たねと食とひと@フォーラム・農業のあり方

たねと食とひと@フォーラム・農業のあり方

お茶の水の明治大学で開かれたシンポジウムに参加。

第一部は、「農業のあり方、消費者・市民の関わりを考える」と題して京都大学院教授で国際農業分析を担当されている久野秀二さんが講演されました。

オランダで起こっている農業の2つの流れについて紹介。

一つは産業競争力政策による大規模で輸出志向型、農業工業化の流れ。
産官学連携による関連産業のクラスター化のフードバレー構想があります。
アベノミクス農政、強い農業・攻めの農業・儲かる農業に通じるモデルです。

もう一方は、多面的機能型農業、「新しい小農」と呼ばれるもの。
農業近代化モデルからのパラダイム転換による農業・農村発展モデルとして再評価されているとのこと。
都市農業・地域農業の再興と生産者・消費者の市民的つながり、外部資本に依存しない、有機農業・高付加価値化、地産地消等の特徴があります。

前者が主流ですが、後者がオルタナティブとして緊張関係にあり、多様性があること。
この有り様が日本の農業の将来を考えていく上でのヒントになるのではないか?

折しも、昨年12月国連総会で「小農と農村で働く人々の権利に関する国連宣言」が採択され、今年から「家族農業の10年」がスタート。

我が千葉県も農業県ですが、農家の高齢化や担い手不足という厳しい現実に直面しています。食の安全保障、命の源である種子の問題を農業を守るという視点で自分事として考え、行動していかなければと改めて思いました。

人権としての食料や水への権利は政治・市民的権利と同じく不可分の「市民の権利」。
このことを意識し、種子法廃止の背景にある政治経済の流れを理解する必要があると語った久野さん。
いつも示唆に富んだ深い見識に学ばされます。

たねと食とひと@フォーラム・農業のあり方

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