場環境となるよう取り組んでまいります。
(高木児童家庭課長)
質問
長期療養休暇を取得している職員への対応を改善するべきではないか。
(入江委員)
回答
児童相談所の業務には、複雑で困難な虐待事案の対応が求められていることや、支援対象との関係性、また、重大事例と隣り合わせになる可能性があるなど、児童相談所に特有の性質があることから、職員の心理的負担に配慮する必要があると考えております。
そのため、児童相談所職員を対象とした、心の健康やメンタルヘルスをテーマにした研修の実施など、サポート体制を充実させてまいります。
(高木児童家庭課長)
質問
長期の療養者や、休職に至る前の対応が求められている。この点が裁判の争点と併せて改善すべき観点と考えている。児童相談所における長期療養者の割合は、原告の勤務していた頃と比較して改善しているのか。
(入江委員)
回答
1か月以上の療養休暇取得者及び休職者の割合で言うと、児童相談所全体で、原告が休職となった令和2年度は8.4%だったが、令和6年度は6.3%で、減少している。
(上林健康福祉政策課長)
質問
減少しているということは改善していると受け止めるが、心理、児童指導員など、いろいろな専門職種がいるが、その辺りはどうか。
(入江委員)
回答
職種ごとの割合は出していないが、全体として減少傾向にはあるところ。
(上林健康福祉政策課長)
質問
職種別は出していないとのことだが、当該事案は市川児童相談所の事案である。これまでも入所児童の入所率が2倍など超過しているところは、比較的都市部が多いが、中央、市川、柏の児童相談所の療養休暇の取得率は減少しているのか。
(入江委員)
回答
1か月以上の療養休暇取得者及び休職者の割合で言うと、中央児童相談所は令和2年度は11.2%で令和6年度は7.1%、市川児童相談所は令和2年度は10.9%で令和6年度は6.1%、柏児童相談所は令和2年度は7.1%で令和6年度は5.4%で、いずれも減少している。
(上林健康福祉政策課長)
質問
長期療養者が職場に復帰する際、どのようなプロセスを経たのか。また、なぜ復帰後再度休職し、退職することとなったのか。
(入江委員)
回答
本訴訟とは別に、長期療養者が職場復帰する際は、産業医の面談などを行います。
(高木児童家庭課長)
質問
原告は、産業医との面談を希望していたが、面談できていない。現場での働き方のすり合わせができていなかったのではないか。
(入江委員)
回答
職場で上司と面談をして復職していると認識しています。
(高木児童家庭課長)
質問
職場の上長との面談で復帰につなげているということだが、やはり精神疾患で休んでいた者については、たとえ休職前の療養休暇を取得している段階であっても、職場復帰に当たっては、専門的な角度から、一緒になって、どういった復帰が可能なのかやっていく必要があると思う。長期療養者は現在どれくらいいるのか。
(入江委員)
回答
令和6年度の状況だが、休職者は6児相合計で16人、療養休暇取得者は6児相合計で27人という状況である。
(上林健康福祉政策課長)
質問
全体に占める割合は大きく下がっているという説明があったが、実数で見るとかなりの数が療養休暇または休職している。千葉県の貴重な、専門的な知見を有して頑張っている方なので、しっかりと現場に戻ってこられるような状態にしていく、そういった改善が何よりも不十分だと思う。この点について今後の県の対応について聞きたい。
(入江委員)
回答
短期の療養休暇からの復帰については、必ずしも医師が関わるという仕組みがある訳ではないが、3か月以上の療養休暇から復帰する場合については、本人からリハビリ出勤の申し出があった場合には、所属長は本人、主治医、メンタルヘルスカウンセラーとの話し合いの場を持って、助言、指導を行うこととされているので、そういった制度の周知や、県庁に健康管理に関する専門の相談窓口があるので、相談を促すなどの取組を行って、本人の意向をしっかり汲んで対応をしていきたいと考えている。
(上林健康福祉政策課長)
要望
長期療養者の復帰に当たり、療養休暇明けの場合は職員健康管理審議会の対象となっていないが、産業医との面談の実施や上長との復帰への話し合いというところに第三者、専門的な知見を有する方を同席させて、本人が復帰したいという気持ちがあっても、専門的な知見から言ったら、まだ難しいということもあると思う。しっかりと働き続けられるような、きめ細かなサポートが求められているので、制度化については、関係部局と協議が必要になるかと思うが、そういったことを要望したい。
控訴により、千葉県の児童相談所に対する評判が悪くなったり、受験者数が減少したり、マイナスの影響が生じることも大きく懸念している。それらを払拭して、新たな人材の確保に向けて、労働環境の更なる改善と、これから100人規模の人材確保に努めていくという話も聞いているので、そういった点について力を入れていただきたい。何よりも職員の労働環境が守られてこそ、児童相談所の本来の役割を発揮できるし、子供の人権もしっかりと保障することができると思うので、今回の裁判は控訴審に進むということだが、千葉県の児童相談所で働く方々の労働環境につながる裁判にして欲しいと思っている。
(入江委員)